独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップの株式会社ファーメンステーション(本社:東京都、代表取締役:酒井 里奈)は、コンサルティング・投資事業を中心に事業を推進する株式会社シグマクシス・ホールディングス(本社:東京都、代表取締役社長:富村 隆一)との共創を通じ、ワイン残渣(ぶどう搾りかす)をアップサイクルし製造したエタノールを配合したアロマスプレー・除菌スプレーを開発しました。ともに国際的な認証制度であるB Corp認証企業であるシグマクシス・ホールディングスとファーメンステーションは、共創を通じてインパクトを創出する試みとして、ファーメンステーションが得意とする未利用資源のアップサイクルを核とし、地域との連携をはじめとした複数のインパクトにつながるプロジェクトを実現するに至りました。
 今回のアップサイクルエタノールの製造および商品開発においては、一般社団法人ふくしま逢瀬ワイナリー(本社:福島県、代表理事:河内 恒樹)の協力のもと、ワインを製造する過程で出る「ぶどう搾りかす」を活用しました。また、3社共同での取り組みとしてワイナリー近隣の小学校より生徒を招き、ワインの製造過程でどのように残渣が出るか、それがどのようにアップサイクルされるか、SDGs教育の一環としてともに学ぶ機会を設けました。未利用資源のアップサイクルを中心に学びの機会創出や地域との連携を考える試みとなりました。

■今回の共創プロジェクトの概要
 今回の商品開発は、ともに国際的な認証制度であるB Corp認証企業であるシグマクシス・グループとファーメンステーションの共創を通じて、未利用資源のアップサイクルを中心に学びの機会創出や地域との連携を考える試みを行いたいという想いからスタートしました。ワイン残渣由来のアップサイクルエタノールを配合した商品として、アロマスプレーと除菌スプレーを開発・製造し、これら商品は、今後シグマクシス・グループでの活用を予定しています。

 また、今回の製造において使用するワイン残渣(ぶどう搾りかす)の提供は、ふくしま逢瀬ワイナリーに協力をいただきました。ふくしま逢瀬ワイナリーは、福島県郡山市と公益財団法人三菱商事復興支援財団の連携協定をはじまりとし、東日本大震災で大きな打撃を受けた福島県の農業の復興に寄与するため、特産品である果物の生産から加工、販売までを一体的に運営する新たな事業モデルを構築し、農産物や地元ブランドの付加価値を高めることを目的に2015年に設立されたワイナリーです。シグマクシス・グループとファーメンステーションはふくしま逢瀬ワイナリーのミッションや地域との連携に共感し協力を要請し、3社での共創が実現しました。

 今回、3社が協力することで商品開発を行うだけではなく、学びの機会創出や地域との連携につなげることができないかと検討した結果、ふくしま逢瀬ワイナリー近隣の小学校(郡山市多田野小学校)と連携し、6年生をワイナリーに招待し体験と学習の機会を提供する試みを行いました。生徒自らワインの製造過程でどのように残渣(ぶどう搾りかす)が出るかの手搾り体験を行い、その後、シグマクシス・グループとファーメンステーションから、社会課題の一つでもあるフードロス/ウェイストの具体的事例や今回体験したワイン残渣がどのようにアップサイクルされるか、特別講義を行いました。今回の手搾り体験で出たぶどう搾りかすも今回のエタノール製造に使用し、製造した商品の一部はふくしま逢瀬ワイナリーと小学校に寄贈される予定です。
 ファーメンステーションエタノール製造における特徴は、独自の発酵技術や得られるエタノールのみならず、製造を核とした地域での資源循環やサーキュラエコノミーの実現にもあります。ファーメンステーションでは、エタノールの製造過程で生成される発酵・蒸留副産物を、機能性のある化粧品原料等に事業化し、全ての生成物を有価値な商品にアップサイクルし、持続性の高い製造プロセスと事業モデルを構築しています。また、発酵・蒸留副産物は地域の鶏や牛の飼料として利用も進めており、さらにその家畜の排せつ物(鶏糞)を水田や畑の肥料にするなど、廃棄物ゼロの循環型モデルを構築し、地域循環型社会の形成にも取り組んでいます。
 今回の取り組みにおいても、「ぶどう搾りかす」からエタノール製造をする際に出る「ぶどうもろみ粕」(発酵・蒸留副産物)を、工場近隣に位置するJA岩手江刺が運営するキャトルセンター(地域の畜産農家より繁殖和牛を預かり飼養を行うセンター)で牛の飼料として活用を行いました。

■プロジェクト関係者からのコメント

株式会社シグマクシス 常務執行役員 上田 悦史様

この度のアロマスプレーの開発は、「当社のお客様やパートナーをお繋ぎすることで、未来につながる取り組みを生み出したい」という思いから始まりました。3社が技術・資源・アイデアを持ち寄り、強みを生かし合うことで「環境にやさしい循環」を構築できたことに、大きな意義を感じています。シグマクシス・グループは今後も、企業や業界を超えたコラボレーションを推進し、美しい明日づくりに取り組んでまいります。


一般社団法人ふくしま逢瀬ワイナリー 代表理事:河内 恒樹様

ワインの仕込み過程で最終的に不要となるぶどうの茎や皮、種などは総重量の30%にも及びます。これまでもたい肥や飼料などに活用した事はありましたが大半は廃棄せざるを得ず、また酸化も早く悪臭なども発生するため処理には毎回頭を悩ましておりました。そうした廃棄物が化粧品やアロマ雑貨に生まれ変わるという事実は驚きでした。価値を再認識すると臭いも気にならなくなるのは不思議です。


■ファーメンステーションのアップサイクル技術および商品開発
 ファーメンステーションでは、独自の発酵技術で未利用資源をアップサイクルする事業展開を行っており、従来より様々な未利用バイオマス由来エタノールの開発・製造を行ってまいりました。今回手掛けた、ワイナリー・ワイン工場の製造過程で出るワイン残渣(ぶどう搾りかす)は、ワイン製造時に必ず大量に発生する製造副産物であり、一般的にその処理として、肥料や飼料として有償で引き渡す、もしくは産業廃棄物として処理することが中心であり、新たに価値をつけアップサイクルすることはあまり取り組まれておりませんでした。国産ワインが普及する中で、国内におけるワイン残渣の排出は増加が見込まれる中、ワイン残渣の未利用な価値に着目しアップサイクルすることの経済的意義、および廃棄処分することによる環境負荷を減らす環境的意義の観点から、アップサイクルを可能とする技術開発が望まれておりました。
 ファーメンステーションがこれまでにエタノール化を実現した未利用バイオマスは多岐に渡り、公表済み(商用化)のものでは、米(休耕田・規格外)、炊飯米(余剰炊飯米)、りんご搾りかす(搾汁残渣)、バナナ(規格外)、じゃがいも(規格外)、桃(規格外)、ゆず搾りかす(搾汁残渣)、飴(規格外)等があります。その他、未公表のもの、実験フェーズの未利用バイオマスも多数存在します。また、未利用バイオマスの供給や活用にあたり、ファーメンステーション単独のみならず、未利用バイオマスを排出する企業、アップサイクルエタノールを活用する企業とも広く共創を展開しています。

 また、ファーメンステーションでは、未利用バイオマスをアップサイクルエタノールを製造するにとどまらず、製造したオリジナル発酵原料などのサステナブルな原料や、環境に配慮した製法にこだわった、ナチュラル・オーガニック処方の化粧品・日用品・雑貨のOEM・ODMで、様々なブランドの商品開発をご支援してまいりました。単なる製品開発受託ではなく、コラボレーション型の開発を行うことで、お客様に合わせた原料提案から商品開発までを一貫して引き受け、ストーリーのあるオリジナル商品を開発し、販売促進の協力までサポートすることがファーメンステーションOEM・ODMです。
 規格外の農産物等の未利用資源をアップサイクルした原料や地域の原料を活かした処方提案や、製造プロセスで再生可能エネルギーを活用し動物実験を行わないなど、サステナブルクリーンな考え方に基づく製品開発を得意としています。

 ファーメンステーションが行うOEM・ODMの特徴は、下記ページにて詳しくご確認いただけます。
 https://fermenstation.co.jp/oem/

■B Corp認証について
 「B Corp認証」は2006年に米国で設立された非営利団体「B Lab」が運営する認証制度です。本制度は、環境や社会への配慮とインパクトの追求、地域性やダイバシティへ配慮した従業員をはじめとするすべてのステークホルダーとの関係性構築、経営の透明性、事業の持続可能性などにおいて優れた、公益性の高い企業を認証する制度です。Patagonia、Allbirds、THE BODY SHOPなど、ソーシャルインパクトを追求しながら広くユーザーに支持されるブランド・企業が認証されています。
 本認証の取得にあたり、「ガバナンス」「従業員」「コミュニティ」「環境」「カスタマー」の5つの領域において、提供する商品やサービスを含んだ企業活動全体が総合的に審査されます。「B Lab」が定める評価指標に基づいたBインパクトアセスメントで、80ポイント以上を獲得することが認証取得の要件となっています。
 ファーメンステーションのB Corp認証取得の経緯や実践は下記よりご確認いただけます。
 https://fermenstation.co.jp/bcorp/
 B Corp認証の詳細は「B Lab」のホームページよりご確認いただけます。
 https://www.bcorporation.net/

【ファーメンステーションについて】
 ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップです。岩手県奥州市に研究開発拠点兼自社工場(奥州ラボ)を持ち、独自の発酵・蒸留技術でフードロス/ウェイストおよびその他未利用バイオマス由来のエタノールサステナブルな化粧品原料などを開発・製造しています。これらのアップサイクル原料を化粧品・日用品の原料やその他バイオプラスチック等の産業資材の中間原料として製造販売する原料事業のほか、自社ブランドによるオーガニック化粧品事業、原料提案から製品開発まで一貫して引き受けられる化粧品・ライフスタイル製品等のODM/OEM事業を行っております。また、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さなどの様々な未利用資源を活用しアップサイクルすることで、新たな高付加価値の商品を生み出す事業開発を大企業との共創を通じて取り組んでおります。
 エタノールの製造過程で生成される発酵粕は、化粧品原料や地域の鶏や牛の飼料として利用し、さらに鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、廃棄物ゼロの循環型モデルを構築し、地域循環型社会の形成にも取り組んでおります。
 また、地域社会、環境、カスタマー、従業員に対して多面的・包括的な利益を生む事業活動を実践する企業を認証する国際的な制度「B Corp 認証」を取得しています。

会社名 : 株式会社ファーメンステーション
代表者 : 代表取締役 酒井 里奈
所在地 : 〒130-0005 東京都墨田区東駒形2丁目20-2
設立 : 2009年7月7日
事業内容 : フードロス/ウェイストおよびその他未利用バイオマス由来のエタノール・発酵原料の研究開発および製造販売、化粧品・雑貨OEM/ODM、未利用資源を活用した事業共創、自社オーガニックブランド事業
自社サイト : https://fermenstation.co.jp/
オンラインショップ: http://www.fermenstation.jp/
共同開発商品紹介 : https://fermenstation.co.jp/collabo/#products
OEM/ODMご案内 : https://fermenstation.co.jp/oem/

このニュースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
株式会社ファーメンステーション 北畠 Tel:03-6206-9485 E-mail:info@fermenstation.jp

配信元企業:株式会社ファーメンステーション

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