和田雅成・木津つばさ主演の舞台「風都探偵 The STAGE」が12月29日(木)より東京・サンシャイン劇場にて開幕する。「風都探偵」は、平成仮面ライダーシリーズ最高傑作との呼び声も高い「仮面ライダーW(ダブル)」の正統続編。仮面ライダーW左翔太郎(和田)とフィリップ(木津)が同時に変身ベルトを装着することで変身できることが特徴で、二人は風の街“風都”で探偵業を営み、数々の超常的な怪事件を解決している。

【写真】舞台「風都探偵 The STAGE」で左翔太郎を演じる和田雅成

上演に先駆けて、左翔太郎役の和田、フィリップ役の木津、そして鳴海探偵事務所の所長・鳴海亜樹子役の生駒里奈、風都警察署の刑事・刃野幹夫役のなだぎ武が囲み取材に応じた。

■和田「一年に2回もライダーに変身させていただける人生があるんだな」

出演が決まった時の気持ちを聞かれると、和田は「素直に嬉しかったです。2月に仮面ライダーベイルに変身させていただいて、今回は仮面ライダーWと一年に2回もライダーに変身させていただける人生があるんだなと本当に光栄なことで幸せです」と答えた。木津も「自分の人生の中で、男の子が憧れる“変身!”っていうのをさせてもらえるなんて夢にも思ってなかったので気合を入れて頑張りたいと思いました」と意気込んだ。

仮面ライダーW」の大ファンだという生駒は「リアルタイムで観ていて、仮面ライダーの中で一番『W』が好きなので、“嘘だろ!”って思いました。役者として歩み始めて、こういう役も担わせてもらえる喜びも感じましたけど、いまだによくわかってないです(笑)」とまだ少し実感が湧いていない様子。テレビでの「仮面ライダーW」でも刃野を演じたなだぎは「また刃野さんを演じられるとは思ってもみなかったので非常に嬉しいですね。」と再演を喜んだ。

■木津「自分の良いようにやらせて頂こうと思っています」

役へのこだわりについては、和田は「『風都探偵』の翔太郎は(テレビ版「仮面ライダーW」の)桐山漣さんに寄せてる部分があると思うんですけど、舞台版はもっとくだけた部分も多いので、3枚目的な部分は僕の方が持ってるかなって思ったりするので“2.5枚目”を目指してやっていこうかなと思っています」と、新たなキャラを打ち出すと明かした。

木津は「“どうフィリップに見えるか”よりも、自分が演じる“フィリップ”というものをどう見ていただけるかが大切だと思うので、あまり深く考え過ぎず、自分の良いようにやらせて頂こうと思っています」と自身の考えを伝え、「そこをうまく着地させて”2.5枚目“を目指してやらせていただきます(笑)」と和田の言葉を借用して答えた。

■和田「2022年は『仮面ライダー』の色にしてもらった」

2022年も残りわずかということで、2022年がどんな年だったか、2023年はどんな年にしたいかという質問も投げかけられ、和田は「出演した作品はどれも大切ですが、今年に関しては『仮面ライダー』2作に関わらせていただいたことが大きかったですね。タイトルライダーに2回変身したのは仮面ライダー50年の歴史で僕だけらしいんです。僕自身、今年10周年を迎え、その中で関わられるとは思ってなかったので『仮面ライダー』の色にしてもらったなって思っています。2023年はこの作品から始まるのでいいスタートが切れると思います。常々、誰かのヒーローになりたいと思ってこの仕事をやっているので、2023年もヒーローになれたらいいなと思います」と語った。

木津は「ワールドカップが盛り上がりましたよね。試合を観ていて心の底から高揚感や興奮を覚えたので、そういうところに僕たちも行かなきゃいけないなって思ってので、舞台業界も盛り上げていきたいなって思いました。『風都探偵 The STAGE』を見てもらって“舞台っていいよね”“仮面ライダーW風都探偵、いいよね”ってなってもらえたらいいなと思いますし、2023年も1月2日からこの公演があるので、新年一発目からしっかり見せていきたいなと思います」と力強く宣言。

生駒は「今年はデビュー10周年で、初めてお芝居でシェイクスピア作品に出させてもらったり、主演をやらせていただいたり、お芝居でクタクタになる1年ですごく嬉しかったです。もっと恥ずかしいこと言っていいですか? (舞台初日の)12月29日が誕生日です。“10年間頑張ってきて良かったな”とか“芸能人を10年できたんだ。すごいな自分”ってご褒美をいただけたので、私も誰かを幸せにしたいです。誰かを笑顔にできる一部になりたいという気持ちで俳優をやっているので、来年以降も出来るといいなと思います」と語った。

なだぎは「今年2月に交通事故に遭って、骨折で半年間動けない状態で2022年の半年は消えました。6月ぐらいから動けるようになって舞台にも参加できるようになったと思ったら、夏に子供が産まれました。この歳になって初めての子供です。とても可愛くて(笑)。最初は悪かったんですけど、6月ぐらいからいろいろ動き出して、刃さんを10年以上ぶりにまた演じられるということになりましたので、この流れを大事にしていきたいなと思っています。来年は皆さん、交通事故には気をつけましょう」と波瀾万丈な2022年を回顧した。

■なだぎ「原作ファン(生駒)がいるからこの舞台は成功します」

最後は、和田が「皆さんの心に新しい風を吹かせられるように精一杯努めていきたいと思います」、木津が「とてもチャレンジングな舞台になると思います。いろんなことがてんこ盛りで、自分自身にとってもチャレンジングだと思いますので、皆さんと仲良く年を越せるように、そして千秋楽まで頑張ります」とコメント。

生駒が「“舞台の「風都探偵」ってどうなるの?”って思っている方に“大丈夫です”って言いたいです。初日が開いたら、“舞台の風都探偵ができたな”って感じてもらえると思いますし、一番近くで一番オタクが毎日稽古を見張っているので(笑)、ぜひ楽しみに劇場に来てください」というメッセージを届け、なだぎが「原作ファンを裏切らないというのが大切ですけど、原作ファン(生駒)がいるワケだから、この舞台は成功します。この舞台には正義の風が吹き荒れているので、皆さんの心に新しい風を吹かせられるように頑張りたいと思います(笑)」と和田の言葉を一部借用して答えた。

◆取材・文=田中隆信

(写真左より)生駒里奈、木津つばさ、和田雅成、なだぎ武/撮影:田中隆信