通信教育を手掛けるユーキャンは、今年の流行語大賞に「リスキリング」がノミネートされたことを受け、将来の不安やリスキリング、人生の充実度に関する意識調査を実施した。

この調査は20代〜60代の男女402名を対象に行われたもの。まず、「将来に対して不安はありますか?」と質問したところ、「ある」と答えた人は全体の47.0%、「少しある」と答えた人は37.1%、「あまりない」が10.2%、「全くない」が5.7%と、全体の8割以上が将来に対して不安があると回答した。 

「不安がある」と回答した人に具体的な不安について質問したところ、「お金のこと」が72.5%、「健康のこと」が47.9%、「親のこと」が24.3%、「仕事のこと」が21.0%という結果に。また、近年起きた社会問題で不安が高まったトピックスについて質問すると「急激な円安による物価上昇」が50.2%、「老後2000万円問題などの金銭的不安」が38.6%、「新型コロナウイルスの感染拡大」が35.6%、「国際治安の悪化」が31.6%、「超高齢化社会の進行」が25.4%という結果になった。

このように、近年の社会情勢、急激な円安や物価上昇により金銭的な不安が大きいことが見てとれる。また、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%になると推計されており、「自分の老後資金が確保できなさそう。親の介護にかかる金額がどうなるか不安」「健康年齢に近づくにつれ、いつまで健康年齢を保てるか?」と、親のことや自身の健康のことに不安を抱える人が多いことが明らかになった。  

続いて「不安解消のためにしていることはなんですか」という質問に対しては、「貯金」が最も多く55.8%、次いで「投資・資産運用」が49.6%と、多くの人が金銭面の対策をしていることが明らかになった。

経済的な不安が高まる中、2022年10月、岸田首相は所信表明演説の中で、個人のリスキリングの支援に5年で1兆円を投じると表明。物価上昇に合わせた持続的な賃上げを目指す中で、人への投資が重要だと位置づけていることがリスキリング推奨の理由だ。実際に知識やスキルを学んでもらうために、「短時間勤務」や「休職」の取得を許可するなど、企業としてもリスキリングの支援を広げている。

2022年流行語大賞にもノミネートされた「リスキリング」。その知名度を調べたところ、「知っている」と答えた人は全体の10.2%、「聞いたことがある」は21.4%、「知らない」が68.4%と、「リスキリング」という言葉自体の知名度はまだそこまで高くないことが明らかになった。

一方で、リスキリングという言葉を認知している人に対し、「リスキリングや学び直しの必要性を感じますか」と質問すると、「必要性を感じる」と答えた人は21.9%、「どちらかというと必要性を感じる」は45.6%と、半数以上の人リスキリングや学び直しに関心があることがわかった。

また「直近1年間のうちで何か学んでいることはありますか」という質問に対して、「学んでいることがある」と答えた人は32.1%、「学んでいることはない」と答えた人は67.9%という結果に。「リスキリング」や「学び直し」という言葉を意識せずとも、3人に1人が何かしらの学びに着手していることがわかる。

続けて「直近1年間の学びを通して感じたことや得られたメリットを教えてください」という質問に対しては、「学ぶことが楽しい」が39.5%と一番多く、学びに楽しみを覚え、学ぶことそのものにポジティブな気持ちを持って学びに取り組んでいる人が多いようだ。

また、人生の充実度について国際的にも有名な指標である人生満足度指数に基づいて調査を実施。人生の満足度に関する5問の質問の回答より人生満足度指数を算出したところ、「学んでいることがある人」の平均値は22.5ポイント、「学んでいることがない人」の平均値は17.6ポイントとなり、「学んでいることがある人」ほど、人生の充実度が高いことがわかった。

これらの結果から、リスキリング自体の知名度はまだそこまで高くはないものの、学びを続けている人は一定数おり、学びを続けていない人に比べて人生の満足度が高いことがわかった。

では、人々は何を目的として学んでいるのだろうか。保有している資格について「現職も含め今までのお仕事に関係していないものはありますか」に対して、「ある」が59.6%、「ない」が40.4%と、6割が仕事に関係していない資格を取得していることが分かった。

仕事に関係していない資格の取得理由を問うと、「将来のためにスキルを磨きたかったから 」が26.7%で最多となったが、「趣味を充実させたかったから」「色々なことにチャレンジしたいから」がそれぞれ16.8%となった。

また、「将来の人生を充実させるために何かを学ぶとしたら、どんな点を重要視し学ぶ内容を決めますか」に対しては、「家庭や日常生活で役に立つ」が最多の30.1%、次いで「自分の趣味に活かせる」が29.4%という結果になった。

そのほかにも「知的好奇心を満たせる」(28.9%)、「新たな世界が広がる」(21.9%)などもランクインし、学びが仕事や自己成長だけのためのものではなく、日常生活や趣味に活かせるなど目的の多様性が広がっていることがわかった。


☆人生満足度指数とは…  

下記の5つの質問に対して、「まったく当てはまらない(1点)」「ほとんど当てはまらない(2点)」「あまり当てはまらない(3点)」「どちらともいえない(4点)」「すこし当てはまる(5点)」「だいたいあてはまる(6点)」「非常に当てはまる(7点)」の7件法で回答し、5つの数値を足し合わせて人生の満足度について測る指数。

現在の人生の充実度を表すと、どれくらいですか。

1.ほとんどの面で私の人生は理想に近い。
2.私の人生はとても素晴らしい状態だ。
3.自分の人生に満足している。
4.これまで自分の人生に求める大切なものを得てきた。
5.もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変わらないだろう。