ディスクリート素子などを製造する北京燕東微電子(688172/上海)が12月16日、上海証券取引所の科創板に新規上場した。公開価格の21.98元に対し、初値は1.09%高い22.22元だった。終値は同4.69%高の23.01元だった。
 
 同社は1987年に設立し、21年に株式会社化した。半導体チップの設計、製造、シリコンウエハーの製造、実装・テストを一体化した半導体企業で、主な製品はデジタルバイポーラトランジスタやECMプリアンプなどのディスクリート素子、電圧調整やコンパレーター、クロックICなどのアナログIC、その他特殊ICや素子など。また、シリコンウエハーの製造、実装・テストも手掛けている。主にコンシューマーエレクトロニクス、電力電子、新エネルギーなどの分野に用いられている。
 
 19〜21年における世界の年平均ECMマイクロフォン出荷量が約30億個であるのに対し、ECMマイクロフォンに1つ搭載されるECMプリアンプの同社の年平均出荷数は20億個を超えており、シェアは7割近くに達するものとみられる。また、中国国内のデジタルバイポーラトランジスタ市場シェアは30%以上となっている。21年12月期の売上高は20億3469万元(前期比97.45%増)、純利益は5億6915万元(同22.94倍)。22年1〜9月期の売上高は17億3674万元(前年同期比23.24%増)、純利益は4億4938万元(同29.11%増)。
 
 新規上場に伴い調達予定の40億元(約790億円)は、75%の30億元を中国国産設備による特殊技術12インチIC生産ラインプロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【上海IPO】ディスクリート素子製造の北京燕東微電子、初値は公開価格を1.09%上回る22.22元