我が家は商売をしていたこともあって、食堂か! っていうくらい毎食祖母が賄っていた。週に2回は、ちくわの入ったカレーで、激辛。たった一人の子どもである筆者はどう考えても食べられず、週2は白飯と梅干と水だった。たまに母が「お子様カレー」のルーを買ってきて作るのだが、通りかかった祖母がカレー粉を必ず足すので、甘くはなかった。小学校に入って、給食のカレーを恐る恐る食べた時「この世にこんなうまいものがあったのか!」と人生が楽しくなった。そう、子どもは家の常識ではなく、世の中の味覚を給食で学ぶものだ。

 韓国済州島幼稚園小学校の一貫教育校で「給食の献立が辛すぎて、子どもたちがいつもお腹を減らしている」問題が起きた。特に幼稚園の方が残す確率が高かった。

 メニューには、スンドゥブチゲ(おぼろ豆腐の辛いスープ)、チャンポン(唐辛子粉がふんだんに入った韓国ならではのチャンポン。日本の長崎名物のチャンポンとは別物)、キムチチャーハン(辛めのキムチが入っている)。チョンガクキムチ(小ぶりの大根をそのままキムチにしたもの。…教育上よろしくないが、大根の形が短小と揶揄されるブツに似ていて、そのためにいつまでも独身の男性を指す)、カクテキ(大根をサイコロ切りしたキムチ)…辛いのが大好きな大人でも翌朝は大騒ぎになる状態だが、まだ味覚が発達していない子どもには、拷問のような料理たちだ。

 学校側は、一度に大量に作るので一人一人の味覚には合わせられないと述べる。いや、メニューを大人にしないで、それこそ日本の小学校の献立表を盗んで、子ども味にすればいいだけの話ではないか。韓国だからと言って、どの料理にも唐辛子粉をふんだんに使わなければならないという法律でもあるのか? 。

 保護者達は、人権侵害とも言っている。国家人権委員会は、辛さは主観的に感じる部分と言い張り認めない。

 子どもの時の味覚って大切だよな。甘くなくても、素材のおいしさを薄味で食べさせる。作る手間はさほど変わらないのに。

韓国料理