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 V奪回を目指す巨人で若手、中堅選手が外野手コンバートする流れが加速している。

 巨人増田大輝内野手(29)は29日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、200万円増の年俸2300万円でサインした。

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 増田大といえば、足のスペシャリスト。今季は主に代走での起用で11盗塁を記録。今オフには現役時代に通算228盗塁をマークした鈴木尚広氏が外野守備兼走塁コーチとして加入。走塁技術に関してさらに磨きをかけることを誓った。

 また内外野を守るユーティリティープレーヤーとして知られる増田大が、注目を集めたのは次の発言にもあった。

 「来年外野のレギュラーを目指してやりたい。『こいつが出てくるの?』というダークホースとして絶対にレギュラーを取りにいきたい」と外野手としての定位置奪取を目指すと宣言したのだ。

 同じく内野手から外野のレギュラー奪取を目指しているのは増田陸内野手(22)だ。29日に都内の球団事務所で契約更改に臨み、1190万円増の1800万円でサインした。

 育成からスタートした今季は、3月に支配下復帰。69試合に出場し、打率2割5分、5本塁打、16打点と若手の有望株として一躍存在感を示した。

 「くじけそうになったときもありましたけど、それでも野球が好きなので。来年また(年俸が)3倍以上になれるように頑張りたいなと思います」と意欲を語った。

 原監督からは中堅での起用構想も明かされるなど、来季は外野手として本格的にレギュラー奪取を目指す。

 「今年1軍で試合に出ましたけど、求めているのはレギュラーで1年間出て、何かタイトルをとりたい」と貪欲に目標を口にした。

 ほかにもこの日、契約更改に臨んだルーキーの岡田も「チーム内で(外野手争いに関して)バチバチの戦いができると思うので、絶対負けない、俺が(レギュラーを)取ってやるという気持ちを前面に出してやっていきます」と宣言。

 ギラギラした視線で外野のレギュラー奪取を狙う選手が続出している背景にはこんな声もある。

 「すでにを右翼へコンバートするプランを監督が明かしています。そうなれば、中堅、左翼が空いている。外野に関しては期待していた選手が伸び悩んでいる中、レギュラーを目指す中堅、若手にとっては最大のチャンスといえる」(球界関係者)

 今季、主に外野を守ったのは丸、ポランコ、ウォーカーの3人。ポランコはすでにチームを去り、ウォーカーも守備難の課題がある。

 ほかにも外野には移籍2年目となったFA砲の梶谷もいるが、今年5月に左ヒザ内側半月板縫合手術を行い、今季は一軍出場なし。昨年10月には腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けるなど満身創痍の状態となっている。「リハビリ組」として、異例の育成契約で再出発することが決まっている。また今季レギュラー獲りに臨んだ松原も不振に悩み、与えられた1桁の背番号「9」はわずか1年ではく奪。来季から「59」に変更となることも決まっている。

 世代交代が急務となっている今、若手、中堅が目の色を変えてレギュラー獲りを目指すことがチーム力の底上げにもつながることは間違いない。来季はいよいよ大胆な「地殻変動」が生まれるか。注目のシーズンとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

原巨人 「こいつが出てくるの?」若手がこぞって「外野シフト」に走る理由