ABC
音楽評論家・ラジオDJのスージー鈴木と申します。じつは私、評論家として独立する前は、広告代理店に務めておりまして、そこでマーケティングプラナーとして、30年超働いておりました。

そこでこの連載では、いつもは「ビートルズガー、大滝詠一ガー、コード進行ガー」などと言っております私が、昔取った何とかで、毎回マーケットリサーチを実施し、そこから浮き彫りになる「ニッポンの民意」を世に問うていきたいと思います。よろしくお願いします。

記念すべき初回は「かっこいいと思うアルファベット」について。読者のみなさんも、アルファベット26文字について、何となくの「かっこいいランキング」があると思いますが、そんな感覚の総意=「ニッポンの民意」としての「アルファベットかっこいいランキング」が数値化されたことは、もしかしたら史上初かもしれません。


画像をもっと見る

■かっこいいと思う「アルファベット」調査

質問の方法はシンプルで、「あなたがかっこいいと感じるアルファベットを3つ選んでお答えください」というもの。唐突な質問に戸惑う調査対象者もいるかもしれませんので「※直感的に決めていただいて結構です」という付記を添えました。

ではいよいよその中身を。

まず全体で1位は【A】、2位は【Z】でした! あれ? あまり盛り上がってませんね? 「26文字の端と端だから目立っただけでしょ?」――はい、それは否めません。


関連記事:京都で見かけたこの柱、お気づきだろうか… 驚きの「情報量」に称賛相次ぐ

■男女の差が顕著【A】【Z】

ただ、細かく層別で見ていくと興味深い事実が判明するのです。まず、【A】は女性寄り、【Z】は男性寄りということ。つまり【A】をかっこいいと思うのは女性が多く、【Z】は逆に男性の支持が高いのです。

■シニア層【A】…「A級」「Aクラス」の郷愁?

次に年齢別で見れば【A】はシニア層(60代以上)で評価が高い。高度経済成長期など、日本が世界に名だたる「A級」「Aクラス」に向かっていった頃への郷愁でしょうか。【Z】はなぜか40代で人気。最近よく聞く言葉=「Z世代」への憧れでしょうか。


さて、今回の調査結果で、もっとも驚いたのが「【K】人気」です。【A】と【Z】という端と端に続く3位。僅差ですが「無限の可能性を表す」などと言われ、かねてよりブランド名などでよく使われてきた、かっこいいイメージの【X】を押さえてのトップ3入り。

■20代【K】…「K−POP」の影響か

その【K】の支持構造を分析すると、性別ではやや女性寄り、そして年齢別では圧倒的に20代が高い。女性、20代……と考えると「K−POP」人気と無関係ではないような気がします。今世界中の若者がかっこいいと認めているBTSの影響がここにも!?

ちなみに4位の【X】は、シニア層で人気がガクっと下がることが【K】との差に繋がりました。60歳を超えると【X】=「無限の可能性」などではなく、とても現実的な「X線検査」を想起させるのかもしれません……。

■「ダサいアルファベット」は?

では次に逆の視点、かっこよくない、つまり「ダサいアルファベット」を見ていきたいと思います。最下位は【U】で、たった「0.7%」。続くブービー賞が【O】で「1.8%」。確かに言われてみれば、精悍で快活でBTSな【K】に比べて、何となくもっさりとした感じがしてしまいます。

さらに突っ込んだ視点で、かっこよさが平均的、つまりどっちつかずの「中途半端なアルファベット」について考えれば、かっこよさについて26文字の平均が「11.5%」で、この値に最も近いのが「11.6%」の【F】ですね。うーん、これも何となく分かるなぁ。

さて、あなたのかっこいいと思うアルファベットは何位でしたか?

■執筆者プロフィール

スージー鈴木

Sirabeeでは、音楽評論家、ラジオDJのスージー鈴木(すーじーすずき)さんの連載コラム【スージー鈴木のニッポンの民意】を公開しています。毎回マーケットリサーチを実施し、そこから浮き彫りになる「ニッポンの民意」を世に問いていく連載です。今回は「かっこいいと思うアルファベット」に関する調査を掲載しました。

・合わせて読みたい→沢口愛華、『ヤンマガWeb』で原点回帰 ナチュラルな美を最終回で魅せる

(取材・文/スージー鈴木

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ 調査期間:2022年11月12日〜2022年11月16日
対象:全国10代~60代男女928名(有効回答数)

一番カッコいいアルファベットは何? 「A」と「Z」に続く3位は驚きの…