映画けいおん!』『映画 聲の形』などを手掛けた山田尚子監督による最新オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』の制作が発表された。

2023年秋に劇場公開予定の本作のテーマは、山田監督が最も得意とする思春期の青春。少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋の模様が、まるで絵画のような美しい映像で描かれる。脚本を務めるのは、スタジオジブリ京都アニメーションで数々の作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降幾度となくタッグを組む吉田玲子。音楽は『映画 聲の形』『リズと青い鳥』など山田監督作品のほか、話題作『チェンソーマン』のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔が手掛ける。

企画・プロデュースは日本映画史に残る金字塔『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり』など、新海誠作品を手掛けたSTORY inc.、そして『夜は短し歩けよ乙女』で第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞などを受賞、最近では山田監督と共に伝統美と最先端の演出を組み合わせたテレビアニメ『平家物語』を生み出し、日本を代表するアニメーションスタジオとなったサイエンスSARUが制作・プロデュースを担う。

本作は「人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから始まった」と山田監督は明かす。そして吉田が山田監督の描きたい内容を聞き、脚本を作り始めた。吉田は「《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。」と本作に期待を寄せる。また、脚本に対して「吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミング」という印象を持つ山田監督は「音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたい」と作品完成へ向けて抱負を語っている。

<コメント>
山田尚子監督

人の外側と内側、そこから生みだされるそれぞれのかたちを描いてみたいというところから『きみの色』は始まりました。
人はきっと、その時向いている方向に進んでいくわけで、それが前であっても後ろであってもどちらでも成り立っていくと思うのですが、できれば前に進んでいきたい。
音楽を通じてお互いに共鳴していく主人公たちの、やわらかく力強い足取りを描いていきたいと思っています。
吉田さんの書かれる彼らの物語はとてもやさしく、そしてとてもチャーミングです。
悩んだり、何かを変えようとするときに起こる摩擦は、これからを切り開いていくためのとても大切な成長痛であって、その痛みがそれぞれの人が放つ色になっていくのかなと思うのです。
たくさんの色が出会って、混ざり合った先にはどんな色の世界が待っているのでしょう。
絵具を混ぜるパレットのような、または光を集めて分散させるプリズムのような、そんな物語を描いていきたいと思っております。
よろしくおねがいいたします。

吉田玲子
『きみの色』は、山田監督の「こういうことやりたいなぁ、こういう子たちを描きたいなぁ」というメモをいただいて、そこから脚本を作り始めました。
《色が見える女の子》というのは山田監督のアイディアで、すごく映像的で面白いなと感じました。
山田監督の作品は、登場人物たちがおずおずと手を伸ばし扉を開いていくような感じがあって、今回もその感覚を大切にしました。そこにある世界と、自分。そこにある現実と、自分。触れると痛いような傷ついてしまうようなものの中で、楽しさや愛しさや生命力を見出していくことを意識しながら書きました。繊細な心模様と、そこに寄り添うような監督の演出を今回もとても楽しみにしています。
『きみの色』はある意味、原点に戻ったようでもあり、今までの集大成的な面もありながら、さらに新しく踏み出していけるような作品になるのではないかと思っています。
光の当たり方によって、濃く見えたり、淡く見えたりはしますが、誰もが自分の『色』を持っていると思います。観てくださった方が、それぞれの『色』を愛おしく思えるような映画になっていると、うれしいです。

『きみの色』スーパーティザーPV

<作品情報>
『きみの色』

2023年秋 全国公開

監督山田尚子『映画 聲の形』『リズと青い鳥』『けいおん!』『平家物語
脚本:吉田玲子猫の恩返し』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『若おかみは小学生!
音楽:牛尾憲輔『映画 聲の形』『チェンソーマン
企画・プロデュース:STORY inc.『君の名は。』『天気の子』『すずめの戸締まり
制作・プロデュース:サイエンス SARU『夜は短し歩けよ乙女』『映像研には手を出すな!』『平家物語

『きみの色』スーパーティザービジュアル