無人潜水艇(USV)じゃなくて無人潜水艦

コンテナに収納して迅速輸送する構想も

イギリス国防省は2022年12月1日、同国海軍向けに無人潜水艦Crewless Submarine)を調達すると発表しました。

説明によると、すでにイギリス海軍は南西部の都市プリマスに本拠を置く海洋企業MSsubs Ltdと契約を締結したそう。契約金額は1540万ポンド(日本円で約25億5150万円)で、2年後の引き渡しが計画されているといいます。

この無人潜水艦の導入計画は、神話に基づき空想上の巨大な海洋生物にちなんで「ケートス」プロジェクトと名付けられています。計画では自立型水中システムに関する実験を行うとしており、ゆくゆくは、アスチュート級原子力潜水艦とその後継となる新型の有人原子力潜水艦と並列で運用される、自律航行可能な無人潜水艦を開発するそうです。

「ケートス」プロジェクトで開発する予定の無人潜水艦は全長12m、直径2.2m、重さは17トン。これは、ほかのヨーロッパ諸国の海軍が運用する無人潜水艇(USV)などとは異なる、最も複雑かつ高性能な無人潜水艦になるといいます。

なお、前述した船のサイズは、軍の輸送コンテナに収まることを企図したもので、これにより世界中の必要とされる場所に輸送できるそう。そのため、イギリス海軍ならびに同盟国の艦隊、それら艦船で運用できるよう設計するとしています。

イギリス海軍のアスチュート級原子力潜水艦(画像:イギリス国防省)。