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 DeNA山﨑康晃11月29日、来季から年俸3億円での6年契約を結んだ。毎オフ、球団に訴えてきたポスティングシステムでのメジャー挑戦の夢は封印。「横浜に骨を埋める覚悟で投げる」と生涯ベイスターズを宣言した。

 山﨑はさらに、契約期間中にそれを破棄してメジャー挑戦を目指せるオプトアウトの条項はないことを強調した。「そういう契約は入れていない。メジャーに途中で移籍する可能性はない」。現在30歳。この6年契約を終えた時点では36歳に達する。年齢的に考えても、メジャーへの道は完全に諦めたとみていいだろう。

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 そもそもオプトアウトとは何ぞや、というファンも多いかと思う。直近の例を挙げれば、ソフトバンクから海外FA宣言した千賀滉大。昨年12月、年俸変動制の5年契約を結んだのだが、その際にメジャー挑戦を希望すれば契約を破棄できるこの条項を盛り込んだ。実際に千賀は海外FA権を行使して、メジャーリーグの複数球団が獲得に名乗りを上げている。

 またヤンキースから楽天に復帰した田中将大は、昨年1月に2年契約を結んだ。その際、1シーズン終わった際に田中がメジャー復帰を希望すれば、契約を破棄できるオプトアウトが付記された。

 メジャーリーグでは長期契約を結ぶ際、その間で選手自らの意思で契約を破棄してFAとなれるオプトアウトを盛り込むケースがままみられる。このオフはツインズ移籍1年目を終えたカルロス・コレアがオプトアウト権を行使してFAとなった。コレアは昨オフ、3年総額1億530万ドル(約150億円)でツインズと契約。1年目終了時点でオプトアウトできる権利が含まれ、それを行使した。今季は136試合で打率・291、22本塁打、64打点をマーク。「今がキャリアの全盛期。オプトアウトは正しい判断だ」と語った。以前の契約よりも、より高額の大型契約を結ぶことができるという自信を示したわけだ。

 逆に、予想される成績が残せなかったり、故障がちになるなど健康面に不安が出てくることで、オプトアウトしない選手もいる。

 ヤンキースに移籍した田中将大は2014年から7年総額1億5500ドル(約215億円)で契約。4年目終了時点でオプトアウトできる権利が盛り込まれた。田中はローテーションは守ったが、1年目に右肘のじん帯に損傷が発覚。健康面のリスクは払拭できず、仮にオプトアウトしていたら新たに結ぶ契約は単年あたりの年俸額が下がっていた可能性もある。そのあたりを冷静に判断し、決断したとみられる。

 山﨑はそうした条項を含まなかったことで、6年間変わることなくDeNAユニホームを着続けることが決まった。「僕のメジャーという夢は、ベイスターズで優勝したいという夢に変わった」。今季、2年ぶりに守護神の座に返り咲き、2位躍進に大きく貢献。胸をなで下ろしたベイスターズファンは少なくないはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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