カタールの地でW杯の激闘を終え、帰国したサッカー日本代表サムライブルーの選手と親交が深い、不屈のJリーガーに知られざる素顔を聞いた。

クロアチア戦のPKに集約されていましたね。想像もできないプレッシャーがのしかかる中、南野拓実選手(27)は自分から1番にキッカーを務めることを選んだ。結果は残念でしたが、同世代の仲間としてすごく誇らしかったです」

 日本代表のエースナンバー「10」を背負った南野について語るのは、6年ぶりにJ1復帰を決めたアルビレックス新潟のDF早川史哉(28)である。

 16年のプロ入り直後に白血病に襲われたが、現在は選手としても復帰し、著書「そして歩き出す サッカー白血病と僕の日常」(小社刊)も話題になった。

 そんな早川と南野は「94ジャパン」(94年1月1日以降生まれの選手で構成された)と呼ばれたユース世代で出会い、それ以来、親友と呼べる間柄になる。

「ふだんはノリのいい関西人って感じですけど、ピッチに立つと、ギラギラした獰猛なハンターに変貌します。ゴールへの執着心と負けん気の強さに衝撃を受けましたが、昔はやりすぎてしまい、レッドカードをもらうヤンチャな一面もあった(笑)」

 2人がともに世界と戦ったのは、11年にメキシコで開催されたU─17W杯でのこと。世界を驚かせる快進撃を続けたが、準々決勝でブラジルに2─3で敗退。試合後、「94ジャパン」のメンバーは、ある約束を誓い合ったという。

「『この借りは自分たちの世代がA代表になってW杯で返そう』と言って、解散したんです。その時のメンバーから唯一、南野選手がA代表に選ばれて約束を果たした。ドイツ戦で堂安律選手(24)が同点ゴールを決めてくれましたが、その前に世界トップクラスのGKノイアー選手が弾くしかないシュートを打ったのは南野選手。難しい角度から体勢をひねってシュート性の速いボールを蹴ったことに驚かされたし、得点に欠かせないプレーでした」

 また、早川が筑波大学在学中、スペイン戦とクロアチア戦にフル出場したDF谷口彰悟(31)が2学年上の先輩だった。海外クラブのメンバーが中心となる中、Jリーガーとして存在感を発揮した。

「技術力と適応力が高いので、大学時代もどこのポジションに入っても、誰と組んでもうまく順応できましたね。W杯の難しい状況でも、すぐに馴染めて、なんの違和感もなくプレーできたのは、谷口選手だったからこそだと思います」

 谷口といえば、7月のE─1選手権で対戦したライバルの韓国内でも、「超イケメン」として話題になるほど甘いマスクの持ち主。カタール1部リーグのアルラヤンへの移籍が確実視され、ますます女性ファンを増やしそうだ。

「大学時代から年齢問わず女性ファンが試合を見に来ていましたね。本当にイケメンでしかない(笑)。上から目線で言うわけではありませんが、欠点も見当たらないし、とにかく聞き上手。いろいろな人に悩みや相談をされたあと、最後にポンッと的確なことを言ってくれる。一番カッコイイパターンで憧れの先輩です」

 W杯戦士たちの素顔は、実にナイスガイなのだ。

アサ芸プラス