地産地消を活かした我が校の自慢料理」をテーマに全国の栄養教諭・学校栄養職員・調理員が腕を競う、第17回学校給食甲子園の決勝大会が12月11日、女子栄養大学駒込キャンパス(東京都豊島区)で行われ、兵庫県宍粟(しそう)市立山崎学校給食センターが優勝した。

長引くコロナ禍や食材費高騰等で苦難が続く学校給食現場だが、2022年は全国から1,249校・施設の応募が集まり、4次におよぶ審査を勝ち抜いた7チーム・14選手が決勝大会の調理審査に挑んだ。

優勝した兵庫県宍粟(しそう)市立山崎学校給食センターの献立は、宍粟市に古くから伝わる発酵文化を普及促進させることを目指し、発酵食品を取り入れた地産地消メニュー。

栄養教諭の世良光さんは「決勝大会に出られることは、思いもよらぬことだった。私たちがここに立っていられるのは、子どもたち、宍粟市の生産者の皆さん、日々苦労をかけている調理員の皆さんをはじめたくさんの方々のおかげであり、みんなでいただいた賞だと思っている」と感謝を述べ「今回の献立は、『発酵のふるさと・宍粟』で作られた発酵食品に、兵庫県産の作物を組み合わせた。発酵食品を醸しだす宍粟は、空気が本当においしく、人々の気持ちは温かく、自然をいつくしむ気持ちにあふれた素晴らしい土地だ。私は宍粟で生まれ、宍粟で育って本当に幸せだ」と涙を浮かべながら喜びを語った。

調理員の安原風花さんは「まさか優勝できるとは思っていなかったのでとても嬉しい。これからもおいしい給食を一生懸命作っていきます」と溢れる笑顔でコメントした。

大会実行委員長を務める(公社)新国立劇場運営財団の銭谷眞美理事長は「調理中のコンビネーションが素晴らしく、衛生管理も徹底されていた。宍粟市兵庫県の中では山の方に位置しているが、日本海瀬戸内海の海の幸も入ってくる。豊かな地場産物を活用した素晴らしい献立だった。見た目もよく、大変おいしかった」と高く評価した。

また、準優勝には埼玉県越生町立越生小学校の「埼玉誕生150周年記念給食」が輝いた。埼玉の偉人、渋沢栄一や渋沢平九郎のイメージを詰め込んだ献立で、食育のみでなく、町の歴史にも触れることができる。栄養教諭の小林洋介さんは「子どもたちが大人になった時、故郷の偉人のように、故郷に貢献できる人になってほしいとの願いを込めた」と語った。

優勝した兵庫県宍粟市立山崎学校給食センターの献立、しょうゆ麹、塩麹、甘酒、酒粕などの発酵食品で味つけを工夫