アメリカの農場で飼われている羊がコヨーテの群れに襲われ、番犬が羊たちを守るようにしてコヨーテに飛びかかった。合計8匹のコヨーテを噛み殺した犬は残りのコヨーテを追いかけて行方不明となっていたが、2日後に自ら戻ってきた。しかし酷い怪我をしていたため、すぐに動物病院へ運ばれて手当を受けたという。『New York Post』などが伝えている。

ジョージア州ディケーター在住のジョン・ウィアウィルさん(John Wierwille)は、所有する約300頭の羊を除草のために貸し出す会社「Ewe Can Do It Naturally」を経営している。またジョンさんは自宅の隣にある広い囲いの中で5頭の羊を飼育しており、愛犬のグレート・ピレニーズキャスパーCasper)”と“デイジー(Daisy)“の2頭が羊たちを守る番犬としていつもそばにいた。

先月3日の午後9時頃、数匹のコヨーテが羊を狙ってジョンさんの自宅周囲に現れた。ジョンさんは石を投げたりしてコヨーテを追い返すことに成功したが、日付が変わった深夜2時半頃に再びコヨーテがやって来た。当時自宅にいたジョンさんは外でキャスパーが激しく吠えていることに気付いて急いで駆けつけると、コヨーテの群れから羊を守ろうとする勇敢なキャスパーデイジーの姿があった。

ジョンさんは「コヨーテは11匹いましたね。私が外に出るとキャスパーコヨーテたちに飛びかかり、囲いの中で何匹かのコヨーテを仕留めました」と緊迫した当時を振り返った。キャスパーの反撃に驚いたコヨーテたちは二手に分かれて逃げていき、キャスパーはそのうちの片方を追いかけて数匹に攻撃を仕掛け、合計8匹のコヨーテを噛み殺した。その後、キャスパーは残っていたコヨーテを追いかけて森の奥に行ってしまい、ジョンさんはそこでキャスパーを見失ってしまった。

「翌日になればキャスパーは見つかると思っていました。しかしキャスパーの尻尾の一部や血痕などを発見していたので、コヨーテに殺されてしまったかもしれないという不安がよぎりましたし、仮に殺されていないとしても怪我をしているかもしれない…キャスパーのことが心配でたまりませんでしたね。」

当時の心境をそのように明かしたジョンさん。その後、近所の人も加わってキャスパーの捜索が行われたが、見つかったのはコヨーテの死骸だけでなかなかキャスパーを見つけることはできなかった。そしてコヨーテの襲撃から2日後、キャスパーは怪我をした状態で羊のいる囲いの中に戻ってきたのだ。ジョンさんは「キャスパーは私の方をただ見つめていて『ボス、そんな風に見てないで怪我の手当をしてくれ』とでも言っているような顔をしていました」と振り返っている。

キャスパーは首元の皮膚が剥がれた状態で、白い被毛が血で汚れていたそうだ。これだけ酷い怪我だと安楽死の可能性もあったが、それを避けたかったジョンさんは、アトランタを拠点にして動物の安楽死を無くすことを目標にしている動物福祉団体「LifeLine Animal Project」の存在を知って助けを求めた。キャスパーは首元だけでなく背中も負傷しており、同団体で獣医として勤めるカトリーナ・コールマンさん(Katrina Coleman)は「傷の状態は非常に深刻なもので、17年の私のキャリアの中でも最悪の怪我でした」と明かしている。

キャスパーはカトリーナさんのもとで尻尾を切断する手術を含めて複数回の手術を受け、懸命な治療のおかげで安楽死を免れることができた。ジョンさんはスタッフらの献身的なケアに感謝を述べ、「キャスパーが生き延びることができるかどうかではなく、その後の生活の質が重要なのです」と話しており、生後20か月のキャスパーの生活に支障が出ないことを願っていた。

画像は『New York Post 2022年12月4日付「Georgia sheepdog fights off, kills 8 coyotes after pack attacks his sheep」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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