千葉県の房総半島を走るJRローカル線久留里線は、JR東日本でも有数の赤字路線です。本数も少ないですが、「青春18きっぷ」を活用する場合、どう訪問すればいいでしょうか。

千葉県のローカル盲腸線

千葉県の房総半島を走るJRローカル線久留里線木更津駅内房線から内陸部へ分岐し、上総亀山駅までをむすぶ32.2kmの路線です。

末端部の久留里~上総亀山間は人口希少地帯を行くため、JR東日本の中でもトップクラスの赤字となっており、2021年度の営業係数は「19110」。100円の収入を得るのに19110円のコストがかかるということです。

それは裏を返せば「秘境路線」としての魅力があるということ。絶景が視界に広がる、というものではないですが、車窓風景は一環してローカル線としての牧歌的な雰囲気にあふれています。

この久留里線を「青春18きっぷ」で乗り通すには、どういった計画を立てればいいのでしょうか。

日中に6時間も列車が来ない

まず最大の注意点は、久留里から先は本数がかなり少ないということ。上総亀山まで行ける列車は、木更津7:24発の次は、なんと13:01発まで皆無なのです。

東京駅を5時台に出発する総武線快速に乗れば間に合いますが、それが無理なら、最初から午後向けのスケジュールを立てざるを得ません。そのあとも15:52発・16:50発の2便があって、日没を迎えてしまいます。久留里~上総亀山間はわずか3駅間のため、遠征などで限られた時間の中で立ち寄る場合、いっそのことパスして久留里までで旅を打ち切るというのも手です。

またレジャーシーズンに増発があり、今年は「駅からハイキング」の開催に合わせて12月4日まで、期間限定で日中6往復の大増発を実施。ほぼ1時間間隔で乗車できるダイヤであり、乗車機会を増やすならこういった期間を狙ってもいいでしょう。ただしその期間は、おおむね「青春18きっぷ」シーズンと重なっていません。

久留里駅からは、元来た道を引き返す代わりに、日東交通の「カピーナ号」で千葉駅もしくは安房鴨川駅までワープすることができます。ちなみに上総亀山駅の近くにも「亀山・藤林大橋」というバス停がありますが、乗り継ぎが非常に悪く、一番短い乗り継ぎで、14:11上総亀山着からの42分待ちです。

なお、2021年までは、11~12月初頭に久留里線と小湊鐡道を結ぶバス「さとやまGO」が実証運行され、久留里駅から小湊鐡道の養老渓谷駅、上総中野駅まで移動することができました。2022年は運行されておらず、今後の運行については不透明です。ちなみに徒歩で久留里駅から小湊鐡道まで歩くと、一番近い月崎駅までで7.2kmの道のりです。

久留里線の気動車(画像:写真AC)。