このほどイギリス領の島に棲むゾウガメが190歳を迎えて話題を呼んでいる。190歳という年齢は全世界の陸上生物において最高齢であり、ギネス世界記録にも認定された。あまりに長生きなので正確な誕生日は記録されていないが、専門家は「200歳くらいの可能性も大いにある」と話しているという。『The Guardian』などが伝えている。

世界最高齢の陸上生物となった“ジョナサン(Jonathan)”は「アルダブラゾウガメ」(セーシェルゾウガメとも呼ばれる)という種類で、南大西洋に浮かぶイギリス領のセントヘレナ島に棲んでおり、1882年にセントヘレナ島の総督への贈り物としてこの島にやって来た。

ジョナサンの190歳という驚異的な年齢は生存する最高齢の陸上生物として、また世界最高齢のカメとしてギネス世界記録に認定されたが、ジョナサンが誕生した正確な年月日は明らかになっていない。アルダブラゾウガメは完全に成熟する年齢が50歳と言われている。1882年~1886年に撮影されたとみられるモノクロ写真が残されており、そこには成長しきった姿で芝生を食べるジョナサンの姿が写っていた。これによりセントヘレナ島にやって来た時点で50歳以上であると推測されていたため、1882年で50歳を迎えたとみなして今年は190歳になりギネス世界記録に認定された。当時は控えめな推測で50歳と考えられていたため、実際には200年近く生きている可能性もあるという。

140年以上もこの島に棲むジョナサンの知名度は高く、5ペンス硬貨の裏側にその姿が描かれ、切手のモデルにもなっているほどだ。また今年11月にセントヘレナ島のナイジェルフィリップス総督(Nigel Phillips)がジョナサンの誕生日を12月4日に割り当て、これに伴い今月2~4日の3日間は総督公邸でジョナサンの誕生日会が開催された。島の住民が大勢集まって190歳をお祝いし、ジョナサンにはカメも食べることができるケーキが用意されたという。

超高齢のジョナサンの体は衰え始めており、白内障で目が見えず嗅覚も失っている状態だが、聴覚はしっかりと残っているようで担当獣医ジョーホリンズさん(Joe Hollins)の声にしっかりと反応するという。ジョーさんは「穏やかな日には長い首や手足を甲羅から伸ばして日光浴をしています。そうすることで太陽の熱を吸収して体の芯に伝えるのです。寒い日には腐葉土や刈り取った芝生の中に体を埋めて一日中そこにいますね。高齢ですが交尾も盛んで、一緒に過ごしているゾウガメの“エマ(Emma)”や“フレッド(Fred)”と交尾している姿も見ますよ」とまだまだ元気なジョナサンの様子を明かした。

ちなみに昨年3月には推定75歳の世界最高齢のアホウドリにひなが誕生し、研究者や愛鳥家から注目を集めていた。

画像は『The Guardian 2022年12月2日付「World’s oldest recorded tortoise prepares for 190th birthday party」(Photograph: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト