イギリスではゴミをポイ捨てする人がなかなか減らないのが現状だ。そこで南西部のウェールズでは、ポイ捨てを減らすため、マクドナルドと連携してある試みを検討中だ。
それは、「ドライブスルー利用客の包装紙に車のナンバーを印刷表示する」というものだ。数年前から検討されていたものの、未だ実施には至っていない。
ポイ捨てを減らす効果は見込めるが、もしマクドナルドだけが実施するのであれば、顧客の多くは別のファストフード店に行ってしまうからだ。
ポイ捨てを減らすため、イギリス・ウェールズでは、マクドナルドのドライブスルー利用客の車のナンバーを、包装紙に印刷表示することを検討中だ。
ウェールズでは、2年前にある政党がファストフード会社に対し、ドライブスルー利用客のナンバープレートを包装紙に印刷するよう求める請願を開始した。
これは、コロナウイルスのロックダウンが終わった後、店舗を利用する人々のポイ捨てが急増し、町がゴミだらけになってしまったからだ。
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すべてのファストフード店でやらなければ意味がない
だが、このアイデアの実施には、メリットとデメリットがあるようだ。
スウォンジー市評議会の廃棄物責任者であるクリス・ハウエルさんは、気候変動企業実施委員会の会合で次のように語った。
ウェールズ政府は、マクドナルドやそのフランチャイズと一緒に、ドライブスルー利用客の車のナンバープレートを印刷することで、人々がゴミを捨てるのを思いとどまらせることができるかどうかを検討してきました。
しかし、全てのファストフード企業が一斉にやらなければ意味がありません。
もし、マクドナルドだけがこれを実行したら、多くの人はマクドナルドではなくバーガーキングに行くでしょう。誰も自分の個人情報を袋に印刷されたくないからです。
良いアイデアだと思うのですが、現時点では問題があるというわけです。
案が実施されるまでには時間がかかる可能性
ハウエルさんは、ゴミを減らし無駄をなくすための市や企業の取り組みは素晴らしいものだと話している。
しかし、商業顧客のリサイクル率は現在 58% 弱であり、全体のリサイクル率を低下させているというのだ。
だからこそ、今後は住民と1500 の商業顧客からの廃棄物の70% がリサイクルされるよう目指しているが、現時点では“検討中”の段階を抜けていない。
一方、マクドナルド側は、このアイデアを実施することで、果たして本当にポイ捨てが減るのか、確信が持てないと述べている。
同社は、この案が“検討中”の間は、提携しているパートナーシップとゴミをゴミ箱に捨てる顧客に報酬を与える計画を実施し、Keep Britain Tidyなどの反ポイ捨てキャンペーンのサポートをしていきたいと述べている。
ちなみに、Keep Britain Tidyによると、イギリス全体では毎日推定200万個ものごみがポイ捨てされているという。
現在、ウェールズ政府は、「車のナンバーを包装紙に印刷」というこの案をさらに詰めているようだが、実施までは時間がかかりそうだ。
References:Car registrations to be printed on McDonalds bags in new littering plan being considered/ written by Scarlet / edited by / parumo
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