遺跡・観光

新型コロナウイルスパンデミックを経て、世界各地の名所には観光客が戻ってきているという。そんななかメキシコユカタン半島にある有名な世界遺産「チチェン・イッツァ」では、その階段を観光客が登ってしまった。

アメリカの『Fox13 News』『NEW YORK POST』などが伝えたほか、ツイッターにも多数の動画が投稿され、世界に波紋を広げている。

【動画】観光客の女が階段を上る違法行為


■メキシコの大人気の世界遺産

マヤ文明の都市遺跡であるチチェン・イッツァ。その中央には、スペイン語の「城」を意味するエル・カスティージョと呼ばれる高さ約24メートル、9層からなるピラミッドがある。コロナ禍前には毎年約120万もの観光客が訪れ、大変人気の高い世界遺産だ。

保存の重要性や安全上への懸念から、2008年以降はエル・カスティージョの階段を上ることは禁止されているが、そんななかで1人の観光客に驚きの違反行為があったという。


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■人々の制止を振り切って…

20日、スペインから来た観光客の女がそのエル・カスティージョの階段を上り、最上段の神殿の前に到達。腕や腰を振って歓喜のポーズを取るなどして、大ひんしゅくを買った。

女は人々の制止を振り切って階段を上っていたが、降りてくると群衆から激しく罵倒され、ペットボトルの水を浴びせかけられ、髪を引っ張られるなどした。

その後、メキシコ国立人類学歴史研究所の職員が身柄を拘束して事情聴取。女には、日本円にして35~70万円の罰金刑が言い渡されたと考えられている。


■階段に見るマヤ暦

エル・カスティージョの4面の階段は、それぞれ91段で合計364段。これに神殿が祭られた最上段を加えると、1年を示す365段になる。また内部には、ジャガーをかたどった玉座や、生贄の心臓を太陽へ捧げたチャクモール像が飾られているという。

なお、北面の階段の下部にはマヤ神話の最高神ククルカン(羽毛を持つヘビ)の頭部の彫刻がある。春分・秋分の日に階段の脇に現れる影がヘビの胴体に見えることから「ククルカンの降臨」と呼ばれ、世界中から集まる観光客を圧倒している。

■階段を上った観光客の女

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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