レバナスは「取り扱い注意」のリスクにより、肯定・否定が分かれる金融商品です。本書は、チャンネル登録者数6万人の投資系YouTubeを運営する著者が、単なる思い込みや偏見、感情論からはきっぱりと一線を画し、「なぜレバレッジNASDAQ100を使った資産形成には、他の投資対象より優位性があるか?」 を理路整然と、詳細なデータやシミュレーションを交えながら解説します。

180万円が15年で3,500万円超の悪魔的リターン

レバナスのアンチ派の中には、「レバレッジ」という言葉だけをとらえて、「レバナス投資は地獄行きのクソ手法」と罵倒される人もいます。

NASDAQ100が50%下落したら、レバナスの価値がゼロになる」とか「基準価額が大幅に下落すると、繰上償還のリスクがある」といったことが、アンチ派の“根拠”として語られています。

しかし、本書で理路整然と明らかにするように、それは大いなる誤解です。レバナスという“獰猛なペット”をうまく手なずけて効率的に利用する方法はいくらでもあります。レバナスはたった3点だけルールを守れば、悪魔的なスピードで資産形成が可能なのです。

では、そのたった3つのルールとは? それは本編に譲ることにしますが、まずはレバナスを使うと、どれぐらい効率よく少額資金を増やせるか、その“剛腕力”を見てもらったほうがいいでしょう。

図表1は2007年から2021年の15年間、毎月1万円ずつを2倍のレバレッジをかけたNASDAQ100に投資したら、資産がどれぐらい増えたかを、S&P500に投資した場合と比較したものです。

この15年間は上昇相場が続いたこともあり、レバナスの評価額は3,589万円に増えています。毎月1万円、年間12万円を15年間、つまり、総額たった180万円を積み立て投資するだけで、相場が良ければ、元本の約20倍の資産を築くことができる!

これこそ、レバナスの悪魔的な資産形成力です。「えーと、レバレッジ2倍なら、NASDAQ100の2倍増えるだけじゃないの。3,589万円も増えるなんておかしい!」と疑問に思われた方は、ぜひ本書を読んでください。レバレッジをかけた金融商品は、右肩上がりの上昇相場が続くと2倍以上にどんどん増えるのです。

インデックスへのレバレッジ投資、恐れるに足らず!

レバナス否定派の人が嫌悪感を持っているのはきっと、レバレッジと資産運用が水と油のようなものだからでしょう。そもそも、レバレッジとは自分が持っている元手以上の資金を投資に回すことで、より大きな利益を狙うハイリスク・ハイリターンの投資手法です。

レバレッジのかかった金融商品といえば、元手の約25倍まで取引可能なFX(外国為替証拠金取引)の他、日経225(日経平均株価)などの指数先物取引、CFD(差金決済取引)などが有名です。

確かに、FXや先物取引では元本以上の損害をこうむって、「追加証拠金(追証)」といわれる新たな資金の入金を迫られたり、それが払えないと、保有するポジションを強制決済されたりするリスクがあります。私自身、FXやCFDに手を出して何度も痛い目にあったので、その“恐ろしさ”は誰よりも理解しているつもりです。

しかし、以下の図表2に示したように、

  1. 元手の2倍程度の低レバレッジ
  2. 投資対象が、さまざまな企業の株に幅広く分散投資できるインデックス
  3. 世界最強のパフォーマンスを叩き出してきたNASDAQ100が投資対象
  4. 追証や強制決済の発生リスクがない投資信託を使った現物取引
  5. 一括投資ではなく、毎月定額の積み立て投資

といった条件を満たすなら、長期資産運用の世界でも、積極的にフル活用して効率的な資産運用を目指すべきではないか、というのが私、風丸の主張です。

「インデックス論争」に終止符を

ところで、日本では、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった非課税投資・年金制度の普及で、世界の株価指数に連動したインデックスファンド(投資信託)への毎月定額積み立て投資が普及してきました。

投資対象となる株価指数には、米国のS&P500や全米株式、世界中の国々の企業の株価を指数化した全世界株式、先進国株式など、さまざまなインデックス指数があります。

そして、投資家の間では、「世界最強の経済力を誇る米国のS&P500に積み立てるのが最適解」「いやいや、米国が今後、衰退するリスクを考えたら、どの国が成長しても恩恵にあずかれる全世界株式(オール・カントリー、略してオルカン)が無難」など、「S&P500派」「全米株式派」「オルカン派」などに分かれ、喧々諤々の議論が繰り広げられています。

そんなインデックス投資家たちから、異端児扱いされ、敵視されているのが、レバレッジNASDAQ100を使って資産形成に励んでいる者たち=「レバナス民(たみ)」です。2022年に入って、株式市場はこれまでのイケイケドンドンの右肩上がり相場から調整局面を迎えています。

そのため、レバナス民が主に投資している大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジNASDAQ100」の基準価額も、2022年の年初から50%前後まで下落してしまいました!

「それ見たことかっ」これまでの上げ相場で爆発的に資産を増やしてきたことへの嫉妬心もあるのか、アンチ派は2022年に入って、私たちレバナス民を、猛烈な勢いであざけり、あおり倒すようになりました。

「絶対失敗できない資産形成にハイリスクのレバレッジをかけるなんて頭おかしい」「すぐにでもS&P500や全世界株式など、よりリスクの低いものに乗り換えるべき」「基準価額の下落でレバナスはいずれ繰上償還される。ざまあみろ!」

S&P500も全米株式も全世界株式も米国の個別株も、2022年の下げ相場で下落しているのは皆、同じ。きっと、自分たちの資産運用がうまく行っていないことのはけ口を、私たちレバナス民にぶつけているのでしょう。

今こそレバナス絶好の買い場の可能性?

しかし、レバナス民を叩く人々が増えている今は、ある意味、レバナスの絶好の買い場の可能性でもあることを忘れてはいけません。

いずれ、NASDAQ100はかつてのような世界最強の上昇トレンドに回帰する、と私は考えています。2022年後半から2023年にかけての向こう1~2年間はレバレッジNASDAQ100を安値で仕込む絶好のチャンスだと思っています。

もし、あなたがまだ投資を始めていない超初心者なら、あなたは今、最高のアドバンテージ(特権)を手に入れているのも同然です。なぜなら、基準価額が大きく下落したレバナスに、大底圏から積み立て投資できるから。

そして、すでにレバナスに投資を始めて、今回の調整で不安と恐怖を抱かれているレバナス民の皆さん! こんな一時的な下落局面でレバナスを「失禁売却(多少の下落にビビって、レバナスを売却してしまうこと)」して、S&P500やオルカンに乗り換えるという“愚かな行為”だけは、どうか思いとどまってください。下落だけレバレッジを効かせて上昇トレンドは1倍なんて目も当てられません。

風丸

投資家

(※写真はイメージです/PIXTA)