クリスマスを楽しみにしている子供たちは、今年はサンタクロースに何をもらおうか、今頃うきうきしていることだろう。
だがサンタクロースがプレゼントをくれるのは良い子だけだ。では悪い子はどうなるのか?ドイツ、オーストリアなどではブラックサンタ的な怪物が存在する。
恐ろしい形相をした「クランプス」が、悪い子供に罰を与えにやってくるのだ。彼らは今年もスタンバってるらしい。
Krampus Is Back
ヨーロッパ中部には、サンタクロースのモデルとなった「聖ニコラウス」の付添いとして、悪い子に罰を与える怪物が存在する。それが「クランプス」だ。
その昔、キリスト教信者が大半をしめるヨーロッパでは、聖ニコラウスが訪れる冬になると、異教の悪魔を追い払うため、自らが恐ろしい悪魔の姿となって追い払っていた。これが起源となり「クランプス」の伝統が生まれた。
ドイツの古い伝承によると、もともとサンタは双子の設定だったという。1人が良い子にプレゼントを配り、もう1人が悪い子に罰を与えていたそうで、クランプスはいわばブラックサンタ的存在なのだ。
リアリティ溢れる恐るべき怪物クランプス
現在クランプスは、ドイツ東南部のバイエルン州、オーストリア中東部、ハンガリー、ルーマニア北部のトランシルヴァニア地方でなどで、クリスマスシーズンに出没し、子供たちを震え上がらせながら街を練り歩く。
そのいでたちは地域によって異なるのだが、毎年、アーティストにより身の毛もよだつほど恐ろしい、新たなクランプスが続々と誕生している。
基本的にクランプスの仮面は木製で、彫り師によって恐ろしい顔の輪郭が作られる。角は本物のヤギの角が異色され、髪や衣装も本物の獣から取ったものが多い。
クランプスの名前の由来になっている鉤爪(かぎづめ)のついたグローブも動物から作られたものだ。昔からリアリティーが追及されている為、迫力が違うのだ。
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今年も悪い子におしおきする準備を進めているクランプス
そして今年もクランプスたちがやってくる時期となった。
彼らが活動を開始するのは12月の最初の2週間だ。オーストリアでは約150体のクランプスたちが街を練り歩くという。
クランプスは、悪い子供を連れ去り、地獄の穴に投げ入れるための袋やかごを背負ったイメージで表される。
そして、鞭を振るいながら子供を捕まえては、「お前は悪い子か?親の言うことを聞いているか?勉強をしているか?」と厳しく脅していくのだ。
日本にも秋田県男鹿半島にクランプスに近い存在の「なまはげ」が存在する。クランプスの方が起源が古いので、もしかしたらなまはげの起源はクランプスなのかもしれないという話もあるそうだ。
written by parumo
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