公益財団法人日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が12月12日、2022年の世相を表す「今年の漢字」(応募総数22万3768票)が、「戦」に決まったと発表しました。そんな中、通信教育サービス「スマイルゼミ」を運営するジャストシステム東京都新宿区)が、「今年の漢字」に応募した小学生会員の応募内容を調査。その結果を“小学生の選ぶ”「今年の漢字」として、ランキング形式で発表しました。

暗い出来事が多い中でも日常生活を楽しむ

 調査は、2022年11月10日から同月16日にかけて、小学1年から小学6年のスマイルゼミ会員を対象に実施。5万2307人から有効回答を得ています。

 3位は「悲」です。選んだ理由について、「ウクライナでせんそうがあってたくさんの人がいのちがうばわれてしまったから。テレビで家がばらばらになっているところをみるといつも『どうしてこんなことになるのかな。』と、かなしくなってしまいます(小2)」「学校でなかなかクラスメイトが全員そろわなくて悲しかったからです(小6)」などのコメントが寄せられました。

 2位は「二」がランクイン。「ことしは2022年で2をいっぱいつかっていたから二にしました(小1)」「『二』という数字が多いし、20才から18才の『2』など、いろいろな『2』があるからです(小3)」「せい人年れいが2才さがったから(小6)」といったコメントが寄せられています。成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことは、子どもたちにとっても印象的な出来事だったようです。

 そして、1位は「楽」でした。「せいげんがなくなってまた自由に色々な所にいけるようになるのをみんなが『楽』しみにまっているし、家にいることが多くなって家にいる『楽』しみに気付いたから(小5)」「ひさしぶりに青森県にすんでいるおばあちゃんおじいちゃんにあえた(小4)」といったコメントが寄せられました。緊急事態宣言などによる行動制限が行われなくなったことで、久しぶりに旅行に出かけた子どもも多かったようです。

 また「1ねんせいになってあたらしいおともだちができてうれしいし、べんきょうもたのしいし、せんせいにいっぱいはなまるをもらってうれしいし、学校がたのしいからです(小1)」という、ほほ笑ましいコメントもありました。

 この結果を受け、日本漢字能力検定協会執行役員の山田昌哉さんは、「『楽』は2年連続での1位となりました。選んだ理由として、コロナ禍による行動制限がなくなったことや身近な出来事を挙げるコメントが多く見られました。国内外で衝撃的な事件やニュースが多い中でも、子どもたちは日常を楽しんでいたということが分かります」と分析。

 また、「今年も多数の子どもたちが『今年の漢字(R)』に参加してくださいました。応募を通じて、漢字を考えたり、調べたりしたことと思います。漢字の面白さをたくさんの子どもたちに感じてもらえたら大変うれしく思います」とコメントしています。

オトナンサー編集部

2022年の「今年の漢字」は「戦」に決定(日本漢字能力検定協会提供)