何かと忙しい12月ですが、新年を気持ちよく迎えるためにも、家の「大掃除」はやっておきたいもの。しかし、「掃除したいけど、時間がない…」という人も少なくないはず。本格的な大掃除ができなくても、最低限「これだけやっておけばOK!」という掃除のポイントはあるのでしょうか。

 そんな「忙しい人のための大掃除術」について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。今回は「トイレ編」です。

便座の裏面には尿などの排せつ物が…

Q.一般的に、トイレにはどのような汚れがたまりやすいのでしょうか。

有賀さん「便器には水あかをはじめ、尿など排せつ物に含まれる成分を栄養源に繁殖した雑菌やピンク色酵母菌、便器の縁やノズルなどには黒カビが発生しやすくなります。尿に含まれるタンパク質やミネラル分などが長い間放置されると『尿石』となり、黄ばみやにおいの元になる頑固な汚れになります。

便座の表面は、便座カバーなどを使っていない場合、直接肌が触れるので皮脂汚れなどが付きます。また、便座の裏面には尿などの排せつ物が飛び散り、付着します。まだトイレがうまく使えないトイレトレーニング中の小さなお子さんがいる場合は、床と便座のつなぎ目部分にも、尿石やシミとなって汚れがたまっていることが多いです。

便器以外では、衣服の上げ下ろし時やトイレットペーパーを切ったときに出る糸くずや紙くず、髪の毛などが床や便座奥側、換気扇フィルターなどに付着しやすいです。

また、意外と盲点なのがトイレブラシです。トイレブラシ自体のお手入れも小まめに行わないと、雑菌が繁殖したトイレブラシで便器を掃除することになり、逆に雑菌や汚れを付着させてしまっている、といったことも考えられます」

Q.トイレ周りの大掃除を「本格的にやる時間がない」という人に勧めたい、「日常の掃除+α」の掃除方法やポイントを教えてください。

有賀さん「トイレ周りの『+α』掃除では、次のポイントを意識して作業しましょう」

換気扇フィルター

基本は、外して水洗いします。高い場所で危ない場合、時間がない場合などは、掃除機のノズルでほこりを吸うだけでもきれいになります。

【便座、便器】

多くの便座は、便器から取り外すことができるので、そのつなぎ目にたまったほこりや髪の毛を取り除きましょう。尿石がある場合は酸性洗剤を使います。また、便器の縁や水たまりにできる黒い輪っか状の汚れは、細菌やカビによるものなので、塩素系カビ取り剤を使います。いずれの汚れも頑固で落ちない場合は、トイレットペーパーを便器内に敷き詰め、洗剤を満遍なく振りかけておくと、汚れが落ちやすくなります。

なお、酸性と塩素系の洗剤を同時に使うと、有毒ガスが発生する恐れがあるので、時間をずらして使うなど注意が必要です。

【トイレブラシを交換する】

先述した通り、掃除する上で「トイレブラシ自体がきれいかどうか」も重要です。トイレブラシが汚れていたり、変色したりしている場合は、思い切って新しいものと交換しましょう。

【においが気になる場合】

立って用を足したり、便器のふたを閉めずに水を流したりしていると、床や壁にも汚れが付着し、においのもとになる場合があります。ほこりを落とした上で、壁紙や床をトイレシートで拭いて掃除してみてください。特に、床と便座のつなぎ目部分は、使い古した歯ブラシなどを使って、念入りに汚れをかきだしましょう。

オトナンサー編集部

トイレの「大掃除」、ポイントは?