今年6月に設立された日本初の女性のみによるプロオーケストラ「東京女子管弦楽団」の第1回定期演奏会が開催される。

女性のみのオーケストラというこだわりには、過去、諸外国において、女性解放運動の歴史と並走するように多数の女性交響楽団が作られてはいたものの、その多くが世界大戦や紛争の戦禍により消失、あるいは活動停止に追い込まれた歴史的背景があるようだ。

オーケストラを運営する一般社団法人東京女子管弦楽団理事長福元麻理恵は、設立への想いを次のように表現する。

「日本では国家演奏家資格などプロの音楽家としての補償がなく、また、演奏家の大多数が個人事業主であるため産休育休制度からも取り残されている現状があり、女性音楽家を取り巻く様々な問題があります。

SDGsターゲットにも設定されているジェンダー平等について、日本は主要先進国最下位であることも踏まえ、東京女子管弦楽団において、女性の持つパワーの提起、課題の克服を目指し、日本の女性音楽家の地位向上並びに、世界の女性に勇気を与えるための活動を行なっていきたいと考えています」

団員募集においては、今年9月4日に第1回公開オーディションが実施され、200名にものぼる応募者の中から、キャリアを問わず選りすぐりの演奏家が選出されたという。そのお披露目となるのが今回のコンサートだけに期待が募る。

東京女子管弦楽団 第1回 定期公演
12月12日(月)
開場18:00 開演19:00
紀尾井ホール

Program
松永悠太郎:「内なる音」
P.I.チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット
L.V.ベートーヴェン交響曲 第7番 イ長調 作品92

揮 喜古恵理香
司会 三浦由紀子

https://tokyowo.art

東京女子管弦楽団 第1回 定期公演