猫の中には、どこからともなく様々なものを「お持ち帰り」する子も多い。家の外に出ることができる猫の場合には、その種類もバラエティに富む。
自分の狩った獲物を持ち帰る子もいれば、近所の家にある盗品だったりもするのだが、アメリカに住む黒猫も「お持ち帰り」マニアで外に出かけると必ずお土産を持参してくる。
ある日のこと、この猫はとんでもないものをお持ち帰りしてきた。なんと巨大なワニの死骸の頭だったのだ!
最初は魚か何かと思ってよく見ると、ワワワワ、ワニ!これには飼い主もびっくり仰天したが、黒猫は自慢げにドヤ顔をしていたそうだ。
ウィスコンシン州ウォキショーに住むウェンディ・ウィズヒューグルさんは「バーント・トースト(Burnt Toast)」という名の黒猫を飼っている。
この地域では外と家を行き来できる飼い方をしているご家庭が多く、トーストもほぼ毎日の散歩が日課だ。
外出先で様々な物を見つけては、家に持ち帰り、庭に置いたり、飼い主に見せびらかす。トーストにとって、お土産を飼い主に見せるまでが散歩のようだ。
今日の土産はワニの頭にゃ
ところが先月下旬、トーストはとんでもないものを持ち帰って来た。
トーストが帰宅後、庭の芝生の上に置いたものは、遠目から見ると大きな魚のように見えたので、ウェンディさんもその時一緒にいた近所の人も、「おやまぁ、こんなに大きな魚を持ち帰ってきたのね、えらいわねぇ」ぐらいに思っていた。
ところが近くでよく見ると、なんとそれはワニの頭!
とはいえ、トーストがワニとの格闘の結果、勝利して得た戦利品ではなさそうだ。すでに死んでおり、頭だけが切り落とされた状態で落ちていたのだろう。
ウェンディさんがワニの頭をひっくり返してみると、下あごの部分は無くなっており下の歯だけが残っている状態だった。
猫はどこからワニを運んできたの?
びっくりしたウェンディさんは、ウィスコンシン州の天然資源省(DNR)自然保護局に連絡した。
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自然保護局長のティム・アスペンソンさんによると、それは模造品などではなく、本物のワニの頭だという。全長を推測すると約1m弱ほどだという。
だがウィスコンシン州にワニは生息していない。移送中どこかから逃亡したか、ペットとして飼っていたのを飼い主が遺棄した可能性が高いそうだが、現時点ではワニがどこから来たのかは不明のようだ。
湖にワニが潜んでいる可能性も?
ウェンディさんは、その後のメディアの取材でこのように話した。
実は、数日前に義兄と一緒に近くの湖に行った時に、ワニのような生き物を見たんですよ。
私が「ワニじゃないかしら」と言ったら、義兄が「こんなところにワニがいるはずないじゃないか」と笑ったので、「そうよねぇ」って、私も笑ってたんです。
トーストが、ワニの頭を持ち帰った時は、珍しかったしちょっと興奮してしまったけれど、湖に本当にワニがいて、これが夏場だったら子供たちだって泳ぐだろうし、とても危険なことだわ、って思うと怖くなってしまいました。
肝心のトーストはというと、いつも通りウェンディさんに「ドヤ顔」を見せていたそうだ。
トーストは、優秀なハンターですからね。きっとワニの頭を取ってきた自分をとても誇りに思ったのでしょう。
なお、アスペンソンさんはこの時期極寒となるウィスコンシン州で、このようにワニが発見されることは非常に稀だと述べているが、この地域でワニが発見されたのは初めてではないそうだ。
今年7月、ウィスコンシン州南東部で、逃亡されたとみられる60センチ強のワニが湖で泳いでいるのが目撃され、保護された。
また、その約1週間後には、同じく南東部の地域で徘徊しているワニを警察が発見したが、このワニは結局住人のペットだったことが判明し、後に飼い主のもとに戻されたという。
References:‘That’s not a fish’: Black cat drags alligator head into house / written by Scarlet / edited by / parumo
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