
難航する自動運転車開発 計画はスケールダウン
アップルは、開発中のEVの発売時期を約1年延期するとともに、完全な自動運転車とする目標を断念したという。米Bloombergが報じた。
Bloombergは、この問題に詳しい関係者の話として、アップルは現在の技術では完全な(レベル5の)自動運転は不可能という見通しに直面していると伝えている。
今後は自動車専用道路での自動運転実現に注力すると報じられていることから、GMの「スーパークルーズ」やフォードの「ブルークルーズ」のような、レベル2以上の先進運転支援システム(ADAS)が代替案として検討されていると予想される。
また、メルセデス・ベンツEQSやSクラスに搭載されているようなレベル3も視野に入っているかもしれない。レベル3は、あらかじめ設定された(ジオフェンスで囲まれた)区域で、限られた条件下でのみ機能するもの。悪天候や道路工事などの障害物回避にはドライバーの操作を必要とする。
アップルはこれまで、「Project Titan(タイタン計画)」の名のもとに、同社初の自動車として完全自動運転車の開発を進めてきた。以前は、リムジンのような座席を備えたミニバンサイズのシャトルとなり、ハンドルやペダルは省かれる見込みだったが、現在の計画では人間の操縦に必要な装備を持った一般的なデザインになるとされている。
今年8月の時点で、アップルは自動運転車のデザインを社内で承認したとする報道もあったが、根本的に見直されているようだ。
こうしたデザイン変更により、開発スケジュールは1年ずれ込んだ。Bloombergが伝えるところによると、2024年まで研究開発が続けられ、2025年に試験運用、2026年に発売されるという。
アップルは、まだ車両のベースとなるプラットフォームや製造パートナーを確保していないと考えられる。イタリアのスーパーカーメーカーであるランボルギーニの元シャシー担当者(ルイージ・タラボレッリ氏)を採用していることから、同社独自のプラットフォームを開発する可能性もある。
これは、自動車部門に参入するライバル企業のアプローチとは異なる。ソニーはホンダと合弁会社を設立し、ファーウェイは中国メーカーのSeresと提携、フォックスコンは既存の自動車メーカー向けにプラットフォームを製造している。
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