
1888年、イギリス・ロンドンで少なくとも5人の女性を殺し、遺体を切り刻んだ正体不明の連続殺人犯「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」。
その容疑者は複数上がったものの、犯人特定には至らず、逮捕することができずに未解決事件に終わった。
容疑者は複数上がっていたのだが、最近になって、切り裂きジャックの容疑者と思われる人物が彫刻された杖を、考古学者が偶然発見したという。
1888年、英国ロンドン、ホワイトチャペル地区とその周辺で、少なくとも5人の女性が殺害された。
メアリー・アン・ポリー・ニコルズ、アニー・チャップマン、エリザベス・ストライド、キャサリン・エドウズ、そしてメアリー・ジェーン・ケリーである。
被害者たちは、みな、喉を切り裂かれて殺され、内臓を摘出されて体を切り刻まれることもあった。
巧みな腹切りから、犯人は外科医、理髪師、肉屋など刃物やメスを使う熟練した職業に就いていたのではないかとの憶測が大きく広がった。
この130年の間に、何十人もの容疑者の名前が挙がっており、残された証拠の品からDNA鑑定などが行われたが、その結果は疑問の残るもので、いまだ未解決事件のままである。
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The UnXplained: Jack the Ripper's Secret Identity Revealed (Season 3)
容疑者の顔を彫刻した杖を発見
当時、警察が目をつけていた容疑者は何人もいた。犯人の顔の合成写真まであり、英国の警察学校、カレッジオブポリシングの研究者は、この杖に彫刻された人物は、その容疑者の1人だと考えている。
この杖は1888年、この殺人事件の捜査を指揮したロンドン警視庁のアバーライン主任警部補に与えられたものだそうだ。
再発見された切り裂きジャックの容疑者の1人が彫刻された杖 / image credit:College of Policing
杖は、元々展示されていたが2015年に閉鎖された後、何年も行方不明になっていた。
しかし最近、ブラムシルの閉鎖後に倉庫に移されていた遺品を整理していた警察大学のスタッフ2名によって偶然発見されたのだ。
[もっと知りたい!→]未解決事件簿:12人を斬首した正体不明の連続殺人犯「キングズベリー・ランの屠殺人」(アメリカ)

再発見された切り裂きジャックの容疑者の1人が彫刻された杖 / image credit:College of Policing
このどことなく不気味な彫刻は、切り裂きジャックの正体に関する議論に決着をつけることはないだろうが、英国史上最悪とされる未解決連続殺人事件に関する興味深い遺物であることは確かだ。
この杖を発見したことは、私たちにとってエキサイティングな瞬間でした。
切り裂きジャックは、英国警察の歴史の中で最も悪名高い殺人事件の一つです。
彼を捕まえられなかったことが教訓となり、警察は、犯罪現場の保存、プロファイリングなど、新たな捜査技術を発展させることができたとも言えるでしょう
カレッジ・オブ・ポリジングのコンテンツクリエーターのアントニー・キャッシュ氏はプレスリリースの中で述べている。
References:Jack the Ripper makes an appearance at Ryton / written by parumo

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