マレーバクの赤ちゃん時代はウリ坊超えのかわいさ。ただでさえクリエイティブな形態に縞と斑点のミックス模様がついてるなんてアバンギャルドなアートみたいだ。
今月7日イギリスの動物園で、絶滅危惧種に指定されているマレーバクの赤ちゃんが誕生した。
赤ちゃん時代は模様があるけど、大人になるとパンダとはまた違ったパターンの白黒柄となるのも面白い。
ネッサという名のこの赤ちゃんは、生まれた時から好奇心旺盛で元気いっぱい。母親に寄り添われながら周りのみんなを笑顔にするネッサの愛らしい日常をみてみよう。
【画像】 名前はネッサ。絶滅危惧種のマレーバクの赤ちゃん誕生!
Critically Endangered Malayan Tapir Born at UK Zoo
今月7日イギリスのチェスター動物園で、絶滅危惧種のマレーバクの赤ちゃんが誕生した。
飼育員にネッサと命名された赤ちゃんはメスで体重は約9kg。平均的体重6.8kgを上回る立派な体格だ。
国内でバクがいる動物園はここを含めてわずか2か所しかないこともあり、元気に生まれた赤ちゃんにスタッフ一同喜んでいる。
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見ての通りネッサには独特の斑点と縞模様がある。この模様はこの種の赤ちゃん特有のカモフラージュ柄で、森や林の地表にいても目立ちにくいパターンだという。
一緒にいるのは母親のマージェリー。彼女は平均的なマレーバクの妊娠期間、およそ13カ月を経てネッサを無事に出産した。なおマレーバクの出産は2年に1度で1頭ずつが普通だ。
なおネッサの模様は成長につれ少しずつ変化し、およそ半年で大人のマレーバクと同じはっきりとした黒白模様になってゆく。
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マレーバクは絶滅危惧種。40年間で半分以上も激減
ネッサの飼育係のロージー・オーウェンさんはこう語る。
小さな斑点と縞模様があるマレーバクの赤ちゃんの愛らしい足音をまた聞けてうれしいです。
ネッサはエネルギーの塊で自信たっぷり。気になることはなんでも追求するタイプです。でも母親のマージャリーはとても注意深くネッサを見守ってました。
マレーバクは本当に特別な動物で、深刻な絶滅危惧種でもあります。彼らがいる動物園は国内でもまれなため、ネッサの誕生がスタッフ全員に大きな笑顔をもたらしました。
狩猟や違法伐採、大量の森林伐採などにより住処を追われたマレーバク。
その個体数はこの40年間で半分以上も減り、本来の生息地であるマレーシア、スマトラ、タイ、ミャンマーに残る個体は現在わずか2,500 頭未満と推定されている。
チェスター動物園の理事をつとめるマイク・ジョーダンさんは「我々のような保護動物園はこうしたプログラムでバクたちを絶滅から守っています」と語る。
以下の動画はインドネシアのバンドン動物園で2017年に誕生した生後 31 日のバクの赤ちゃんだ。
自然では捕食者がほぼ皆無だが、人間の活動で個体数が減少
マレーバクは哺乳綱ウマ目バク科バク属に分類される奇蹄類だ。
生息地はインドネシアのスマトラ島やタイ南部、マレーシア、ミャンマーなどの東南アジアだが2008年から絶滅危惧種に指定されている。
成獣の体長は1.8 ~2.5 m、体高は90~110 cmほど。体重は250 ~320 kg。尻尾は短く最長10cmぐらい。その大きさから自然下の捕食者はほぼ皆無で、トラでさえ近づかないという。だが人間の活動により個体数が失われている。
馬とはあまり似てないバクだが、バク科が属するウマ目(奇蹄目)にはほかにサイ科があり、前足のひづめが4本、後足のひづめが3本のところもサイと同じだそう。
視力は良くない代わりに嗅覚と聴覚が発達しているマレーバクは基本草食で、主に夜間の森林や水辺に近い場所で活動する。
おっとりした姿のわりに逃げ足が速く、泳ぎも得意。またいざとなれば強力なあごと鋭い歯で身を守ることができる。ちなみに寿命は野生下でも飼育下でも最長30年程度だそうだ。
生まれたてはイノシシの赤ちゃんのウリボウっぽいのに、そこから親御さんみたいにぱっきりした模様になるなんてびっくりだ。まだ赤ちゃんのネッサもこれからどうかすくすく健康に育ってゆきますように。
追記(2022/12/15)マレーバグと表記した部分をマレーバクに変更して再送します。
References:theguardian / wikipedia / youtubeなど /written by D/ edited by parumo
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