結婚して37年を迎え、成人した2人の娘にも恵まれた夫婦が、去年突然のバイク事故に遭い、夫は生死の境をさまよった。
その後、なんとか命はとりとめた夫は、29年分の記憶がすっかり消失し、1993年にタイムスリップしてしまっていた。
困惑する夫を懸命に支え回復に導いたのは、変わらぬ妻の強い愛だった。依然として夫は記憶が抜けたままの状態だが、妻に2回目のプロポーズをし、夫婦は再び愛の誓いを交わした。
Husband awakes from accident thinking it's 1993, proposes to wife again
アメリカ・バージニア州に住むアンドリュー・マッケンジーさん(58歳)と妻のクリスティさん(54歳)は、周りの誰もが認めるほど普段からとても仲のいい夫婦だ。
成人してそれぞれ家庭を持っている2人の娘、ローレライさん(31歳)とアマンダさん(30歳)にも、「またベタベタしてる!」と笑われるほど、常に手をつなぎ、一緒に行動し、愛情を確認し合ってきた。
そんな2人は、去年6月の父の日に、アンドリューさんの好きなバイクに乗って外出を楽しんだ。そして、帰宅途中で赤信号を無視した車に衝突された。
事故の目撃者によると、2人はバイクから15メートルも飛ばされたという。
夫妻はすぐに病院へと搬送された。全身を強打したアンドリューさんは意識不明状態で、緊急手術のためにヘリで病院へ運ばれた。
脳震盪を起こし、骨折と内出血を起こしていた他、肺に穴が開くという大怪我を負い、生死の境をさまよったアンドリューさんだったが、手術は無事に成功。3日後に、目が覚めた。
しかし、アンドリューさんの中から29年間の記憶がすっぽりと抜け落ち、28歳当時の、1993年にタイムスリップしてしまっていた。
衝撃を乗り越えた夫婦の愛
夫が29年間の記憶を失い、若き日の自分を見ていることを知って、クリスティさんは大きなショックを受けた。
夫は、目覚めて娘に「妻はどこ?」と尋ねたそうです。娘2人のことも認識できず、病院のスタッフか何かだと思ったようです。
夫の病室に入ってきた私のことは覚えていましたが、彼の目は今の私ではなく、昔の私を見ていました。
夫がもしこのままになってしまったらどうしよう…と、あれほど人生で恐怖を感じた日はありませんでした。
父の記憶喪失に気付いたローレライさんも、何度も繰り返しいくつかのことを伝えたが、1時間後にまた同じことを伝えなければならない状態だったという。
医師からは、アンドリューさんの記憶が再び戻ってくるのかどうかは不明だと言われた。
それでも、「どんなことがあっても夫のそばにいよう。」と、クリスティさんは病院側に夫と同じ部屋に移らせてほしいと懇願し、車椅子状態でアンドリューさんのベッド脇に寄り添い続けた。
妻の献身的で強い愛が伝わったのか、その24時間後にアンドリューさんの事態が好転した。
夫は、私にいろんなことを尋ねるようになったのです。驚いたと同時にうれし涙が出ました。なんだか24時間以内に夫は新しい人になったようでした。(クリスティさん)
再び恋に落ちた妻に2度目のプロポーズ
その後、少しずつ容態が回復していったアンドリューさんは、11 日間の入院と厳しいリハビリを終えた。
2人は再び歩けるようになり、8 月には家族でビーチ旅行をすることができた。
アンドリューさんは、そこでクリスティさんに2度目のプロポーズをし、夫婦は数日後に誓いを更新した。
アンドリューさんの29年分の記憶はまだ戻っていない。事故のことを何も覚えていない自分にとって、妻は自分を苦境から乗り越えさせてくれた唯一の人だと、感謝の言葉を口にした。
幸いなことに、彼女はプロポーズにイエスと答えてくれました。私たちは、すでに37年ぐらい結婚していたようなので、うまくいきました。
妻なしでは、私はここまで乗り越えることはできませんでした。(アンドリューさん)
一方、クリスティさんはこのように語った。
私たちは、これからもいろんなことに前向きに生きていきたいと思っています。
事故は、本当に悪夢のような経験でしたが、互いが助かり、生きていたことに感謝したい気持ちでいっぱいです。それが全てです。
クリスティさんとアンドリューさんが初めて出会ったのは、16歳と19歳の時だそうだ。クリスティさんは、直感で「この人だ」と運命を感じたという。
何があっても、2人の強い愛は変わることがない。今回それを証明した2人は、また新たなラブ・ストーリーを紡ぐために、手を取り合ってともに人生を歩んでいくことだろう。
References:Car crash: Andrew Mackenzie awakes from motorcycle accident with memory loss, proposes to wife Kristy again - ABC7 New York/ written by Scarlet / edited by / parumo
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