ヒンドゥー教と強く結びつき、身分制度「カースト」が社会に根強く残るインドで今月17日、両親の許しを得ないままカーストが違う男性と結婚した女性が父親に殺害された。父親は警察の警察の調べに対し「娘は一家の名誉を汚した」と語り、“名誉殺人”であることを主張したという。『Times of India』などが伝えている。

インド北部ウッタル・プラデーシュ州マトゥラーの高速道路近くで今月18日、赤いスーツケースの中に入った女性の遺体が発見された。顔、頭、体には多数の傷があったほか、胸に2発の銃弾を受けており、地元警察は殺人事件として捜査を開始した。

そして2日後、警察に匿名で「遺体はアユシ・ チャウダリーさん(Aayushi Chaudhary、22)ではないか」との情報提供があり、捜査は大きく進展した。

アユシさんは生前、デリーの私立大学コンピューターアプリケーションを学ぶ学生で、サウス・イースト・デリーの自宅で両親と一緒に暮らしていた。しかし捜索願などは出されておらず、警察が両親に事情を聴いたところ不審な点が多いことが判明、父ニテーシュ・クマール・ヤーダブ(Nitesh Kumar Yadav、49)が娘の殺害を認めた。また母ブラジバラ(Brajbala、45)も遺体の搬送、証拠隠滅などに協力したとしてニテーシュと一緒に逮捕された。

ニテーシュの供述によると、自由なライフスタイルを好むアユシさんと両親の関係はここ2、3年で少しずつ悪化していたそうで、今月初めにアユシさんが「カーストの下層『グジャール(Gujjar)』に属するチャトラパティシングさん(Chhatrapal Singh、24)と昨年、結婚した」と告白したことで口論が絶えなくなったという。

この結婚を機に、アユシさんは数日家を空けることが増え、激怒する両親に「もう成人なのだから、干渉するのは止めて欲しい」と反論するようになった。またその後、ニテーシュが「娘には近づくな」とチャトラパティさんの自宅を訪ねたことで親子の関係はさらにこじれてしまったようだ。

そうして迎えた17日、ニテーシュはアユシさんに「お腹が痛い。もしかしたら妊娠しているかもしれない」と明かされて怒りが爆発、アユシさんの母ブラジバラと男きょうだいの目の前で娘を殴り、射殺してしまった。ニテーシュはその後、ブラジバラと一緒に遺体をビニール袋に詰め、買ってきたスーツケースに入れた後で翌日、高速道路近くに捨てたのだった。

なお犯行に使われた銃は登録済みのもので、ニテーシュは至近距離から発射、娘を殺害した理由については「妊娠していることが知れ渡ったら、家族や親戚に顔向けできないと思った」と話し“名誉殺人”を主張した。

しかし運命とは残酷なもので検死の結果、アユシさんは妊娠していなかったことが判明しており、ニテーシュは「怒りに任せて娘を殺してしまった。非常に後悔している」と語っている。

ちなみにアユシさんの両親はデリーに家を数件所有するなど裕福で、カーストはチャトラパティさんより上位のヤーダブ(Yadav)であるうえ、社会で優遇措置が受けられる「OBC(その他後進諸階級)」の認定を受けていた。アユシさんは長女で成績優秀だったが、チャトラパティさんと交際するようになってからは勉学への興味を失ってしまったようだという。

画像は『NDTV.com 2022年11月21日付「Man Shot Daughter In Delhi, Wife Helped Pack Body In Suitcase, Say Cops」』『New York Post 2022年11月22日付「Indian woman murdered, dumped in suitcase by parents for marrying a man from different caste」(ANI)』『Times of India 2022年11月23日付「Lies about pregnancy cost Delhi student Aayushi Chaudhary her life」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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