自然の中で捕獲した虫や魚介類、爬虫類などを調理して食べるYouTuber・おろちんゆーの最新動画が、YouTube急上昇ランキング1位を獲得するなど反響を呼んでいる。

参考:【写真】ウミヘビを唐揚げにして食すおろちんゆー

 おろちんゆーは、いわゆる“ゲテモノ食い”を得意とするYouTuber。ハンドルネームの由来にもなった、人気アニメ『NARUTO-ナルト-』に登場するキャラクター・大蛇丸を真似た癖のある喋り方で実況・解説しながら、カマキリにゲジ(ゲジゲジ)、ナマズイソギンチャクウツボミシシッピアカミミガメなど、野山や海川に生息するありとあらゆる生物を捕まえ、手際よく調理して食べるのが特徴だ。チャンネルを開設したのは、2020年5月と比較的最近。しかしメキメキと頭角を現し、2022年12月10日時点で登録者数152万人に達している。

 12月8日には「90cm越えの海ヘビを食べてみた」と題した動画を公開した。本動画は、利根川でエイを狙って釣りをするという内容。しかし釣れたのは、エイではなく、全長93cmのダイナンウミヘビだった。お目当ての獲物は捕まらなかったものの、珍しい食材を手に入れたため上機嫌で帰宅。おろちんゆーは締めたダイナンウミヘビを前に「早速調理を開始していくわ」といい、「まずぬめりを落とすために、お塩を潜影蛇手(せんえいじゃしゅ) !」と、大蛇丸の技を言い放つ。その後、背開き&骨切をするなど、手際よく調理を進めるおろちんゆー。食べやすいサイズにカットし、衣をつけて油で揚げれば、ウミヘビ唐揚げの完成だ。そして「では命に感謝。いただきます」と手を合わせ、実食していた。

 様々な趣味嗜好を持つ人がYouTubeチャンネルを開設している今、“ゲテモノ食い”をメインコンテンツに据えるYouTuberは、おろちんゆー以外にも少なからず存在する。その中でも、チャンネル登録者数の観点から一角の成功を収めているものというと、チャンネル登録者数126万人の「ホモサピ」や、登録者数39.4万人の生物ライター・平坂寛氏のチャンネルが挙げられるだろう。彼らの共通点は、生物に対する深い愛情・造詣を持ち、ゲテモノ食いも楽しんでやっていることだ。ゲテモノが食用にされるインパクトもさることながら、それを嬉々として食べるYouTuberには、思わず興味本位で視聴したくなる、人を引き付ける魅力がある。さらに、おろちんゆーの場合、大蛇丸声真似で軽妙なトークをするなどキャラクターも立っているため、多くの視聴者が付いてきていると考えられる。

 おろちんゆーの更新頻度は決して多くはない。しかし、ゲテモノ食い動画は安易に他者が真似できるものでもない。ましてや楽しく行うことなど、なんらかのマインドセットが必要で、一朝一夕では不可能だ。そのため、新規参入が相次ぎ、飽和状態となっている現在のYouTubeにおいても、おろちんゆーのような、好きを仕事にしているゲテモノ食いYouTuberは今後も、希少性を保ち続けるに違いない。

(こじへい)

動画サムネイルより