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「そんな親の元に生まれてきて“親ガチャ”がどうのこうのとか言ってるけど、まぁ自分は自分でどうにかするしかないんじゃないですか」

12月4日、「サンデー・ジャポン」(TBS系)でこう語ったのはホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(50)だ。

この日、番組では統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)を巡る被害者救済法案が閣議決定されたことを取り上げていた。VTR出演した全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣氏は「与党も野党も議論して救済案を作ろうとしている。法案ができようとしていることは感謝している」といいつつ、「前から指摘されている問題点がほとんど解消されていなくて、被害者救済という意味では不十分」と指摘。

また統一教会の元2世信者・小川さゆりさんもVTR出演し、家族の取消権(高額献金などの被害を回復するための“取消権”を家族にも認めること)について「(現在の救済法案では)取り戻せるお金が扶養の範囲内」「(取り戻せる額は)大体の人が月数万程度。弁護士費用だけで赤字」といい、「“未成年の宗教2世”が自分で親を訴えなければならないのはハードルが高い」などの問題点も指摘していた。

堀江氏が発言したのはこのVTR明け。被害者救済法案について意見を求められ、一度断っったものの、周囲からの「なんで?」などという声をうけ、「自分がお金を何に使うかっていうのは個人の自由だと思っているから。子どもがあれこれいう問題では、僕はないと思っている立場なんで」と発言。「まぁ自己責任かなぁ」と渋りながらも持論を展開した上で、冒頭のように宗教2世について「自分でどうにかするしかない」と述べた。

堀江氏が自己責任論を唱えたのは、今回だけではない。’15年4月、「週刊朝日」で「先日出演した『朝まで生テレビ!』で、私が失業者を擁護するジャーナリストとのやり取りの中で『完全に自己責任じゃん』と発言したことが話題になっているようだ」といい、こう綴っている。

《この発言の前段階で、ジャーナリストが例としてあげた、横浜のみなとみらい建設に関わった労働者が今は貧困に陥っていることについて、本来であれば景気が良かったころに資産形成をして年老いても収入があるような人生設計をすべきであったと私は思う。

努力して人生設計をして悠々自適の生活をしている人がいる一方、そういうことをしなかった人が貧困に陥っているのは、ある意味自己責任ではないだろうか》

また’19年9月、ネットの掲示板に“都内のメーカーに12年勤務して役職にも就いているが、手取りは14万円しかない”というアラフォーの会社員が《何も贅沢出来ない生活 日本終わってますよね?》と書き込んだ。堀江氏はこのことをTwitterで取り上げて《日本がおわってんじゃなくて「お前」がおわってんだよwww》と投稿している。

そんな堀江氏が再び唱えた自己責任論。ネットでは《ホリエモンの言う通りだと思う。基本的には親の財産を親が教会に寄付しようが子どもの教育につぎ込もうが、それは親の自由のはずだ》《自己責任だろ。親が好きで献金してるんだから》《私も基本的に自己責任だと思う》《堀江貴文さんの意見は正しい》と賛同する声が。そのいっぽうで、疑問視する声もこう上がっている。

サンジャポホリエモンさんが統一協会問題で自己責任発言。2世にそれはないと思う。虐待やネグレクトに対してもそう思うんだろうか?》
《自分でどうにかしてきた人生だからそう言うんだろうが、宗教2世はそういう次元では無い。知ろうともしないだろうけどね》
《そんな環境に生まれた子供が自力でどうにかできると思ってんのか?》
《この問題も自己責任?》

小川さん10月7日に日本外国特派員協会で行った会見で、教団に多額の献金をするために、両親が小川さんの稼いだアルバイト代や貯金を無断で取り上げていたと明かしている。それでも2世として受けた苦しみは“自己責任”だろうか?