老後不安があるにもかかわらず、自身の公的年金の見込額を把握していない人がいます。そのような状況では、老後の資金計画も立てられませんから、まずは「ねんきん定期便」をしっかり見て、見込額はいくらか、記載内容に間違いがないか、まずは確認しましょう。※本記事は『いちからわかる!定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2022-2023年最新版』(インプレス)から抜粋・再編集したものです。

「ねんきん定期便」で、さまざまな見込額がわかる!

自分の年金がいくらもらえるのかを知るために、「ねんきん定期便」を確認しましょう。公的年金の加入者には、毎年誕生月にハガキか封書で「ねんきん定期便」が送られてきます。

50歳未満の人と50歳以上の人ではフォーマットが異なりますが、50歳以上の「ねんきん定期便」には、現時点での納付状況が60歳まで継続すると想定した上での受給額が試算されています。実際の受給額にかなり近い金額を知ることができるため、重要度が増します。

また、裏面にある「老齢年金の種類と見込額(年額)」の欄を見れば、現在の条件で60歳まで働き続けた場合「何歳から」「どの種類の年金が」「いくら」受け取れるのか、具体的に確認することができます。「ねんきん定期便」に記載された見込額などを元に、定年後のライフプランを立てるようにしましょう。

もっと詳しく知りたい人は「ねんきんネット」を利用

「もっと詳しく自分の年金について知りたい」「ねんきん定期便を紛失した」という人は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用することもできます。ウェブ上で自身の年金情報をいつでも確認できるサービスです。

年金を受け取りながら働き続けた場合など、さまざまな暮らし方に応じた年金見込額を簡単に試算可能。将来のシミュレーションをする上で便利なツールです。

「ねんきん定期便」に書かれている内容をチェック!

 表面 

【照会番号】

「ねんきん定期便」「ねんきんネット専用番号」の照会に必要な12ケタの番号

【最近の月別状況】

国民年金厚生年金の納付状況などが記載されている

【老齢年金の見込額】

65歳から受け取れる年金見込額

【老齢年金の見込額(70歳まで遅らせた場合)】

受給開始を65歳から70歳まで遅らせた場合の金額

【老齢年金の見込額(75歳まで遅らせた場合)】

受給開始を65歳から75歳まで遅らせた場合の金額

 裏面 

【受給資格期間】

年金を受給する資格があるかどうかを判断する基準となる期間。保険料納付済期間と免除期間、合算対象期間の合計が10年(120カ月)以上必要

【老齢年金の種類と見込額(年額)〈老齢基礎年金・老齢厚生年金〉】 

「何歳から」「どの種類の年金が」「いくら」受け取れるか確認できる

【将来の年金見込額(年額)】

このままの条件で60歳まで働き続けた場合の年金見込額が記載されている

【アクセスキー】

「ねんきんネット」にアクセスするための17ケタの番号

年金の「記載もれ」があったらどうすればいい?

「ねんきん定期便」の年金記録で未加入期間があったら、年金記録にもれや誤りがある可能性も。近くの年金事務所などで相談しましょう。

福地 健 ファイナンシャル・プランナー 社会保険労務士事務所 あおぞらコンサルティング顧問 (株)近代セールス社前代表取締役社長 CFP®(日本FP協会元理事)

(画像はイメージです/PIXTA)