SNS全盛の現代において、情報の書き換えスピードは過去のどの時代よりも早くなっているといえる。しかしそうした時代にあっても、やはり「老舗」の2文字が持つ説得力はやはり別格。

以前ツイッター上では「老舗っぽい寿司店」の意外すぎる正体に、ツッコミの声が多数寄せられていたのをご存知だろうか…。

【話題のツイート】どう見ても「老舗」と思いきや…?


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■記された「創業日」に目を疑う…

まず注目したいのは、「すき家ガチ勢」として名を馳せるツイッターユーザーのマナリスさんが投稿した1件のツイート

有楽町かきだ

こちらの投稿には「昨日行ったお寿司屋さん。めっちゃ老舗感あるのに、バリバリ令和4年の写真である」と綴られており、添えられたモノクロ写真に目をやると、「明治〜大正に創業しました!」と言わんばかりの趣を感じさせる店舗、並びに従業員の姿が確認できたのだ。

有楽町かきだ

一体何を言っているのだろう…と首を傾げつつ、写真の右下を見ると…そこには「創業令和4年7月9日」と、衝撃的な日付が添えられていたではないか。


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■「創業4ヶ月の歴史」にツッコミ続出

少なく見積もっても「昭和」かと思いきや、まさかの「令和」に撮られたことが判明した件の写真は、多くの人々に衝撃を与えている。

前出のツイートは投稿から数日で1万件以上ものRTを叩き出し、他のツイッターユーザーからは「こういうジョークめっちゃ好き」「創業4ヶ月の歴史の重みが感じられるな」「駄目だ、何度見ても笑える」「『昭和』の間違いじゃないかと、何度か見直してしまった」といった反響の声が相次いでいたのだ。


■それにしても大将、ノリノリである

有楽町かきだ

ツイート投稿主・マナリスさんは東京有楽町にある寿司店「有楽町かきだ」にて、こちらの写真に遭遇したという。

そこで今回は話題の写真および店舗の詳細を尋ねるべく、同店の大将に話を聞いてみることに。まずは全体から「老舗のオーラ」を発している写真の正体を確認すると、こちらは「バキバキ童貞」ならぬ「ゴリゴリ合成」であったことが判明。

有楽町かきだ

大将の口からは「お店のある有楽町ビルは、オープン当初より建て壊しが決まっていました」「折角だから思い出に残る写真を撮影したい…ということで、店の前で昭和・大将風に老舗感が出るよう、ゴリゴリに合成してもらったのが、あちらの写真になります」という、ノリノリすぎるエピソードが語られたのだった。

有楽町かきだ

なお、どれほどゴリゴリか確認したところ、レトロ感を底上げしている「米俵」や「自転車」などのアイテムも全て合成とのことで、予想を上回る「ゴリ合」具合である。

続いては、もうじきめでたく「創業5ヶ月」を迎える有楽町かきだの詳細について尋ねると、こちらでも衝撃のエピソードが…。

■「店舗オープン」までの道のりがスゴい

「寿司職人」というと、とてつもなく厳しい修行と下積み時代を経て、その上でようやく自分の店が持てる…というイメージがあるが「有楽町かきだ」の大将は、全くの別ルートを辿ってきたことが判明。

もともと会社経営者であった大将(もちろん、寿司とは無関係の業種)は釣りを趣味にしており、自社の写真に「まかない」として海鮮丼を振る舞っていたという。

ここまでであれば一般的な「趣味」の範疇なのだが、気づけば豊洲市場に通うようになり、魚の仕入れを覚え、YouTubeで魚の捌き方を学び…と着実にステップアップを続けて気が付けば、SNS等で大ウケするほどのクオリティを持つ海鮮丼を作れるほどの腕前に至ったのだ。

有楽町かきだ

ラーメン二郎」にリスペクトを寄せている大将は「海鮮丼ラーメン二郎のような店」を目指して店舗をオープンさせるも、その後は紆余曲折を経て「寿司店」の形態に落ち着く。

有楽町かきだ

しかし根底にある「二郎魂」は寿司店でも健在で、「(回らない)寿司屋は敷居が高く、カウンターのある良い寿司屋になればなるほどその傾向がありますよね。なので寿司をコース料理にして、お酒を飲み放題にして、リーズナブルでコスパの良い寿司屋を目指しました」と、自身のポリシーを明かしてくれたのだ。

有楽町かきだ

取材を実施した11月22日時点で「12月までの予約はビッシリ」とのことで、注目度の高さが改めて伺えるというもの。


■「寿司にかける思い」は本物

有楽町かきだ

前出の通り、同店の出店している有楽町ビルは2023年に閉館(詳しい時期は未定)となるため、それに伴って「有楽町かきだ」もクローズとなってしまう。

しかし同年1月には2店舗目となる「有楽町かきだ」および「焼肉かきだ」をオープンすることが発表されており、支援者は「必ず来店できる」というリターンを設けたクラウドファンディングも、大いに注目を集めているのだ。

「盆と正月が一緒にやってきた」とはよく言ったものだが、「寿司と焼肉が一緒に食べられる」というのは、それ以上にめでたいシチュエーションではないだろうか。

有楽町かきだ

寿司職人としての修行を経験しておらず、自身の「勘」で寿司を握っているという同店の大将に疑問を覚えた人もいるかと思うが、取材に際し大将は、厳しい修行を経てきた寿司職人を「リスペクト」しているとコメントを発しており、決して伊達や酔狂で看板を掲げているワケではなく、確固たる信念の持ち主であることを強調しておきたい。


【店舗詳細】

有楽町かきだ

有楽町かきだ

東京都千代田区有楽町1丁目10−1 有楽町ビル

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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