俳優・堺雅人(49歳)が出演する、マクドナルド「サムライマック」のCM最新作として、初めてアニメーションのCM を制作。12月30日より「絶巓(ぜってん)の侍」篇の放映を開始する。

2023年1月4日から、サムライマックの新商品「和風バーベキュー たまご肉厚ビーフ」「にんにく ザク切りポテト肉厚ビーフ」を期間限定で発売するのにあわせ、放映される今回のCM。

2023年に40周年を迎える漫画「北斗の拳」(原作・武論尊/漫画・原哲夫)の原哲夫氏が原画を描き、堺は原氏が描くエネルギーに満ちあふれたキャラクターの声を熱演した。

声の収録のためスタジオに登場した堺は、キャラクターのイラストを見ながら「これを想定した声、出ませんよ…」と話し、キャラクターが放つエネルギーに圧倒された様子。しかし、多くの人たちにエールを送る作品にしたいという説明を受けるうちに、「できないと思いつつ」と言いながら、決意した表情で「精いっぱいやります!」と宣言した。

本作は、アニメーションに声をあてるのでなく、先に声を収録して堺の声に合わせて動画を制作。監督からナレーション原稿を受け取った堺は、登場人物の気持ちや背景の風景などについて熱心に質問し、声の演技のイメージを膨らませてアフレコに臨んだ。特に、壁を越える場面などアクションがあるシーンは、一つ一つ主人公と同じように身体を動かして監督に確認しながら、全身で役のイメージを作っていた。

そして堺は打ち合わせをしながらペンを手に取って、演技のポイントを次々とメモ。その中で、最後に大きな字で書きこんだのが、「勇気づける」という言葉だ。挑戦する気持ちを、CMを見る人たちに伝えたいというメッセージを胸に、堺は録音ブースへと向かっていった。

録音ブースにはイスが用意されていたが、堺は終始立ったままで録音。主人公と同じように壁を登る動作をしながら何度もセリフを練習し、録音が始まると、全身の力をふり絞るようにして力強い声を次々披露した。

「でも、やるんだ!」というセリフでは励まし鼓舞するような声、「うおぉー!」という雄叫びのようなセリフでは、お腹の底からエネルギーが爆発するような声が狭いブースの中に響き、さらに抑揚をつけるために、やさしさも加えるという、監督からの難しい注文にもこたえていく。離れた場所にあるスタッフのブースにもその熱量が伝わり、監督もその力強い声と表現力に感嘆していた。

声の演技だけでなく、堺ならではの表情やアクションもアニメーションと一体化させたい。そんな思いから、今回は堺に各シーンを実演してもらい、そのポーズや表情をもとに作画する方法がとられた。

そのため、スタジオに持ち込まれたのはなんと脚立で、CMのほとんどの部分を占める壁を登るシーンのために、脚立をよじ登っていくポーズをとった堺。すると、堺は自らのアイデアで両足を宙に浮かせ、腕だけで全身を支える。息があがり、歯を食いしばってその体勢に耐える姿……アニメーションの参考にするための演技でも、リアリティを追求する堺に、監督をはじめスタッフから「ありがとうございます!」と感謝の声があがった。


堺雅人 インタビュー

質問:「サムライマック」で初のアニメーションCMに出演した感想を教えてください。

堺:絵を見てから声が決まっていくんだろうなと思っていたんですが、僕の声を聞いてから絵を作るということなので、すごい責任を感じています。原先生のイラストを拝見して、ものすごい迫力だったので、この絵の声は人間では出せないんじゃないかと思いました。大丈夫なのかなあ…。この絵の声ができているのかな…。


質問:今回の演技で工夫したことや難しかったことを教えてください。

堺:いつものお芝居はみんなで作っていくので、どれくらいの高みに登れるかというのはやってみないとわからないですよね。でも今回は原先生のイラストがドンとあって、“ここに登れ”っていう目的地が提示されていたので、そのありがたさと難しさがありました。みんなで登っていこうというやり方と、ここに行かなきゃというやり方は、こんなふうに違うんだなという(ことがわかり)、大変貴重な経験をさせていただきました


☆原哲夫氏 コメント

質問:サムライ衣装の堺さんを描くにあたり、特にこだわった点を教えてください。

原氏:基本的に似顔絵ではなく自分の漫画の世界観に落とし込んで、でも堺さんのキャラは滲み出るようデフォルメしながら調和をはかっていく、そんな絵を作りたいと思いながら試行錯誤しました。ただ、以前TVドラマで堺さんを拝見した時の印象が強く残っていたので、現代にまだこんな怒りの表情を出せる人がいるんだと感心しながら、そこは自分の大好きなお得意めの絵が描けて乗れました。


質問:今回の新CMをご覧になっての感想を教えてください。

原氏:僕の描いた堺さんがアニメになって動き出すのは夢のような体験でしたが、その間に入るアニメーターの方の苦労は計り知れないものがあります。なんと言っても超一流の堺さんのパワーあってこそのCMだと思いました。