ソン・ガンホとイ・ビョンホン、韓国を代表する名優が4度目のタッグを組んだフライトパニック大作『非常宣言』が1月6日(金)から公開される。

【写真を見る】本当に俳優たちが逆さまに!飛行機に乗るのが怖くなるほど、リアルな墜落シーン撮影風景

MOVIE WALKER PRESSが実施した試写会では、アンケート回答者の93%が「ハラハラした!」、81%が「臨場感があった!」と答えており、「作品の衝撃が大きすぎて、まだ心が自分の居場所を見失っているかのように揺れ動いています。普段見過ごしているであろう社会問題、人間観などが細やかに描かれながらも、社会への痛烈な問いを隠し持っているような、そんな映画だと思います」(30代・女性)といった熱いメッセージも。

その場にいるかのようなスリルと人間の本質が浮き彫りになる極限の人間ドラマの掛け合わせに、高い評価が寄せられている本作の魅力を、観客のコメントと共に深掘りしていく!

■実際にキャストを宙吊りに…墜落映像のリアリティは圧巻

近年、韓国ではパニック映画がヒットを連発し、高速鉄道や沈下したマンション、高層ビルと様々なシチュエーションが題材となってきた。そして『非常宣言』で扱われるのは、高度2万8000フィート上空の旅客機で起こるバイオテロだ。

娘を連れてハワイ行きのKI501便に乗り込んだ飛行機恐怖症のジェヒョク(イ・ビョンホン)は、空港でつきまとわれた怪しい男(イム・シワン)が、同便に搭乗したことを知り不安がよぎる。その不安は的中し、KI501便が離陸するとまもなく、1人の乗客が原因不明の死を遂げ、機内はパニックへと陥ってしまう。

一方地上では、バイオテロ予告がされた飛行機が、ハワイ旅行に向かった妻の搭乗便だと知ったベテラン刑事のイノ(ソン・ガンホ)が、ウイルスの正体を突き止めるべく奮闘。また、国土交通省大臣のスッキ(チョン・ドヨン)も緊急着陸のために国内外に交渉を開始するが、感染者続出のKI501便は副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)の健闘も虚しくついに操縦不能となり、地上へと急降下していく。

本作が圧巻なのは、「自分も乗っている感覚のまま事故になっていったので、座席から落ちそうになった」(30代・男性)とのコメントにもあるような臨場感。それもそのはず、ハン・ジェリム監督はコンテの作成に6か月もの月日を費やし、どうすれば観客にもっともリアリティを与えられるのかを綿密に考え抜いたそうだ。

さらに、念入りに練られたプランを実現するために大掛かりなセットを建てると、キャストたちを実際に逆さ吊りにして撮影してしまうのだから驚き。そんな韓国映画界の技術力を結集したド迫力の映像には、

「韓国映画のすごさを目の当たりにした作品でした。これこそ大スクリーンで観るべき迫力があると感じました」(30代・男性)

「離陸とカーチェイスのシーンは揺れやアトラクション感を覚え、映画館で観ることのよさを改めて感じた」(20代・男性)

飛行機が反転するシーンの臨場感がすごくてびっくりしました。メイキングがとても気になりました。大きな音が響いて迫力があり、映画館で観るべき作品だと思いました!」(40代・男性)

といった、「映画館で観るべき」との意見がズラリ!なかにはあまりの臨場感にトラウマになりそうといった以下の声も見られた。

飛行機の搭乗シーンから始まるので、自分もずっと同じ飛行機に乗っている気分で手に汗握りながら観ていました。最後の最後まで予想できず、閉鎖空間で起こる人間模様や出来事に翻弄されまくり、最終的には飛行機に乗るのが少し怖くなったような気も…」(20代・女性)

「実家に帰省するために飛行機に乗らなければならないのですが、飛行機の落下シーンはリアルでトラウマになりました!!!」(30代・女性)

■ソン・ガンホ、イ・ビョンホンら名優の演技が心に刺さる!

リアリティのある映像に加えて本作で際立っているのが、魅力的なキャラクターに命を吹き込んだ俳優たちの演技。例えば、直情的すぎて予測不能な行動を連発するイノ刑事を、ソン・ガンホは得意の人情味ある芝居で表現。妻を助けたい一心で突っ走る泥臭い姿には多くの人が心揺さぶられたようだ。

「もはや刑事の役割の域を超えたその無謀とも思えたチャレンジ。機内に愛する妻がいるとはいえその真の愛、助けたい想いに涙が止まりませんでした」(20代・男性)

「奥さんに対する愛、家族愛、刑事としての任務への正義感、そして乗客全員の命を守りたいという強い意志が感動的だった」(20代・女性)

「家族と国民を守るための決断力と行動力。刑事としてのあきらめない姿勢が泥臭いけどカッコよかった」(30代・女性)

そんな情熱的な姿を見せたかと思えば、時々小ボケを挟むコミカルな姿もガンホならでは。「『ホノルルってハワイ?笑』と言うシーン、全編緊張感があるなかで少し息抜きができ、笑えた」(50代・女性)という声もあり、作品の小休止としても存在感を見せていた。

またジェヒョクを演じるイ・ビョンホンは、つらい過去を抱え、酒に酔わないと飛行機に乗れないという、イメージを裏切る情けない役柄が新鮮。娘と乗客の命を守るためにトラウマと向き合い強くなっていく様子を体現した丁寧な演技には、

「自分に打ち勝とうとする姿、過去の失敗をプラスに変えようとする姿が印象に残った」(20代・女性)

「自信を失ったキャラが復活する力を感じてカッコよかったです」(50代・女性)

「自分の手で搭乗客を無事送り届けられるようにという強い意志や闘志が見えた目つきで、イ・ビョンホンの演技のうまさに痺れました」(20代・女性)

などの言葉が並んだ。さらに「イ・ビョンホンでなければここまで説得力は出ないだろうなと思わせる迫真のシーンでした」(30代・女性)との感想も飛びだしたのが、クライマックスでのスピーチ。どんな迫真の演技を見せているのか、ぜひ劇場で確認してほしい。

名優2人に割って入るように怪演とも言える存在感を放っていたのが、テロを引き起こす男を演じたイム・シワンだ。アイドルグループ出身でイケメンな役を演じることの多い彼だが、本作では不気味な笑みを浮かべたりと猟奇的なオーラがムンムン。インパクトのある姿は、彼を知る人はもちろん、知らなかった人まで、多くの観客を虜にしたようだ。

「初めて拝見する俳優さんでしたが、気持ち悪い感じというか、なにか普通じゃないな、不思議だなと感じさせるオーラがあった」(30代・女性)

「イム・シワンのいままでの爽やかな印象から一転して猟奇的な演技のすごみがあった」(40代・女性)

「アイドルとしてのイム・シワンしか知らなかったが、役者としての才能がありすぎてびっくりしました。演技者としてサイコパスな犯罪者の演技が上手すぎ」(20代・女性)

さらには「ヒョンス副操縦士もチーフパーサーのヒジンも、自分より乗客のことを考えている人間味ある人でした」(30代・男性)、「ヒジンは、あの閉ざされた空間の中で揺るがぬ存在として居る『聖母マリア』のような存在でした」(30代・女性)、「ヒジンの懸命に自分の使命を果たそうとする姿が胸を打ったから」(40代・女性)など、人命のために全力を尽くす搭乗員を熱演したキャストに対しても絶賛の言葉が散見された。

■価値観を揺さぶるような極限の状況下での人間ドラマ

これらの要素に加えて、上空2万8000フィートでのバイオテロという絶望的な状況であぶり出されるのが人間の本質。旅客機の受け入れを巡る各国や市民の反応、機内での客同士の争いといった人間の残酷さ、そしてその先にある希望が浮かび上がっていく。

複雑な感情が盛り込まれた人間ドラマでもあるがゆえに、「気づいたら泣いてる自分がいました。それぐらい考えさせられる作品でした。話も二転三転して、いろんな感情が湧き出てきました」(20代・女性)、「家族愛や、人間関係について考えさせられました」(30代・女性)など、「考えさせられた」という言葉が並んでいた。特に映画のクライマックス、究極の選択を迫られた際の登場人物たちの決断には多くの観客が言及。

「生きたいと思うからこそ難しい選択だったと思うと悲しくもなりつらくもなった」(20代・女性)

「人としてのある種の理想像であると思います」(30代・女性)

「その決断が正解なのかは一生わからないと思います」(30代・男性)

「自分だったらと考えるとパニクってなにもできないと思う!」(20代・女性)

といった十人十色の反応が見られており、このことからも本作が人間の在り方、倫理観を揺さぶられるような作品であることがわかるはずだ。

説得力のある映像と名優たちの演技、そして重厚な人間ドラマが高いレベルで組み合わさり、パニックムービーならではのスリルの先に強烈な感動を生みだしている『非常宣言』。

「いまだからこそ感じてほしい映画がここにあると思いました。映画館でその想いを偶然居合わせた運命的なお客さんと一緒に共有してほしいです!」(30代・男性)

この言葉にもあるように、いまのご時世ともリンクした部分が多い本作はぜひ劇場で鑑賞してほしい。

構成・文/サンクレイオ翼

極限の状況で人はどうなるのか?『非常宣言』の魅力を試写会コメントでひも解く!/[c]2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED. klockworx-asia.com/hijyosengen