いつの時代も若い世代の価値観は、否定されがちなものです。

学生 就活
画像はイメージです(以下同じ)
 今回話を聞かせてくれた熊田沙希さん(仮名・23歳)は、就活中の大学生。自身の進路に関して、親や祖父母など大人たちの安定志向の発言が気になってしまうんだとか。沙希さんは「就職しても、3年くらいで辞めようと思っているんです」と胸の内を打ち明けます。

本当はやりたい仕事があるけど…

「内定者数が多そうな販売業や、女性社員が多い保険会社にエントリーしました。でも、本当は美容にまつわる市場分析をして、より売れる商品を紹介するマーケターや、プチプラブランド物の小物を合わせる着こなしを提案するような、ファッションインフルエンサーみたいな仕事をやってみたいんです」

 同級生との間でも、興味のない職種や業界に就職をするか、好きなことを仕事するか……というのは盛り上がる話題のようです。同じノリでバイト先で「進路に迷っているいう話」をしたところ、世代間ギャップを痛感することになりました。

「40代くらいの男性社員のから『若い女性は、20代のうちは好きなことをしていていいけどね』って、バカにしたように言われたんです。女性だから好きなことをしてよい、っていう古臭い考え方に驚きました」

女性なら就職しなくて大丈夫?

面接 女性

 男性社員の話に共感できなかったという沙希さん。こう続けます。

「興味があるマーケティングの仕事も、『若いうちならできる』って指摘されて……。でも、若いから仕事があるわけではないですよね。また、彼は『女性なら就職しなくて大丈夫』とも言っていたんですけど、裏を返せば『男性は当たり前のように就職する』ということ。この考えもがおかしいなって思うんです」

 また、ある企業の事務職の面接で、男性社員から言われたことが忘れられません、とも。

入社面接での試験官の一言にドン引き

就活生

「『ここの職場は女性が多いけど、みんなと上手くやっていけますか』って聞かれたんです。女性同士のチームワークを重視して働くような職場みたいで、育児休暇などの面では優遇されていそうでした。だけど、チームで作業を分担して働くため、長く勤めていても役職に就けないようでした。明らかに女性は出世できない仕事をずっと任されているような業務内容だったんですよね……

 沙希さんは、すでに就職も決まっています。でも来年の春からその職場で働くのをためらっているようです。

同級生の男子も新卒で入社した会社で一生働きたいという考えの人は少ないんです。自分の時間を大事にしながら、好きなことをしたいなんて言っています。でも親とか周りからは『男なら、きちんとした会社に入りなさい』と発破をかけられることも多いみたいです。私も卒業後は就職をしたいけれど、ずっとそこにいるのは嫌なんです」

とりあえず就職はするが…

 就活をはじめてみて困惑したのは「男なら就職」「1つの仕事を極める」という価値観や、「好きなことを仕事にしたいというのは難しいから、趣味にしておく」といった昔ながらの考え方がいまだに残り続けていることでした。

「まだ気分的にはすっきりはしていないですが、就職はするつもりなんです。ただできれば『女性だから楽な仕事』とか、『働かなくても大丈夫』みたいな偏見はなくなってほしいですね

 女性の社会進出が叫ばれて久しいですが、就活の時点ではまだ女性の立場が軽んじられることもあるようです。少しずつでも改善されるのを願うばかりです。

-特集・男尊女卑にびっくりした話-

TEXT/池守りぜね イラストカツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

【池守りぜね】

出版社や、web媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は子供と一緒にプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ