米モンタナ州の国立公園の湖岸で今夏、巨大なハイイログマがヘラジカを仕留める姿が捉えられた。衝撃的な光景を捉えたのは当時、湖畔で行われていた結婚式の撮影をしていたビデオグラファーの男性で、今月になってSNSに動画を投稿したところ大きな注目を浴びた。『Insider』などが伝えている。

米コロラド州デンバーを拠点にウエディングビデオグラファーとして活躍するスタントン・ジャイルズさん(Stanton Giles)は今年8月、モンタナ州北西部に位置するグレイシャー国立公園の湖畔での結婚式を撮影中、ハイイログマがヘラジカを襲う姿を目の当たりにした。

式では新郎が誓いの言葉を読み上げている最中で、ドキュメンタリーチャンネル『ナショナル ジオグラフィック』の動画制作を手掛けたこともあるというスタントンさんは「狩りの様子を撮影したい」という衝動に駆られながらも、新郎の言葉が終わるまで式の撮影を続けた。

「実はハイイログマはヘラジカを追って山から下りてきて、湖岸までやって来たんだ」と、かなり前から狩りの様子を観察していたことを明かすスタントンさん。結婚式全体の様子を映し出した動画では、スタントンさんが湖を背景に牧師と新郎新婦の3人にカメラを向けながらも、対岸で起きているハイイログマの“狩り”が気になって仕方がない様子だ。背後ではヘラジカの悲痛な鳴き声と何やら騒々しい音が響いている。

すると最初は岸に背を向けるように立っていたゲストたちも次第にソワソワし始め、新郎の言葉が終わるとゲストの一人が「ハイイログマがヘラジカを殺しているぞ」と呟き、結婚式は一時中断となった。

狩りの動画は壮絶で、ヘラジカに馬乗りになったハイイログマが首の辺りに噛みつき、立ち上がろうとする獲物を何度も押さえつけており、ヘラジカは脚をバタバタさせて抵抗するも巨大なクマには敵わない。これを見た花嫁は口を押さえて絶句し、「まさか!」「オーマイガー」「本当なの?」「大丈夫かしら?」などといった言葉が飛び交っている。

スタントンさんは当時のことを「ビデオグラファーになってからというものクレイジーなシーンはたくさん見てきたし、魅力的な場所にも行ったよ。でも自然の中で、しかも結婚式で、ハイイログマがヘラジカを仕留めるなんてこれほどクレイジーなことはなかったね」と、「今でも信じられない」という口調で述べており、TikTokに投稿された動画は18日間の再生回数が4800万回を超える反響となった。

スタントンさんはその後、TikTokでパート2を公開。「クマの犠牲になったのは母ジカに見捨てられた子ジカだった」と明かしており、動画では襲われる我が子を横目に、母ジカが湖を泳いで逃げていく姿が映し出されていた。

なおスタントンさんは当時の動画をYouTubeにも投稿、視聴者からは「自然は美しく、残酷だ」「凄まじい!」「クマは生き延びるために狩りをする。それだけのこと」「命の輪だね」「あんなクマに襲われたらひとたまりもない。人間でなくて良かったと思うしかない」「結婚式でこんなことが起きるなんて! 悲しすぎる」「ヘラジカはかなり大きいと思ったけど、まさか子ジカだったなんて! 胸が締め付けられる」「子ジカの鳴き声が耳から離れない」「『結婚するな』という暗示かも」などといったコメントが寄せられた。

ちなみにグリズリーという英名で知られるハイイログマは、北アメリカの山岳地帯に生息するヒグマの亜種の一つで体長は2.5メートル、体重は360キロにもなる。果実や植物の葉や根、ネズミ類や魚などを食べるが、ヘラジカなどの大型獣も襲うという。

一方でヘラジカは、北米ではムースと呼ばれ、体長は2メートルを超え、体重は400キロほど、大きいものでは800キロになる個体もあるという。

画像は『Films by Stanton 2022年12月11日付TikTok「When a bear kills a moose during your wedding」、2022年12月13日付TikTok「Part 2: Mother Moose Abandons Calf during Grizzly Attack」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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