スタミナ食材として「ニンニク」を挙げる人も多いと思います。しかし、食べ過ぎると、元気になるどころか、胃腸の調子が悪くなって、かえって体調を崩すこともあるとの情報があります。事実でしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

刺激強い成分含む

Q.まず、ニンニクのどんな成分が体によいのか、教えてください。

市原さん「ニンニクに含まれるアリシンという成分が、ニンニク独特のにおいの正体です。このアリシンは、ビタミンB1の吸収を助けるので、糖の代謝やエネルギー代謝を促し、疲労回復の効果があると考えられています。

抗酸化作用が強く、がんや心血管疾患(心筋梗塞狭心症等)、生活習慣病などのリスクを減らす可能性もあります。血行を良くする効果もあるので、冷え性の改善に効果が期待できるほか、抗菌作用が強いので、食中毒の予防にも役立ちます」

Q.ニンニクを食べ過ぎると体調を崩すことがあるのは事実でしょうか。事実であれば、受診した場合、どのような治療をするのでしょうか。

市原さん「アリシンには良い効果がたくさんありますが、刺激の強い成分でもあるので、食べ過ぎると胃の粘膜を傷つけて胃痛が起きることがあります。また、抗菌作用が強いため、腸内環境を刺激して、下痢や便秘などの症状を引き起こすこともあります。

食べ過ぎた直後の胃痛であれば、水分を多めにとって安静にするしかありません。病院を受診したとしても胃薬が処方される程度でしょう。下痢や便秘が起きている場合は、整腸剤で様子をみることになります」

Q.ニンニクを生で食べるのと、加熱して食べるのとでは、体への影響は違うのでしょうか。

市原さん「生の方が胃への刺激が強いので、過剰摂取による胃痛や下痢などの症状が出やすくなります」

Q.ニンニクを一度に食べる適量があれば教えてください。ニンニク摂取が逆効果にならない食べ方やタイミングなどもお願いします。

市原さん「個人差はありますが、1日当たり、1~2片にとどめておくのがいいでしょう。空腹時にニンニク単独で食べるよりは、料理の一部として食べる方が安心です」

オトナンサー編集部

ニンニク食べ過ぎに注意?