道具と理屈に凝るのは還暦筋トレーニーの趣味のようなものなので、これらの道具が絶対に必要というわけではないという。還暦筋トレーニーの道具のこだわりをお届けします。還暦から筋トレを始めた城アラキ氏が著書『負けない筋トレ 還暦から筋トレにハマったら、「肉体」と「人生」が激変した!』(ブックマン社)で解説します。

還暦トレーニーの異常な道具愛

【最初の準備】

まずは注意書き。あらかじめお断りしておくと、道具と理屈に凝るのは私の趣味のようなものなので、以下のギアもろもろ、まともな大人は少し割り引いて読んで欲しい。これが絶対に必要というわけではない。というのもトレーニング歴の長いトレーニーさんほど、あまり道具や理屈には頼らないからだ。

体組成計

最初に準備するのは、乗るだけでWi-fi経由でデータスマホに転送できる体組成計いちいち日々の体重をグラフ手書きしていたら、続けることが難しい。細かな変動を見るため50g刻みで計測できるものを選ぶ。

朝晩、同じ時間、トイレの後に量る。体組成は四肢を部分分けして筋量・脂肪量まで計れるものもあるがやや高額。ジムによっては高性能の体組成計を置いているところもあるので、必要ならこれを使えばいい。ただし体重と体脂肪の記録だけは自宅で毎日行いたい。

▶専用メジャー

このメジャーがいいのはメジャーの先端を本体に止め、円状にして体の各部位を計測できること。もちろん毎日計測が必要なほど大きな変化は起こらないが、ひとりで測れるので便利だ。このときの体の各部の計測値は必ず記録。次に述べるスマホアプリを使って体の各部の写真も同時に撮っておく。

トレーニング記録アプリ

ジムでは重量と回数をノートで記録している人をよく見かける。トレーニング中に書くのが面倒なので私は「GymGoal pro」という有料のアプリトレーニングの後に記録している。重量と回数の記録は普通、日々変わるほど大きな変化はないので全体はコピーですませ、種目ごとの変更部分だけ修正する。

ノートであれ、アプリであれトレーニング記録は必ずつけること。筋力の成長=扱うウエイトは、半年前、1年前の記録を振り返ったとき必ず増えている。増えなくて悩むこともあるが、その事実を知ってトレーニング方法や食事を変えるためにも記録は大事だ。体の各部位のサイズと写真も記録できる。

▶体重記録のアプリ

これは体重計メーカーサイトからダウンロードしてスマホに入れる。目先の体重の増減なんて単に水分量や塩分の問題……と、わかっていても、増えているよりは減っている方が嬉しいのは、体重計にそっと乗る女子高生と変わらない。長期間のグラフを見ると、必ず体重も変化している。

「2.5kgは重い」還暦トレーニーに焦りは禁物

▶食事記録のアプリ

「マイフィットネスパル」とか「カロリズム」など無料アプリも充実している。私は「あすけん」というソフトをPCとスマホに入れている。

食事記録=食べた後での記録という使い方もあるが、逆にその日のメニューをあらかじめ朝に決め全部打ち込み、摂取カロリーとタンパク量、脂肪量、炭水化物量をコントロールすることもできる。体重、体脂肪率の記録欄もあるので体重計の記録とは別にここにも記入する。食べ物と体重の増減の関係を知りたいからだ。

外食のときもあらかじめ食べるものと内容を決め、予想で打ち込んでおく。食後のバーでの酒も「ジンリッキー1杯、ハイボール1杯、モルト1杯」などと決めておくが、さすがにこれは一度も守れたことはない。

▶重さと回数の相関関係を記録する

詳しくは後に述べるが、私の場合、各種目10回を3セットが基本。10回が12回まで上げられるようになるとウエイトを2.5㎏増やしてまた10回に戻る。要は筋力が増して回数が増える→ウエイトを少しだけ増やす→そのウエイトが10回上げられるようになったらまた回数を12回に増やす。これを繰り返す。

と、簡単に書いたが同じ「SEIBUGYM」の若いM君、ベンチプレスの扱い重量を125㎏からわずか2.5㎏増やすために8ヵ月もかかったそうだから、還暦トレーニーは焦らぬこと。2.5㎏は意外に重い。

実はこのトレーニーの筋力を見極め最適なウエイトと回数を決めるのもトレーナーの力量である。その日の体調などを見ながら各セットごと、細かく使用重量を変えてくれる。もちろんトレーナーさんも記録をしてくれているが、自分でも記録しておく。1年経って見返すと、わずかながらの成長でもとても感動できる。

▶正確なフォームで記録を

ひとりでトレーニングするときは、回数と重量だけにこだわるとフォームが崩れているのに気づかない。ベンチプレスでいうとお尻をベンチ台から1㎝浮かせるだけで、あるいは胸とシャフトを1㎝離すだけで挙上重量が1㎏は増える気がする。胸から5㎝離したら5㎏だ。いくらでもインチキができる。

私のように、自主トレのときは重量を上げる楽しみのためと割り切るなら多少のインチキもいいだろうが(ホントはよくないが)、正しい筋肥大が目的なら毎回同じフォームにしないと正確な筋力=そのときに挙上できるウエイトが記録できない。

城 アラキ 漫画原作家

(※写真はイメージです/PIXTA)