「最長都バス"梅70系統"は無くなりません!」とのことです。

都市計画決定に向けて進行中

東京都は2022年11月30日(水)、多摩都市モノレールを北へ延ばす「箱根ヶ崎延伸」について、都市計画素案説明会などで出た質問に対する回答を発表。さらに詳細なことが分かってきました。

多摩都市モノレールの箱根ヶ崎延伸は、2016年の都市交通審議会答申で「事業化に向けて具体的な調整を進めるべき」とされ、計画準備が着々と進められてきています。まずは前段階である都市計画決定に向け、地元説明会などが行われてきています。反対側でも、町田方面の延伸計画が動きを見せています。

「箱根ヶ崎延伸」は、現在の終着駅である上北台駅から進路を変え、新青梅街道上を西進して、JR八高線箱根ヶ崎駅東側へ到達するものです。素案では、途中駅は6か所の予定です。既存の開通区間とは異なり、向かい合わせのホームではなく、「島式ホーム」が採用されているのが特徴です。

駅の配置は、開業区間と同じ考えで、「原則として約1km間隔となるように」決定したとのこと。島式ホームを採用した理由については、「駅がコンパクトになり、エレベーターなど設備も一基で済むなど、コスト縮減が図れる」としています。

終点駅は「JR箱根ヶ崎駅とは異なる駅」と明言していますが、「連絡通路によるデッキレベルでの接続の可能性について、瑞穂町が検討しています」とのこと。終着駅は駅前ロータリーを挟んで都道上に設置される計画ですが、JRとモノレールを空中でつなぐペデストリアンデッキもしくは歩道橋が整備されるかもしれません。

部分開業については「想定しておらず、途中に渡り線を設ける計画もない」とのこと。

運賃は「現況の距離別運賃に、新線加算運賃を加えた運賃設定となる」としています。

延伸区間は、都バス最長路線である「梅70」系統と並行する形ですが(都バスは旧道『青梅街道』を通行)、開業に伴うバス路線の再編については、「都営バスは再編予定はありません」と明言。その他バス事業者については、別途協議のうえ検討するとしています。

最後に「箱根ヶ崎からさらに先の、あきる野方面への延伸区間はどうなっているのか?」という質問がありましたが、都は「まずは都市交通審議会の答申でリストアップされなければ話にならない」といった回答。まずは答申に反映されるだけの実現可能性を持つために、地元市町が沿線地域としてのまちづくり検討を進めていくことが必要だとし、今後の構想にも期待を持たせています。

全体事業費は約1030億円。モノレール整備に必要な新青梅街道の拡幅のための用地取得率は、2021年末時点で約4割弱となっています。

箱根ヶ崎・町田方面へ延伸計画がある多摩都市モノレール(画像:写真AC)。