黒基調の機体や広いシートピッチなど、オトナで優雅な雰囲気が漂う一方で“攻めすぎた”企画やコンテンツを多数生み出す航空会社、スターフライヤー。ついに同社が「自社を『狂った航空会社』として取り上げているテレビ番組を放映する“暴挙”に出ました。

2019年から機内で放映する「ニュース風のバラエティ番組」

北九州を拠点とする航空会社、スターフライヤーは、機内のキャッチコピーを「プライベートオフィスのように快適に」「ホテルラウンジのような寛ぎ」としていることもあり、黒基調の機体、革張りで他社の国内線仕様機より広い前後間隔でシートを配置した内装をはじめ、少しオトナで優雅な雰囲気が漂う航空会社です。その一方で同社は、一部の航空ファンには、乗客をびっくりさせるような“攻めすぎた”企画やコンテンツを多数生み出すことでも知られています。そのひとつが、機内で放映される「ビデオプログラム」です。

そして同社は2022年12月現在、「自社を『狂った航空会社』として取り上げているテレビ番組を、機内のビデオプログラムで放映し、乗客を笑わせにかかる」といった、ある種の“暴挙”に出ています。

スターフライヤーではビデオプログラムチャンネルのひとつとして、福岡県テレビ西日本TNC)で放映されている「WORLD FUKUOKA NEWS」という番組を組み込んでいます。そのサムネイル画像は一見「厳格な報道番組」ですが、実はその正体は福岡のローカル過ぎる話題を、海外ニュース風に紹介する「フェイクバラエティ」です。

スターフライヤーによると、この番組は「地元の情報を発信したい、当時の担当者の意向」で実現したとのことで、機内では2019年から放映を開始。機内で放映されるこの番組は3か月おきに変更となるそうです。そして2022年10月から12月までの機内放映回では、スターフライヤーが紹介されたのです。

ただ、その取り上げ方は、もちろん普通ではありません。

「WFN」のスターフライヤー編があまりにすごすぎる件

WORLD FUKUOKA NEWS」は、スターフライヤーがこの番組を機内で放映開始した2019年を、「迷走の始まり」と称しています。そして番組内では、同社と「WORLD FUKUOKA NEWS」とのこれまでの関わりを、極めて痛烈な言葉で、まくしたてるように振り返っていきます。

「通常の報道番組と勘違いして担当者が『WORLD FUKUOKA NEWS』を採用した。そのせいでスターフライヤーは顧客満足度ナンバーワンの座から転落した」「『WORLD FUKUOKA NEWS』とコラボグッズを作った。これは極めて異常な行為だ」「狂った航空会社がある」「九州にいまだにブラック企業がある」――これらの言葉は、同番組のナレーションや内容で、スターフライヤーに向け放たれたものの一部です。

ところが実は番組でここまで言われてしまっているにもかかわらず、スターフライヤーは同番組を放映していることはもちろん、実は同番組の脚本に至るまで、全面的に協力しています。それどころか上記の一部のワードは、スターフライヤー自らが“自虐ネタ”として出したものもあるほどです。ちなみにもちろん、同社は広く知られている意味の「ブラック企業」ではありません。

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ブランドイメージを安定的に向上させるため、上品な機内番組を放映する航空会社が多いなか、あえて攻めすぎた機内番組を放映し、この番組を見た乗客に“笑ってはいけない航空機”状態を提供するスターフライヤー。今回放映された「WORLD FUKUOKA NEWS」の内容は、同社が“尖った航空会社”たるゆえんを象徴するコンテンツのひとつなのかもしれません。

スターフライヤー機(乗りものニュース編集部撮影)。