同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は憲法に違反するとして、同性カップルらが国を相手取り、損害賠償を求めた訴訟。全国5カ所の地裁・高裁で審理が進む中、11月30日に東京地裁であった判決は、「違憲状態」と判断したうえで、「どのような制度にするか、立法府に委ねられている」とした。

この判決を受けて、原告や弁護団らが12月2日、東京・永田町で国会議員を対象とした報告会を開いた。報告会では、東京都立大学の木村草太教授(憲法学)がオンラインで登壇し、今回の判決を分析した。

参加した与野党の議員らは、「1日も早く立法を」と訴える原告の声に耳を傾けていた。

●「異性カップルと同じ制度を」

報告会ではまず、東京弁護団の共同代表である寺原真希子弁護士が、判決のポイントを解説した。立法府に対して、「同性パートナーと家族になるための法制度が存在しない現状が違憲状態であることを踏まえ、そのような法制度を速やかに構築してほしい」と述べた。

今回の判決では、「違憲状態」と指摘しながらも、法制度を構築する方法については多様なものが想定されるとした。この点について、原告からは懸念の声が上がった。

同性のパートナーと3人の子育てをしてきた小野春さんは「私たちは本当にただの家族として暮らしてきました。子どもたちも全員、自分たちが家族であることを疑ったことはありません。別の制度ではなく、異性カップルの家族と同じ制度を私たちは求めています」と訴えた。

また、東京地裁の2次訴訟の原告で、トランスジェンダーの男性である一橋穂さんも「兄が結婚したときは、両親も親戚もお祝いに来ましたが、私とパートナーのウェディングパーティーには誰も家族を呼べなかった。一体、何が違うのか。実家ではいまだに独身扱いです」と苦しい現状を語った。

弁護団の上杉崇子弁護士も「原告の1人は尋問で、同性パートナーシップ制度は法的な効力がないので使わなかったとおっしゃっていました。もしも別の制度が作られるようであれば、私たちは二級市民、男女カップルよりも劣後する存在であると新たな差別を背負わされてしまうとも訴えていました」と話した。

弁護団によると、現在、東京高裁に控訴するかどうかを検討しているという。

「異性カップルと何が違うのか」「1日も早く立法を」 同性婚訴訟「違憲状態」判決、原告らが集会でうったえ