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 オーストラリアで木の近くを歩いていた人がもふもふの白い毛玉が落ちているのに気が付いた。よく見ると目とクチバシがついている。鳥のヒナだ!

 風が吹いて近くの木から吹き飛ばされたのだろう、親鳥が助けに来るかもしれないとしばらく様子を見ていたが一向に来る気配はない。そこで、周辺を探索し、親鳥を探してみたがどこにもいない。

 このままでは死んでしまうと判断し、野生動物保護施設に連れていくことに。ヒナはすくすくと成長していったのだが、元の面影はみじんもない、まったく別の姿に成長したようだ。

 さて、この鳥は何のヒナだったのかわかる人はいるかな?カラパイアでも何度か取り上げている鳥だけど、白い毛玉からは連想できないかもしれない。

【画像】 木の近くに落ちていたもふもふの白い毛玉

 ビクトリア州メルボルンの郊外、ブライトンでのできごと。近くの住人が歩いていると、白くもふもふした物体を木の近くで発見。

 綿毛のボールか何かと思ったそうだが、よく見ると顔がある。鳥のヒナだ。風に吹き飛ばされて木から落ちてしまったのだろう。

 そう思った住人はしばらく様子を見ていたが、親鳥が助けに来る気配はない。そこで親鳥を探し回ってみるも、それらしき鳥の姿は見当たらないし、巣も見当たらない。

 このままではヒナは死んでしまうと判断した住人は、ボノロング野生生物保護施設に連れていった。

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 ヒナはポッドと名付けられ、健康診断をしたのち、餌を与えられた。

成長した白い毛玉はあの怪鳥だった!

 ボノロング野生生物保護施設のスタッフはこの白い毛玉ヒナの画像をFacebookに投稿し「このかわいい毛玉は何かわかりますか?」と問いかけた。

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 鳥を良く知っている人ならわかっただろうが、白い毛玉とはかけ離れた姿になるので、素人はびっくりするかもしれない。

 実はこの白い毛玉、「オーストラリア ガマグチヨタカ」のヒナだったのだ。

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[もっと知りたい!→]私は木。ツーンと杭になりすますガマグチヨタカとその子供

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 ガマグチヨタカは木とそっくりに擬態することで知られている。大きな頭でカエルのような口をしていることから、海外では「フロッグマウス」と呼ばれている。

 その見た目の怪鳥っぷりが逆に受けて、2021年には最もインスタ映えする鳥に選ばれたほどだ。

Tawny Frogmouth: Master of Camouflage

 オーストラリア ガマグチヨタカは、オーストラリアやタスマニアに生息するヨタカ目ガマグチヨタカ科の仲間だ。褐色の体色からフクロウと間違われることが多い。

 オーストラリア博物館によると、ガマグチヨタカの親は、ばらばらに積んだ木の棒でざっくりと巣を作り、赤ちゃんが生まれると、卵を温めるためにオスとメスが交代で巣の上に座るという。

 もしかしたら親鳥がうまく木に擬態していたから、探し出せなかった可能性もありそうだ。

 ポッドはもうしばらくこの保護区で暮らし、自分の力で自然の中で暮らせるかどうかを確認した後、安全に野生に帰す予定だそうだ。

 保護されてから10日以上たってるから、これくらいの姿にはなってるかな?

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photo by iStock

 それにしても白いもふもふ毛玉が、これほど別鳥に成長すると知ってびっくりなんだぜ。ヒナ時代も、成鳥時代も両方楽しませてくれるオーストラリア ガマグチヨタカの魅力は無限大なんだぜ。

白毛玉ヒナにエサをガマグチヨタカの動画

Baby Tawny Frogmouth Enjoys Home Delivered Dinner

written by parumo

 
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白いもふもふ毛玉?と思ったらヒナ。保護したところ驚くべき怪鳥に進化