今季4位と5年ぶりのBクラスに沈んだ巨人では主力の不振、故障などの「誤算」に加え、若手、中堅選手の伸び悩みも目立った。

 そんなシーズンにおいて「あのコーチがいてくれたら」と今でも放出が悔やまれているコーチがいる。

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 2021シーズンでチームを去った石井琢朗氏(現DeNA一軍チーフ打撃コーチ)だ。石井コーチといえば、指導者のキャリアを広島からスタートさせ、その後、ヤクルト、巨人と渡り歩き、それぞれの球団で丸佳浩鈴木誠也村上宗隆などを育てた名伯楽として知られる。

 そんな石井コーチの指導者としての特徴について、ヤクルト時代にヘッドコーチとして共に戦った野球評論家の宮本慎也氏が語った。

 YouTubeチャンネル「野球いっかん」で3日までに更新された動画内で宮本氏は石井氏の指導スタイルに関して「飽きないよね」と表現。

 キャンプなどでは反復練習をやらせることも多く、「飽きてしまう」コーチも時にいたと証言した宮本氏。こういった練習を選手任せにするコーチもいる中、石井氏は常に真摯に選手と向き合い、練習に取り組ませたという。

 当時ヤクルトでは村上がルーキーとして入団した時代だったが、若手の早出にも付き合い、「ここはこういう練習、ここはこういう練習」(宮本氏)と練習の意図を各選手に伝えた上で技術向上を図っていた姿が印象的だったと語る。

 くしくも今季から石井氏が入閣したDeNAは前年度最下位から2位に躍進。一方、前年度3位の巨人は今季4位とさらに一つ順位を落とした。低迷の要因には「石井コーチの離脱も響いた」ともささやかれている。今季の巨人のチーム打率はリーグワーストの・242と落ち込んだ。

 果たしてV奪回を目指す巨人では今オフ、元気印で知られる大久保博元打撃チーフコーチを招へいするなどコーチ陣も一新。西武時代にはアーリーワークを取り入れ、多くの選手を覚醒させたともいわれている同コーチの手腕には期待が高まっている。すでに秋季キャンプでは選手に2000スイングを敢行させるなど、様々なてこ入れ策を行っている。

 巨人はDeNAに今季11勝13敗1分けと負け越したことも響いた。大久保コーチが加入したことでチーム浮上を図れるか、水面下の「コーチ対決」も注目ポイントとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「とにかく飽きない」 巨人放出が未だに悔やまれる「名コーチの名前」