年賀状じまい”が広がる一方で、はがきを通じて子どもに教育を届ける活動が危機を迎えています。自宅やオフィスに眠る不要なモノを寄付に活用する、国内最大級のはがき寄付アクション「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」は、書き損じはがきや切手などを全国の個人や企業の皆様からの募集をしています。物価高による家計への負担が増加し、国内NPO団体への寄付金が減少する中でも、金銭以外の形で寄付・参加できる社会貢献活動です。
【期間】2022年12月26日(月)~2023年3月31日(金) 【主催】認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会

<支援センターで勉強する働く少女たち>
  • はがき・切手1枚からできる社会貢献アクション 
 本キャンペーンは、長引く新型コロナウイルスの影響を受けて、世界で児童労働と児童婚の問題が深刻化している中、特に両方の発生件数が高いと言われているバングラデシュで児童労働に従事している“家事使用人“の少女たちに教育等を届けるキャンペーン。
 子どもから大人まで世代を問わずに誰もが参加可能な「はがき1枚からできる社会貢献」として国内で広がっています。開始10年目を迎えた2019年には65万枚規模となり、書き損じはがき・切手を対象とした単独の寄付キャンペーンとしては、国内最大級となっています。全国から寄せられた書き損じはがきや切手は換金され、教育支援をはじめシャプラニールの活動に活用されます。
<家事使用人として働く少女が洗濯をしてる様子>
  • 年賀状じまい”で寄付激減。さらに手数料値上げの影響で【子ども100人、約2年分】の教育機会損失の危機
 しかし、近年、年賀状の発行部数が毎年過去最低を記録、個人や企業による“年賀状じまい“が急速に広がり、2021年度の寄付総数は約50万枚に留まり3年前と比べて約15万枚減少しました。さらに、2023年4月から郵便局の切手やはがきの交換手数料が42年ぶりの値上げが決定しています。

 この値上げによる影響で、250万円相当の活動資金が資金減少の危機にあり、これは100人以上の子どもの教育支援、約2年間分に相当します。日本国内のはがきの減少等により、海外の子どもが教育を受ける機会の減少にも繋がるおそれがあります。

  • 物価高が家計を圧迫、国内の寄付が減少傾向 【金銭ではない不要品寄付を全国から募集】
 さらに最近では、世界的な物価高による家計への負担が増加していることから、日本のNGO・NPO団体の活動資金となる寄付金が減少傾向にあり、海外で活動するNGO極端な円安の影響も打撃となり、現地の支援活動費の捻出が難しくなっています。
 本キャンペーンの今年の目標は55万枚。例えば、不要なはがき10枚(約500円のご寄付)で、家事使用人として働く少女たちの支援センターを1日運営できる費用(家賃)相当になります。また、はがき20枚(約1,000円のご寄付)で、読み書きを学ぶ授業に必要な教材費等1カ月分相当に。使用済みの切手や旧価格のはがきも寄付の対象となり、家にいながら不要なモノで参加できる社会貢献活動のひとつです。
※ 寄付は管理費など活動全体にも使用されます。
<支援センターでの英語の授業の様子>
  • 「児童労働、児童婚」が世界的に増加の懸念
 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、孤立や教育格差などの子どもを取り巻く問題が深刻化しています。特に貧困層の家庭は影響を受けやすく、世界では失業・収入減した家庭が経済的負担を軽減するために、子どもを働きに出したり、結婚させざるを得ない状況も発生しています。世界の子どもの約10人に1人が児童労働に従事し、女性5人に1人が児童婚*をしており、今後も新型コロナウイルス感染症等の影響で児童労働、児童婚が増えていくことが懸念されています。(*UNICEF、2021)
  • 一日の多くを他人の家で働かされている「家事使用人」の少女
<食事の支度を手伝う少女(野菜を切る様子)>
 バングラデシュでは、1年半という世界で最も長期間におよぶ学校閉鎖がされました。2021年以降に学校が再開され、行動制限等が解除されたものの、現在も一部の子どもたちが学校に戻ることができていません。一度学校から離れてしまうとなかなか学校に戻ることが難しく、その理由に「学校閉鎖中に働き始めた」「結婚させられた」などがあります。学校再開後も失業、収入減や物価上昇で経済的不安を抱える家庭を支えるために労働を継続せざるを得ない子どもや、私立学校の授業料の値上げなどにより再入学できない子ども、復学しても長期閉鎖で勉強についていけずに退学してしまう子どもがいるなど、教育格差が拡大している状況です。
<家事使用人として働く少女>

 子どもでありながら他人の家の家事・子どもの世話をする「家事使用人」は、一日中家の中で働いているため外からは見つけることが困難で“隠れた児童労働”とも呼ばれています。バングラデシュでは、働く少女が30万人以上いるといわれており、新型コロナウイルス感染症の拡大で新たに働きに出される少女がいたり、スラムに住み働きながら学校に通っていた8~13歳の少女のうち約66%が退学*していることがシャプラニールの支援現場でも確認され、新たな児童労働や児童婚の原因となりうる問題も生じており問題は深刻化しています。

  • ~子どもが、子どもらしく過ごせる場を~
 日々、閉鎖的な空間で過ごし社会から隔絶された環境にいる家事使用人の少女には、同年代の子どもたちと、子どもらしい時間を安心して過ごせる場が重要です。シャプラニールは現地パートナー団体とともに、少女たちが読み書きを学んだり、運動会などの遊ぶ場も提供する支援センターを運営しています。少女たちは「支援センターが再開されて嬉しい」「将来は同じような境遇の子どものために何かしたい」と、学ぶことに積極的になっています。
 
また「子どもの権利」について少女たちの保護者や雇用主を対象としたワークショップも実施しています。こうして少女たちが支援センターで学んだことを活かし、雇用主に対して「もっと頻繁に支援センターに通いたい」と直接交渉したり、両親に若くして結婚する意思がないことを伝え、児童婚を回避するなど、少女たちが自分の意思を伝えるような変化も見られています。
  • 「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」概要
●対象
・未投函の郵便はがき(書き損じた/過去の余った年賀はがきかもめーる、往復はがきなども対象)
・切手(未使用、使用済み)

※私製はがきと投函済みはがきは対象外。
 

●参加、寄付の方法: 封筒などに入れて、下記までお送りください。
〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2-3-1 シャプラニール
「あなたのはがきが、だれかのために。キャンペーン」係

●受付期間:2022年12月26日(月)~2023年3月31日(金)
●キャンペーン詳細:https://www.shaplaneer.org/lp/hagaki_cam/
シャプラニール東京事務所 TEL:03-3202-7863 (受付時間:火~土曜 10:00~18:00、定休:日曜・月曜・祝日 )
※ご寄付は子どもの教育支援に限らず、シャプラニールの活動全般に活用いたします。

※キャンペーン期間終了後もご寄付は通年で受け付けています。

  • 「隠れた児童労働」と呼ばれる問題解決へ。性的搾取防止にも貢献。

 近年ではESG投資やSDGs持続可能な開発目標)への関心の高まりから、カカオ・チョコレートなどの食品産業、自動車・電子機器・レアメタルに代表される工業製品など、消費者に身近で影響の大きい産業を中心に児童労働の排除への取り組みが進んでいます。
 しかし、業界団体が存在せずサプライチェーンの監視体制が働かず、工場や農園で働く子どもの状況とは異なり、「家事使用人」として働く少女たちは、一日中家の中で働いているため発見することも極めて困難なことから支援が届きにくく問題の改善がなかなか進んでいません。バングラデシュでは、家事使用人が14歳未満に従事させてはいけない危険な仕事として認められる見込みですが、依然として学校にも行けず虐待などのハラスメントも受けやすい環境下にいるため支援の緊急性が高い問題です。

<技術研修で藍染を学び完成品のスカーフを掲げる少女たち>

 シャプラニールでは、現地の支援センターで少女たちへ教育を提供するほか、行政機関への政策提言活動(アドボカシー活動)や、子どもへの暴力や性的搾取などのハラスメントに関する啓発ワークショップなどを働く少女だけでなく、地域住民に対して実施しています。

 ワークショップからの学びを経て、保護者や地域住民が教育の大切さを認識し、学校や支援センターへ少女を通わせるようになったり、運動会の実施においては各地域の自治体メンバーも協力的に参加したりと、少女たちを取り巻く大人たちの意識変革が見られています。少女たちが正しい知識を身に着けることで希望する将来を切り拓いていけるように、そして児童労働のない社会、さらには貧困のない社会を目指した活動をシャプラニールは今後も継続していきます。
  • 子どもへの教育を一緒に届ける「協力企業パートナー」も募集中
創立50周年を迎えた2022年は、深刻化する現地の状況を受けて、支援強化に向けてキャンペーンの拡大を目指し、市民の皆さまだけでなく、 ESGに取り組む/SDGs推進にご関心のある企業・団体様からの不要なはがき&切手の回収やキャンペーンへの協賛、シャプラニールの活動との協働等でご協力いただけるパートナー企業・団体を全国から募集しています。詳細は下記よりお問合せください。
https://bit.ly/Hagaki_CP2022_Partner
  • シャプラニールについて
~支援が届きにくい「取り残された人々、課題」にアプローチ~
“すべての人々がもつ豊かな可能性が開花する社会”を目指す国際協力NGO


認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会は、1972年に創立された、特定の宗教、政治、企業、団体に属さない国際協力NGO。主にバングラデシュネパールといった南アジアの貧しい人々の生活上の問題解決に向けた活動を現地と日本国内で行い、「すべての人々がもつ豊かな可能性が開花する社会の実現」を目指して活動しています。主な活動、1.子どもの今を支え、明日を守る 2.災害に強い地域をつくる 3.社会からの孤立を防ぐ ➃市民同士のつながりを促す という4つの取り組みを通じて、社会や他の援助
  • 団体概要
・団 体 名:認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会
・所 在 地:東京都新宿区西早稲田2-3-1 早稲田奉仕園内
・代 表 者:坂口和隆(代表理事)
・創   立:1972年9月1日(2022年に創立50周年を迎えました)
・主な活動国:バングラデシュネパール、日本
・主な活動内容:児童教育支援、児童労働の予防と削減、減災・防災支援、災害緊急救援・復興支援、在住外国人にかかわる取り組み、フェアトレード活動、開発教育および出版活動、スタディツアー等
・職 員 数:日本:18名、バングラデシュ:13名、ネパール:6名
・公式サイト:https://www.shaplaneer.org/
・オンラインショップ「クラフトリンク」:https://craftlink.shop/

配信元企業:特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会

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