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「前日は眠れない。「やだなあ」って。こんなところで間違えたらすごいタイミング悪いな、とかいろんなことを考える。気持ち悪いよ。収録が終わってからも気持ちが高ぶって眠れなかった」

そう語るGACKT(49)。1月1日放送の新春バラエティ『芸能人格付けチェック!』(テレビ朝日系)で個人71連勝中だ。21年9月に体調不良で無期限休業を発表し、映画『翔んで埼玉』続編の撮影が休止。主治医により神経系疾患による免疫低下で全身皮膚炎、脱毛症、声帯機能の低下症状が見られると発表された。

「いちばんひどかった時は声がまったく出ませんでした。うまく発音ができないだけじゃなくて、言葉が上手に発せない、考えていることが言葉に上手にならない。発声障害を併発していました。

あとは脱毛。シャワーを浴びている途中に指を見たらすさまじい量の毛が指の間にあって。それが最初自分の毛だと気づかなくて天井から降ってきたのかと思いました。「なんだこれ!?」と。その毛を洗い流して自分の髪に指を入れるとまた同じようにごっそり抜けて。シャワー浴びた後も髪の毛を振ると髪の毛が床にぶわーっと落ちる。それを見て、正直『あー終わったな』って。『これで表に出るのは厳しくないか』と。

そうしたら今度は症状が肌にも出始めて象みたいなひび割れができて赤くなってカサカサになって。もう心も体もボロボロでした。

だから、死ぬっていう覚悟に関しては過去に何回もあったけれど、はじめて遺書を書きました。本来はそういう性格じゃないんだけれど。でも、うちの会社の人間含めてボクについてきてくれた仲間もいる。彼らには何か残せるものを残しておかなきゃなって、手紙書いて。関わっている人数分ぐらいは書いたかな。

あとはお金のこととかも。みんな生活に困るだろうからこれはこういう風に分けてくれとか書いて残して。そうしている自分もどこか面白くて。まあ歳だしなとか。どうやって幕を引こうかなとか、そういうことを考えながら、ヨーロッパからマレーシアに戻って生活していました」

■テレビに出たいとは思ってません。基本的にオファーは断ってます

自らの細胞を用いた幹細胞治療が功を奏し、22年10月中旬から『翔んで埼玉』続編の撮影が再開。本格的に活動を再始動した。

「今は完治に向かって戻ってますよ。ようやく8割ぐらい戻った感じ。ひどかった当時の写真がいくつかあって。今振り返るとよくここまで戻ったなって。

『格付け』に関してはね、みんなはいろいろ騒いでいるけど、番組を続ける理由は浜田(雅功)さんだけ。浜田さんに必要ないって言われたらスッとやめますよ。ボクにとって一番大切な恩人ですから。

ボクはテレビに出たいとは思ってません。基本的にオファーは断ってます。ギャラと見合わないって思っちゃいますし。でも浜田さんは20年来の芸能界の恩人で尊敬してます。浜田さんに『ガクちゃん、出てーな』って言われたら返事はひとつです。

ボクは『格付け』に年に一回しか出ません。浜田さんも『毎回出て』と言わないのも、GACKTの存在そのものを大切にしてくれていますし。やっぱりプロだから安売りしちゃダメだって思ってもらえてるし、そういう意味でも尊敬しています。プライベートでは浜田さんと誕生日会とかで会うことはありますが。というか、怖いですよ。恐れ多いというか、緊張します。この歳になって人にビビるってなかなかないですよ。人間性も含めて威圧感もそうだしリーダー的な存在感がすごい。大好きだし尊敬してますが、やっぱ怖いなとか頭いいなとか。ここまでじゃないと、この業界で一線を張れないんだと勉強させてもらってます」

GACKTが『格付け』において心掛けていることは何なのか。

「もちろん、偶然で当てているわけじゃないですよ。勘じゃない。ただ、わかってないものもありますよ、盆栽とか(笑)。だけど番組の特性上、自信満々で答えるようにしています。番組では2人で出ていますが、他の出演者に対しての問題でボクが間違ってることもあります。他の出演者が当ててくれて『ああ、よかった』って思う時もありましたし。

ボクが得意な問題は、映画とか監督とかエンタメ、音楽、ダンス、そういうのは有利ですよ。音楽は、言っちゃ悪いけど役者の人たちにはわかるわけないじゃん!と思うレベルの問題もあります。でもボクも盆栽まではわからないですよ(笑)」

■価値の値段って、大多数の価値観ではなく金持ちが決める

「そもそも『格付け』には間違っても仕方がないって気持ちで出始めました。でも連勝になってきてみんな勝手に期待し始めて。勝手に騒ぐじゃないですか?勘弁してくれよって思いますよ。ストレスです。4年ぐらい前ですかね、美容室いったら500円玉ぐらいの大きさの円形脱毛症ができていて。写真撮りましたよ、その時は。ショックでもありましたけど笑いました。髪をショートにしようと思ってたのにできなくなったんで(笑)。

連勝の責任も感じてたんでしょうね。盆栽の問題の後、盆栽協会からも大量の資料が送られてきて。だからそれを見ながら勉強しました。普段自分が好きなものは自分から勉強するじゃないですか? 言い方が正しいかわかんないですけど、ボクはただのオタクですよ。ハマり症のオタク。

今回は、100万円のワインを当てる問題がえぐくて。ワインの銘柄もなくて。いつもはラフィット・ロートシルトとかムートンとか銘柄があって、何年だとか。それと5000円相当の銘柄がわからないワインの味を比べるんですけど、今回は何もなく。つまりヒントなし。おかしいでしょ? ソムリエのテストですよ、これ。解答まで、いままででいちばん時間がかかった問題です。ボクは24~25歳からワインを好きになったので、起業家の友人たちとたくさん飲んではいます。色見たらブルゴーニュかボルドーかすぐわかるので、これはボルドーだなって。それで飲んで値段のこと考えて。今円安だから2年前は70万、100万ってことはビンテージじゃないなとか。

まあでも、今回はボクのなかではメルローかソーヴィニヨンという2つの選択肢しかなかったので。良く飲んでいるワインだったからラッキーでした。まあでも難しい。普通の人はソーヴィニヨンだと思うんだろうなって。メルローなら予想できる銘柄はニコイチ(二者択一)なので銘柄も当たったっていう感じです。その後、浜田さんに『お前が当てすぎなんや。お前を外させるため必死なんじゃ』って言われましたけど(笑)。

価値の値段って、いろんな付け方があって、美味しい美味しくないはもちろん、希少性、ブランディング、そこの設備とか作り方、設備投資も価値になる。世の中大多数の価値観で値段は決まるものではなく、一部の金持ちが価値を決めるものです。だから高くなる。それを知識のない人たちが『なんでこれはそんな高いんだ!』って言うのは違いますよ。

『格付け』は、外したらやめます。たぶん」