海属性の怪獣みたいな見た目…。

名を「リバティー・リフター」

アメリカのDARPA(国防高等研究計画局)では2022年より、超大型水上飛行機「リバティー・リフター(Liberty Lifter)」の開発計画を進めています。この機は「革新的で破壊的な(innovative and disruptive)」な設計を特徴としています。

「リバティー・リフター」は、2本の胴体をもつ「双胴機」のスタイルを採用し、翼に10機のプロペラがついたデザインが公開されています。具体的なサイズについては現在発表されていませんが、国防総省の重量物運搬要件に基づき、大型輸送機並みの100t以上の貨物を搭載できる仕様が計画されています。飛行高度は1万フィート(約3050m)を維持できるよう設計されるほか、低価格で購入できる機体であることも開発要件に組み込まれています。

また、翼状の物体が地面や水面近くを移動する際、それらのあいだの空気流の変化に物体が影響を受ける「地面効果」を用いて、水面から100フィート(約30m)未満の超低空で飛行することができる仕様も盛り込まれています。

DARPAによると、現在の海上輸送は大量の貨物輸送には非常に効率的ではあるものの、脅威に対して脆弱で、整備された港が必要であり、輸送時間も長くなるというデメリットを持つそう。一方、空輸ははるかに高速ではあるものの、海上での軍事行動を補助できる範囲が限られているといいます。「リバティー・リフター」の開発は、これらのふたつの輸送手段の“いいとこ取り”を目指したものと見られます。

超大型水上飛行機「リバティー・リフター」のイメージ(画像:DARPA)。