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夢を壊すことなく、新しい世界へ

イタリアスーパーカーメーカーランボルギーニを率いるステファン・ヴィンケルマンCEOは、「顧客の夢を壊すことなく」、今後10年以内に「新しい世界秩序」に移行する必要があると述べている。

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2005年から2016年までランボルギーニの社長兼CEOを勤めた後、2020年に再びCEOに就任したドイツ人のヴィンケルマン氏。同社最後の純内燃機関モデルを監督するなど、大きな変革を指揮する人物である。

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11年に渡る任期の後、再びCEOを務めることになったステファン・ヴィンケルマン氏。

AUTOCAR英国編集部は、ヴィンケルマンCEOにインタビューを行い、彼の”ToDo”リスト、世界的な不況下でのあり方、そして電動化時代へ向けた将来の計画について話を聞いた。

――長い間ランボルギーニに在籍した後、2016年から2020年まで同社から退いていましたね。戻ってきた今、ランボルギーニは故郷のように感じますか?

「会社に長くいればいるほど、親近感が湧くものです。ランボルギーニの場合は、一目惚れでした。ブランド、製品、戦略を、結果が目に見える形で開発することができ、インプットとアウトプットがよく見えるのです。これは、自信を与えてくれる場合もあれば、そうでない場合もありますが、努力する価値を与えてくれます。ランボルギーニは魅力的なんですよ」

――ランボルギーニに100%集中できる今の体制についてはどう思われますか?(ブガッティの社長と兼任していた時期がある)

ブガッティ素晴らしい経験でした。宝石のようなブランドです。わたしの考えでは、ブガッティブランドモデルラインナップにとって重要なことをいくつか始めたばかりだと思います。次にやることすべてが、このブランドを大切にし続けるものであってほしいと願っていますが、わたしが今いるのはランボルギーニです。この仕事が好きですし、他の場所に行きたいとは思いません」

――あなたのToDoリストには何が残っていますか?

「目の前にある最も努力すべき仕事は、顧客の夢を壊すことなく、旧世界から新世界へ移行することです。2030年代の初めまで、10年間にわたる仕事です。成し遂げなければなりません」

電動化時代におけるスーパーカー

――ランボルギーニにとって、電動化とはどのようなものですか?

わたし達は、モビリティではなく、夢を売っています。だから、夢を持ち続けなければならないし、クルマは性能重視であるという約束を守り続けなければなりません。そして、縦方向の加速度や数字だけでなく、挙動や横方向の加速度も重要です。これは、新しい世代のお客様がこのような世界に足を踏み入れ、10年、20年前よりも受け入れていることと密接に関係していると思います」

――電動化の時代が近づいた今、ランボルギーニはどこに焦点を当てているのでしょうか?

わたしの頭の中には4つの柱があります。まず、”デザイン”と”パフォーマンス”、これらは常に実践してきたことです。もう1つは、”知覚される性能”。つまり、人がどう感じるか、どう関与しているかということです。最後の1つは、”音”です。これが一番難しい。これからどうなっていくかはわかりません。簡単には言えませんが、今日とは違うものになるでしょう」

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新型ウラカン・ステラートは、同社最後の純エンジン車となる。

「”知覚される性能”については、すでに取り組んでいるところです。横方向の加速度や、マシンドライバーの繋がり方を改善するために、ソフトウェアが大きな役割を果たすと考えています。成功のために最も重要なことです」

――ランボルギーニのラインナップに、ポルシェ・タイカンのライバルを迎え入れる余地はありますか?

「まあ、そのモデルについては、2+2のGTという発想になるでしょうね。新しいボディスタイル、新しいデザインアプローチになると思いますが、それでも本物のランボルギーニであることに変わりはありません」

――アウディがV10エンジンに別れを告げました。結果として、ウラカンの後継モデルはどう変わるのでしょうか?

「(現行のウラカンとの)違いはデザインだけでなく、パワートレインの面でも大きな違いがあります。ハイブリッドシステムを搭載し、エンジンはまったく新しいものになります。しかし、何気筒かはまだ明らかにできません」

ランボルギーニの社会的責任

――ランボルギーニの販売台数のピークは、理想としてはどの程度でしょうか?

「それはセグメントによって異なります。SUVなどのセグメントでは、たとえトップエンドであっても、市場がより大きくなることは明らかです。しかし、販売台数を需要よりも少なくするということには、常に注意を払わなければなりません。残存価値を意識する必要があるのです。今、ランボルギーニを新車で買うとしたら、最低でも18か月は待たないといけない。中古車ですぐに買おうとすると、定価よりも高い金額を支払わなければなりません」

「そのため、常に増え続ける世界の富と、クルマの生産台数とのバランスが必要です。もう1つ重要なのは、わたし達のビジネスは、ファッション、時計、宝飾品などの他の贅沢品やアクセサリーよりもはるかに資本集約型であるということです。技術革新のスピードは、数十年前には考えられなかったほど速いので、わたし達は岩のように堅実でなければなりません。そして、市場の要求と、将来への再投資の必要性とのバランスを常に考えなければならないのです。ウルスもそうして生まれたものの1つで、スーパースポーツカーというコアから成長し、ブランドの価値を希薄にしないように設計されています」

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ランボルギーニとその顧客には、「社会的責任」があるとCEOは語る。

「具体的な数字は、常に変化していくものなので、申し上げられません。また、4番目のモデルを手に入れたら、さらに上昇するでしょう」

――ランボルギーニとVWグループの他社との関係はどのようなものでしょうか?

メリットがあるので、関係は良好だと思います。将来は、さらにソフトウェアが重要になり、すべてがデジタル化されるでしょう。そのとき、わたし達は、市場が要求する品質と量に対応するために、同規模の企業よりも大きなアドバンテージを持つことになるでしょう」

――現在、多くの人々が家計難に苦しんでいますが、ランボルギーニがこのような高価なクルマを販売することに問題はないのでしょうか?

わたし達も危機と無縁ではありません。経済的な理由で従業員を解雇しなければならない企業家が、ランボルギーニのようなクルマに乗りたがっているというのは、社会的責任の問題でもあるのです。パンデミックの後、爆発的に売れ、誰もが高級車ブランドを求めたときと同じように、まだその終わりを迎えてはいません。毎月、納車可能台数よりも販売台数の方が多いので、受注残は増えていく一方です。必ず転機が訪れるはずです」

――今、世界中の社会は、派手な富や環境といったものに大きな関心を寄せています。ランボルギーニにとって、それは将来的にリスクとなり得るでしょうか?

「これは、当社と顧客の責任です。わたし達は常に時代の波に先んじなければならないのですから。したがって、サステナビリティパフォーマンスが成功の鍵となります。正直なところ、サステナビリティに関する議論は非常に感情的です。毎年7000万台以上のクルマが売れている世界で、わたし達が販売するの1万台にも満たない。しかし、わたし達の存在感は非常に大きいのです。だから、細心の注意を払う必要があります。そのため、サンタアガタの工場ではすでにCO2ニュートラルにすることを始めています」


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