カタールワールドカップ(W杯)もベスト4が出揃い、その中で最も驚かせているのは、アフリカ勢初となるベスト4進出を決めたモロッコ代表だろう。

元日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ監督に率いられ予選を通過したチームだったが、意見の不一致にてハリルホジッチ監督は大会前に退任。ワリド・レグラギ監督が率いたチームは、前評判は高くなかったものの、グループステージから躍進。初戦のクロアチア代表戦ではゴールレスドローに終わったが、第2戦のベルギー代表戦では0-2で勝利、第3戦のカナダ代表戦では1-2で勝利を収めてグループステージを首位で突破した。

ラウンド16ではスペイン代表と対戦し、0-0のゴールレスもPK戦で勝利して初のベスト8進出。そして10日に行われたポルトガル代表との準々決勝では1-0で勝利し、多くの優勝候補を退けて、アフリカ勢初のベスト4入りを果たした。

歓喜に沸く一方で、ヨーロッパでは暴動が発生。パリ、ブリュッセル、アムステルダムでは合計50人以上が逮捕されたという。

ポルトガル『レコルド』によると、モロッコの勝利後、パリのシャンゼリゼ通りには2万人にものぼる人々が祝福。警察の発表によると、42人が逮捕されたという。

フランスの治安部隊は、フランスイングランドに勝利した時のことを考え、1220人の部隊を準備していたという。シャンゼリゼ通りでは、2台のバイクが炎上する騒動が発生していたとのことだ。

また、ブリュッセルではベルギー警察が10数人を逮捕。フードを被った若者たちが警官にものを投げ、催涙ガスで警官が応戦。「深刻な被害はなかった」と発表されている。

ブリュッセルでは、モロッコから数百人のサポーターが集まっていたが、警官の警備が厳重にされていたために、大きな騒動にはなっていないという。

アムステルダムでは、色々な場所で混乱が生じ、警察は避難勧告を出し、最終的には放水銃で対処。数人を逮捕したという。

モロッコ人サポーターは、ベルギー代表を撃破した11月27日にもベルギーで暴徒化。勝利したにも関わらず、先制ゴールが認められなかったことで怒り、スクーターを破壊したり、車を横転させ、火をつけるものも現れていた。

代表チームの躍進に水を差す残念な行為。このまま勝ち進んでも、さらにヒートアップしてしまうのだろうか。

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