古代ローマの円形闘技場「コロッセオ」の下水溝跡で発掘作業を行っていた考古学者たちは、ダックスフントに似た小型犬の骨を大量に発見した。
発掘されたのは体高30センチ未満の小さな犬のもので、これは初めてのことだという。
クマやライオンなど大型動物の骨格も見つかっていることから、「コロッセオ」で大型動物と戦っていたのか?あるいは、サーカス的な芸をさせるためだったのか?まだ詳しいことはわかっていない。
【画像】 古代ローマの円形闘技場「コロッセオ」から大量の犬の骨
「現代のダックスフントに似た犬の骨が大量に見つかりました」コロッセオ発掘監督のアルフォンシナ・ルッソは語る。
体高30センチ未満の小さな犬で、この闘技場で今日のサーカスで見られるようなアクロバティックな芸をするために利用されていた可能性があります。
あるいは、見世物の狩りの演出、クマのような大型動物にエサとして投げ与えられたのかもしれませんが、詳しいことはわかりません
L'indagine ha interessato il collettore Sud, ostruito e fuori uso piu o meno dal 523 d.C., quando il Colosseo ha smesso di essere anfiteatro per poi essere una sorta di condominio, fortezza, ospedale e persino filanda
— 🏛 Colosseo • Foro Romano • Palatino (@ParcoColosseo) November 24, 2022
Martina Almonte, RUP del progetto #idraulicadelColosseo pic.twitter.com/6WOifNmzzs
「ヴェナティオ(Venatio)」とは、古代ローマの娯楽の一種で、さまざまな動物を戦わせたり、芸を演じたりするよう訓練した。
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大量の骨が見つかった犬は、現代のダックスフントそのものではなく、その祖先だったと考えられる。
現代のダックスフントの原形は、18世紀始めにドイツで生まれ、穴を掘ってアナグマを狩るために品種改良されたものだ。Dachs(ダックス)は、ドイツ語でアナグマを意味する。
アメリカ・ケンネル・クラブ(AKC)によると、ダックスフントは、危険性のある獲物を単独で追いかけるハンターとして改良され、無謀なほどの勇敢さを見せることがあるという。
大型動物の骨やフルーツやナッツなども発掘
この古代の排水溝からは、そのほかにも大型犬、ヒョウ、ライオン、クマ、ダチョウなど、大型動物の骨も出てきたという。
5万人を収容できるコロセウムの地下にある70メートルの排水溝や下水溝を1年にわたって調査した結果、今回の発見があった。
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動物の骨だけでなく、観客が食べたと思われるフルーツ、オリーブ、ナッツなど軽食類の残骸も見つかった。
また、ローマ時代後期の青銅のコイン50枚以上や、映画『グラディエーター』で人気を博した皇帝「マルクス・アウレリウス」の西暦170~171年頃の治世を記念する銀貨も発見されているという。
References:Ancient Drains Under The Colosseum Reveal The Bones of an Unlikely Gladiator : ScienceAlert / written by konohazuku / edited by / parumo
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