NGT48が、8thシングル「渡り鳥たちに空は見えない」を12月28日(水)にリリース。同曲では、1期生の本間日陽が3rdシングル「春はどこから来るのか?」以来のセンターポジションを務める。新潟の民放4局で放送された、メンバーが出演するミニドラマ「夜明け前の彼女たち」の主題歌でもある本作について、1期生の本間、奈良未遥、ドラフト3期生の佐藤海里、2期生の真下華穂、3期生の柴野夕葵、杉本萌の6人にインタビュー。8thシングルの魅力を聞くとともに、初アルバム、初ツアーを達成した2022年の振り返りや、加入からおよそ半年が経過した3期生の現在についても語ってもらった。

【写真】緊張しながらもインタビューに応えてくれたNGT48・3期生の柴野夕葵&杉本萌

■本間日陽、4年半ぶりのセンター

――今回の曲を初めて聞いた時の印象はいかがでしたか?

本間:今回は、シングルに連動したドラマの企画もあったんですが、私たちはドラマの台本を先にもらっていたので、どんな曲になるかなとずっとそわそわしていたんです。実際に出来上がった曲を聞いてみたら、イントロからすごく引きつけられました。ドラマの内容にぴったりな楽曲をいただけたなと思いました。

――本間さんは久しぶりの表題曲センターでもありますね。

本間:はい、4年半ぶりです。実は、もう表題曲のセンターには立てないんじゃないかなと思っていたんです。でも自分のアイドル人生を振り返ってみると、やっぱりセンターはすごく特別な場所でした。自分も20歳を越えて、後輩たちがいろいろな場所で活躍しているのを見ながら、「私がグループでやりたいことはなんだろう」と考えると、「やっぱりもう1回表題曲のセンターをやりたい」と思っていて。その念願がかなえられて、すごくうれしい気持ちです。

――佐藤さんはTwitterで、Type-Aのジャケット写真を「とても見覚えのある素敵な場所」と投稿していました。

佐藤:今回は私がスペシャルアンバサダーを務めさせていただいている、えちごトキめき鉄道さんの直江津D51レールパークというところでジャケット撮影をしました。私のすごく大好きな場所だったので、とてもうれしかったです。

――駅で撮影しているパターンのジャケットもありますね。

佐藤:これもえちごトキめき鉄道めき鉄道が走る有馬川駅という海の近くの駅で、景色がきれいなことで有名な場所なんです。映画の撮影場所に使われたりもしていて。以前、今回のジャケット撮影よりも前にお仕事でお邪魔させていただいたんですが、その時に「いつかここでジャケット撮影できたらいいな」とコメントしていたので、こんなにすぐにかなうなんて思ってもいなくて驚きました。

■ドラマ「夜明け前の彼女たち」に出演

――本作を主題歌とするドラマ「夜明け前の彼女たち」には、今日いるメンバーからは本間さん、真下さん、佐藤さんが出演されています。

真下:私は海里と姉妹役で出演しています。ドラマを撮影させていただくということ自体が初めてで、どういう現場なんだろうという不安や緊張がありました。海里と一緒のシーンがほとんどだったので、前日、前々日から二人でリモートで台本の読み合わせをしたりして、せりふが飛ばないように準備して挑みました。

でも、いざ撮影してみたら、監督をはじめとする制作チームの方が本当にすごく気さくで、私のことを“まっしー”と呼んでくださったりして温かい現場でした。最初は緊張していましたが、最後には安心して楽しく撮影できました。

――佐藤さんとの姉妹役はいかがでしたか?

真下:私と海里って1歳違いなんですが、自然と妹のように気にかけることは以前からたまにあったので、合っていたのかもしれません(笑)。

佐藤:たしかに過去に面倒を見てもらうことがありました(笑)。でも、監督も私たちのそういう関係を知らないまま、オーディションを通して姉妹役に選んでくれたので不思議です。

――本間さんはいかがでしたか?

本間:私は全編通して参加させていただいたんですが、みんなが演技しているところを見るのがすごく新鮮でした。ドラマの制作チームの皆さんもNGT48のスタッフさんも、ドラマに対してすごく熱い思いがあったので、その気持ちを感じつつ、楽しみながら撮影できたんじゃないかなと思います。

■奈良未遥&真下華穂はSHOWROOM選抜

――「渡り鳥たちに空は見えない」のカップリング曲「やさしさの重さ」は、「SHOWROOM選抜」のメンバーによる楽曲です。奈良さんが1位でしたね。

奈良:SHOWROOMのイベントには久しぶりに参加させていただいたんですが、ファンの皆さんの日ごろの大切な時間をいただくことにもなるので、一致団結しながら、毎日ずっと一緒にいるような感覚でした。付き合っていただいた皆さんは大変だったと思いますが、団結力を感じられたし、応援してくださる皆さんが、こんなにいてくれるんだなと改めて感じられる機会になりました。

――1位になるために工夫したことはありますか?

奈良:数字で結果が出るわけですが、数字のプレッシャーに潰されないように、楽しむことを一番大事にしました。「この時間は何をする」とガチガチに決めるのではなく、皆さんと楽しみながらコミュニケーションを取るということ徹底していました。

結果が分かるまでは、本当にドキドキでしたが、1位と分かった時に一緒に配信期間を頑張ったメンバーが「おめでとう」と連絡をくれたり、家族や他の周りの人もお祝いしてくれて。何よりもファンの方が自分のことのように喜んでくれたことが幸せだなと思いました。

――真下さんもSHOWROOM選抜メンバーとなりました。

真下:私はSHOWROOM配信のように自分一人で画面に向かって話し続けることは苦手だったんですが、今回は長い時間配信をしたことで、SHOWROOMでのファンの人とのコミュニケーションの取り方をつかめたので、楽しく配信することができました。私は「キャベツを1000回切ってみる」という配信を30分の枠でやったんですけど、用意したキャベツが小さくなりすぎちゃって1000回切りきれなかったんですよ(笑)。楽しんでもらえるような企画を考えながらやったのも良い思い出になりました。

■柴野夕葵&杉本萌が3期生楽曲の印象を語る

――3期生楽曲「キスをちょうだい」も収録されますが、柴野さん、杉本さんはどう感じましたか?

柴野:タイトルを初めて見た時には、セクシーな感じの曲なのかなと思ったんですが、実際に歌ってみると明るい感じというか、歌詞がすごくキラキラしていて、セクシーというよりフレッシュな感じの曲調だったので、私たちにも表現しやすかったのかなと思います。

杉本:私は歌詞を読んだ時に大人っぽい内容だなと思いました。でも、歌詞のちょっとしたニュアンス、例えば「キスをちょうだい」じゃなくて「ちょっとキスをちょうだい」というように、ういういしさが出ているなって。今の私たち3期生にぴったりな曲をいただけたな、とすごくうれしかったです。

――先輩メンバーの皆さんから見た3期生はどんな印象ですか?

本間:二人(真下と佐藤)にとっては、初めての後輩だけど、どう?

佐藤:自分が加入した頃と比べるとみんな肝が座っているなと思います。私は高校生の時に加入させていただいたんですが、もうちょっと慌ただしいというか、もっといっぱいいっぱいでした。3期生のみんなは落ち着いていて、自分が今、何をやらなきゃいけないかということをちゃんと考えて行動しているんじゃないかなというふうに見えます。

真下:今までのメンバーは結構わちゃわちゃするタイプのメンバーが多い印象なんですが、3期生はどちらかというと大人しい子が多い気がします。まだ見せていない面があるだけなのかもしれないけど、「これが現代の若い子なんだ」っていう感じがします。

奈良:分かる。例えば、私たちだったら「1998年生まれ」というように、4桁の数字を言っていたんですが、今は「00世代」というように呼び方が違うんです。

杉本:たしかに、私は2005年生まれなので「05line」と呼んだりしますね。

■本間日陽、2022年は「すごく実りある一年」

――年末が近いということで、2022年についても伺いたいと思います。初のアルバム、初のツアーなどグループにとっても変化の大きな一年だったのではないでしょうか。

真下:グループがすごく前に進んだ一年だったなと思います。3期生も加入したし、ファーストツアーも完走できて、来年が楽しみになるような大きい一歩でした。

本間:私は個人的に、年始めに「演技のお仕事を頑張りたい」と思っていたんですが、今年は舞台に立たせてもらったり、グループの活動でもソロ曲をもらえたり、センターに立たせていただけたりと、すごく実りある一年でした。

奈良:私はNGT48に加入して8年目なんですが、今までの中で一番、一年を短く感じました。アルバム、ツアー、3期生の加入、シングルと、本当に毎月のように環境が変わっていたなと思います。ファンの皆さんにとってもうれしいことが多い、ハッピーな一年になったんじゃないかなと思います。

本間:ツアーをやっていたらあっという間だったよね。夏から秋にかけて一瞬でした。

――ツアーではどんな思い出がありますか?

佐藤:コロナ禍になってからグループ全体で一緒に活動する機会が少なくなってしまっていて、劇場でもユニット公演など少ない人数でパフォーマンスをしていたんです。NGT48全体でレッスン場に集まって、みんなで何かをやるということがとても久しぶりだったので、「ツアーを成功させよう」と一致団結できた期間でした。

――今年はファンの方と交流する機会も多かったのでは?

真下:今年からリアルイベントが再開したので、直接ファンの方と顔を見てお話できるのは久しぶりでした。すごくうれしかったです。ファンの方も喜んでくれました。

■3期生の今年一番のニュースはNGT48加入

――3期生のお二人にとっては、加入前を含む2022年はいかがでしたか。

柴野:NGT48に応募した時は、もちろんアイドルになりたいという気持ちがあったから応募させていただいたんですが、実際にアイドルになった姿を想像することはそこまでできていませんでした。実際にツアーでお披露目をさせていただいたり、他のイベントなどにも出させていただいたりと、ありがたいことにすごくたくさんの機会をいただいていることに、感謝しないといけないなと感じます。

それから、ツアーでファンの方が私のうちわを持ってくださっていたことがすごく印象に残っています。私にもファンの方がいるんだなって。私のことをちゃんと見て、応援してくださるファンの方がいることを確認できて、うれしい気持ちがいっぱい溢れ出ました。自分の中でもすごくたくさんの変化があったし、毎日がすごく濃くて、課題もたくさん見つかった一年でした。

――ちなみに、去年の一番のニュースは?

柴野:去年は一般の学生だったので、生物のテストで80点をとったことですかね。

――では、今年の一番のニュースはなんですか?

柴野:やっぱりNGT48に受かって、合格発表の時のドキドキ感というか。自分の名前が呼ばれた瞬間の印象がすごく強いです。

――一年で大きく変わりましたね。杉本さんはいかがでしたか?

杉本:一言で言うとアイドル一年生でした。私もこの夏に加入させていただく前までは普通の学生でしたが、長野県出身だったので、NGT48に入らせていただくことが決まって、引越しもして転校もして、ありとあらゆる環境が変わりました。

正直、メンタル的にも体力的にも大変だった時期はありましたが、それも乗り越えて、改めて「自分はアイドルを頑張るんだ」と強い決心ができた一年でもありました。目の前にファンの方がいてくださる環境で歌って踊るという経験をさせていただいて、「本当にアイドルになって良かったな」と心の底から思えました。

――去年の一番のニュースはどんなことでしたか?

杉本:去年はドラム一年生でした。ドラムはずっと昔からやってみたいという夢だったんですが、なかなかやる環境がなくて。私の通っていた学校には軽音楽部があったので「ドラムができる! 絶対入るぞ!」って決めていたんです。でも、初心者すぎる初心者ですし、今はあまりたたけません。

――では、2023年はどのような年にしたいですか?

真下:私は地元が静岡県なので、個人的に静岡でコンサートとかイベントとか、シングルのプロモーションとかで地元に関われたらいいなと思っています。

奈良:2022年はツアーを回らせていただいたりして、ちょっとずつ県外の皆さんに会いに行けるようになってきたので、2023年は新潟も大切にしつつ、県外でももっとたくさんの方にレベルアップしたNGT48を、今の3期生も含めて知ってもらって、興味を持っていただけるような一年にできたらいいなと思います。

■佐藤海里「グループが変化していっていると感じる」

――グループにとっての現在の目標はどんなことでしょうか?

本間:シングルをたくさん売る(笑)。

――直近の目標ですね(笑)。

奈良:ですね。一歩一歩、目の前のことをとにかく全力でみんなで頑張ることが大切かなと思います。

佐藤:最近、先輩方や同期が卒業していきましたが、私がNGT48を好きになったきっかけは先輩メンバーの皆さんだったので、どんどんグループが変化していっているなと感じているんです。そんな中で、自分が何をしたらいいのかすごく悩む一年でもありました。

そこへ後輩メンバーが入ってきて。私は先輩方に優しくしていただいたり、うまくいかない時に話を聞いていただいたりして、先輩として後輩にどうしたらいいかをたくさん学ばせていただいたので、新しく入ってきたくれた後輩に、先輩としてたくましい姿を見せられたらいいなと思いました。

本間:ツアーができたことで、今の自分たちの実力だったり、ファンの方の盛り上がり方をすごく客観的に見るきっかけになったなと思っているんです。今年は初めてできたことも多かったし、グループにとって大きな出来事はたくさんあったんですが、ここからさらにグループが大きくなっていくために、来年はファンの方を一人でも増やせるように、それぞれが頑張っていく期間なのかなと思います。

■3期生が先輩に聞いてみたいことは…?

――3期生のお二人はNGT48の二年生になります。

杉本:今年は全てのことが初めてで、慣れること、こなすことに精いっぱいだったんですが、これからはやったことのある活動をさせていただくことが増えてくると思うので、一つ一つのお仕事をより心を込めて丁寧に活動していきたいなと思います。そうすることで、少しでもNGT48に貢献できるメンバーに成長していくような年にしたいです。

柴野:私はまだ緊張する場面がたくさんあるんですが、先輩方は私たちのお手本になってくださいますし、アドバイスもたくさんくださるので、それをちゃんと吸収して結果を出せるように、もっともっとレベルアップしていけるような年にしたいと思っています。

――せっかくの機会なので、先輩メンバーに聞いてみたいことはないですか?

杉本:どうしたらファンの方により喜んでいただけると思いますか?

本間:私は、ファンの方とすごく距離が近いことが48グループの特徴だと思う。配信でもSNSでも、いっぱいコミュニケーションを取れるから、私はファンの人を“一番理解のある友達”だと思っている。だから、喜んでもらったり、みんなのことをワクワクさせたいなという気持ちを常に持っていれば、悩んだ時には相談したりすることがあっても良いんじゃないかな。

家族とか友達とかとはまた違った、大切な存在がファンの方々。私の感覚では“同志”というか。“応援してくれる人”という以上に、“一緒に夢に向かってくれる人”。その過程を一緒に楽しんでくれる人というような位置付けだから、私がうれしいことはすぐに共有したいし、私がつらくて悔しかったりする時にも、すぐに共有したいと思ってる。

奈良:同志って言葉が一番しっくりくるかもしれない。

――ファンの方って、皆さんとは世代の違う方も多いと思うんです。そういう方々を同志と思えるまでに、はじめは緊張してしまうようなことはありませんでしたか?

奈良:この世界のお仕事をしていなかったら、こんなに会話することはないかもしれないような年代の方もいらっしゃるし、ファンの方の年代は幅広いです。だからお互いに少しずつ時間かけて信頼し合って、日陽が言っていた同志のような存在になっていくんだと思います。

本間:ファンの人にとっても、友達同士でもそうなように、合うアイドル、合わないアイドルってあると思うんです。だから、最初は自分のことを知ってもらうことが一番なのかなと思います。そういう過程で好きなものに共感してもらえたり、自分が頑張りたいことを応援してくれたりする人が出てくるんじゃないかな。

奈良:ファンの方って、私たちの目標を自分の目標かというくらいに一緒に突き進んでくれるし、背中を押してくれるし、支えてくれるし、手を引っ張ってくれるんです。友達とか家族とはまた別枠の、本当に特別な存在になってくる。それは、ちょっとずつ時間をかけながら分かってくるんじゃないかなと思います。

■「わたぞら」と「わたちょう」…どっち?

――今回のシングルの略し方が気になっていたんですが、公式Twitterでは「#わたぞら」とハッシュタグが付いていたことがありましたね。この件に関して、SNS上で佐藤さんへのツッコミを多く見掛けました。

佐藤:ラジオの生放送で全国初オンエアしていただいた時に、中井りかさんから突然「海里ちゃん、これなんて略すの?」と振られて、よく分からないままに一番ぴったりだと思って「わたちょう」って言ってしまったんです(笑)。後からSNSでみんなの反応を見たら、しっくりきてくださっている方もいらっしゃったんですけど、ちょっと変だなって…(笑)。

本間:トレンドに入っていたもんね(笑)。

佐藤:インパクトは大事だと思うんですけど、日陽さんに申し訳なくて…。日陽さんのファンの方からも「ひなたんのセンター曲が“わたちょう”?」って指摘を受けていて、わたちょうとセットで私の名前も出てきてしまう、みたいな。それからは申し訳ないと思って、自分から「わたちょう」と発信するのはやめました(苦笑)。

本間:やめちゃったんだ(笑)。

■本間日陽「ファンの方に委ねます(笑)」

――実際のところ、本間さんは大事なセンター曲が「わたちょう」と呼ばれることをどう思っていたんですか?

本間:略し方はなんでもいいとは思っているんですけど…(笑)。初オンエアより前に、自分のラジオの冠番組の収録があったんですが、そこで放送は解禁後という体で「わたぞら」と略してしゃべっていたので、私の頭の中ではもう「わたぞら」だったんですよ。

それで初オンエアの後、みんなの反応を見てみたら、海里ちゃんが「わたちょう」って言っていてすごく驚きました(笑)。なんかトレンド入りもしているし、みんなもすごく気に入っているみたいでしたよね。しかも、私の母親もずっと「わたちょう」って言っていたんです(笑)。それに、やっぱり略称はファンの方たちがみんなで作るものだと思っているので、私自身は別に「絶対に“わたぞら”がいい」という気持ちだったわけではないです。

――実は先に「わたぞら」と略されていたんですね。

本間:収録日ではそっちの方が先だったんですが、先に世に出たのは「わたちょう」でした。なので、この“わたちょうわたぞら問題”は、もうファンの方に委ねます(笑)。

◆取材・文=山田健史

NGT48メンバー6人に8thシングル「渡り鳥たちに空は見えない」についてインタビュー/撮影:山田健史